48歳で”おひとりさま”になりました。現在貯金は「600万円」ありますが、老後に備えあといくら貯蓄が必要でしょうか?

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さまざまな事情により50歳近い年齢になってから「おひとりさま」になり、老後の資金について不安を抱えている人もいるでしょう。ある程度の貯金があるとしても、それだけで足りるのか、どのレベルの生活を送れるのか、心配になるかもしれません。 今後は年金も受給するはずですが「実際にいくらもらえるのかよく分からない」という人もいるのではないでしょうか。 本記事では、定年後にかかる単身世帯の生活費年金の平均受給額を基に、老後いくらあれば安心なのかをご紹介します。

65歳以上単身無職世帯の生活費の平均

総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると「65歳以上単身無職世帯」の1ヶ月の消費支出は平均14万5430円ということです。内訳は表1のようになっています。
表1

項目 金額 食料 4万103円 住居 1万2564円 光熱・水道 1万4436円 家具・家事用品 5923円 被服および履物 3241円 保健医療 7981円 交通・通信 1万5086円 教養娯楽 1万5277円 その他の消費支出 3万821円

出典:総務省統計局「家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
 

年金の平均受給額は?

日本の年金制度は20歳以上の人が加入する「国民年金」と会社員や公務員が加入する「厚生年金」による「2階建て構造」になっています。国民年金の被保険者は原則として65歳になると老齢基礎年金の給付を受けることになりますが、会社員や公務員は老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金の給付を受けます。
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和4年度末時点における国民年金の受給者平均年金月額は5万6428円、国民年金を含む厚生年金の受給者平均年金月額は14万4982円です。
 

貯金が600万円ある場合、あといくらあれば老後は安心?

厚生年金受給者の場合、定年後の収入源が年金のみであっても、1ヶ月の収入14万4982円に対して平均消費支出が14万5430円なので、ちょうど生活費を賄えるだけの収入は得られる可能性があります。そのため、貯金が600万円あればある程度は安心でしょう。
しかし、国民年金のみを受給する場合は1ヶ月に約9万円も不足することになるため、貯金を切り崩さなければ生活できないと考えられます。1年に換算すると約108万円、65歳から90歳までの25年間だと約2700万円の貯金が必要になるため、定年を迎えた時点で600万円の貯金がすべて残っていたとしても、あと2000万円以上不足する可能性があります。
また、生活費以外にも入院費用や手術費用、介護費用、住宅リフォーム費用など、さまざまな資金が必要になることも考えられます。将来自分がもらえる年金の額をしっかりと把握したうえで、余裕のある備えをしておいた方がよいでしょう。
 

受給できる年金が国民年金のみであればあと2000万円以上貯金が必要な可能性もある

老後の資金については「いくら必要なのか?」「今ある貯金で足りるのか?」と不安になることも多いでしょう。特に、おひとりさまだと自分のことは自分で考える必要があるため、不安を抱えたまま老後を迎えることがないよう準備が必要です。
65歳以上単身無職世帯の1ヶ月の消費支出の平均は14万5430円、国民年金を含む厚生年金の平均年金月額は14万4982円なので、ちょうど生活費を賄える可能性があります。しかし、国民年金のみを受給する場合は月の平均年金月額が5万6428円なので、90歳まで生きると仮定すると2000万円以上不足する計算になります。
高齢になると介護費用や住宅リフォーム費用のことなども考えておいた方が安心なので、自分が受給できる年金の額を確認したうえで、いくら備えておくべきか考えてみるとよいでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
厚生労働省年金局 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 II.厚生年金保険 (2)給付状況 表6 厚生年金保険(第1号) 受給者平均年金月額の推移(8ページ)、III.国民年金 (2)給付状況 表20 国民年金 受給者の平均年金月額の推移(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー