【実録】希望お小遣い「月10万円」浪費癖&借金ありのバツイチ夫…「月3万円」まで減らした再婚妻の“方法”
夫婦間の「お小遣い」、以前と様変わりしてきたと見受けられます。妻が夫にお札を渡して「今月はこれでやりくりしてね」という光景、キャッシュレスの昨今は消えつつあるのでしょうか。スマホでお小遣いを送り合うこともあるのでしょうか。
共働きの夫婦が激増し、お財布は別々で、生活費や家賃などを分担して負担するというケースも多いことから、お小遣い制のご家庭は減っているかもしれません。
先日、俳優の新川優愛さんとロケバス運転手の夫のニュースを目にしました。夫のお小遣いが「1週間5000円」であると公表し、大きな話題となっていたのです。週に5000円、月にすると2万円という金額が、多くの人にとって驚きの金額だったのと、ただでさえ“格差婚”といわれていたカップルなので、この金額がそこをクローズアップさせる結果になったのかもしれません。
SBI新生銀行(東京都中央区)が、20代〜50代の男女2718人を対象に行った「2024年会社員のお小遣い調査」によると、男性会社員は3万9081円、女性会社員は3万4921円という結果になりました。ちなみにこの金額は、前年比1477円減(男性)、80円減(女性)です。物価が上がっていることを考えると、なかなか厳しい数字です。年代別では、20代が最も高く4万578円と、男性会社員の50代の平均額とほぼ同水準となりました。
ちなみに「昼食代」は、男性会社員が709円(前年比85円増)、女性会社員は694円(同2円減)という結果に。ランチ代を極力抑える傾向にあるようです。
結婚前は借金があった夫…新NISAを始めるまでに大変身!
「恋人・夫婦仲相談所」所長である私が知る、お小遣いにまつわる事例があります。
好美さん(47歳、仮名)と竜彦さん(49歳、同)夫婦は共働きです。給与は全て夫婦二人の口座に入れて、そこから毎月決まった額のお小遣いを取り出すシステムを採用しています。浪費癖があり、結婚前に借金まであった竜彦さんがズルズルとお金を使ってしまわないように決めたルールでした。
二人はバツイチ同士の子なしカップル。老後の面倒を見てくれる人がいないから、と好美さんが「ガッチリ貯金をしよう」と提案しました。
竜彦さんの離婚原因の一つに、お金の問題がありました。生活費を遊びに使ってしまう、と。「このままじゃいかん」と常々思っていた竜彦さんは妻の言う通りにしましたが、最初のお小遣い金額を決めるときはもめにもめたそう。
「何せ残高があれば使っちゃう、なくても使っちゃうなんて生活をしていた人ですから、いくらあれば自分がひと月暮らせるかが全く分かっていないんですよ。『お小遣いいくらにしようか』と話したら『うーん10万円くらい?』って言ったほどですから」
結局、妻が譲歩して、二人のお小遣い額は6万円に決定。お互い同額にして、余った分は好きなようにするというルールです。美容院代や通院費、季節の変わり目に洋服や靴を購入する費用は別途予算組みすることにして、この中には含めなかったそう。お小遣いでやりくりするのは、お互いの趣味の推し活代や飲み会代、書籍などの購入費、ランチ代などです。
最初の頃、お金の使い方が分からない夫は、月の半ばで6万円が全てなくなってしまい、来月分を前借りするような生活を送っていました。しかし好美さんは怒ることなく、竜彦さんにお弁当を持たせたり、安く買える店を教えたりと献身。
一度に渡すと使ってしまうため、「毎週月曜の朝に1万円ずつ渡す」などと工夫をしているうちに、よい方向へ向かっていきます。夫の毎月のお金が余るようになってきたのです。それどころか、やりくりが楽しくなったようで、「お小遣いの額を減らしていい」という申し出が!
「びっくりしました。『6万円のお小遣いを3万円にする』って言いだしたんです。ポイントやクーポンを使ったり、PayPayを賢く使ったりと、いろいろ駆使してやりくりするのが楽しいから限界に挑戦したい、なんて言って。
しかも、『ただ貯金に回すのはもったいない』って、浮いた3万円で新NISAを始めたんですよ。お金のありがたみを知って、勉強を始めて自分で新NISAまでスタートなんて、マジびっくり。人っていくつになっても変われるんですね」
パートナー次第で生き方は変わる
このご夫婦は、好美さんが浪費癖のある竜彦さんを優しく導いてあげたことで、劇的な変化を遂げて幸せになった超ハッピーケースです。
お金の管理が苦手な人はいるものです。それは仕方ないこと。相手が苦手だということを認識したら、得意な方がすればいいだけなのですが、その際、つい上から目線で「だからあなたはダメなのよ」「なんでこんなことにお金を使うの」などと指導するパターンが多いでしょう。しかし言われた方は「やってらんねえ」とストレスがたまります。二人の関係もギクシャクし、最悪は離婚…なんてことになりかねません。
竜彦さんの1回目の離婚原因の一つになっているように、Agoora(東京都杉並区)が運営するポータルサイト「離婚弁護士相談広場」が2020年、離婚経験のある女性(149人)に調査した「離婚に至った主な理由」の第2位は「経済的理由(借金・浪費・働かない・生活費を渡さないなど)」です。金銭問題を甘く見てはいけません。
もし今、お金問題で夫婦間のトラブルがあるのであれば、ぜひ好美さんのケースを見習ってください。小学生の子どもたちに「お金のありがたみ・使い方」を優しく教えるように、上から目線で叱らず、節約術もディレクションするのです。節約術はウェブニュースや動画、テレビ番組でユニークな方法が流れるので、楽しい会話ネタにもなります。
ちなみに、わが家も「エアコン室外機に当たる日光を遮断すると電気代節約」ネタで盛り上がり、夫婦二人で日光遮断グッズを買いに行くなどして愛を深めています。
お小遣い問題は、二人の金銭感覚をすり合わせるのに適した題材です。子どもの成長の節目ごとにもお小遣い額を決めなければならないので、まずは夫婦間で「感覚すり合わせ会議」をしてください。