札幌記念に出走予定のジオグリフ(ユーザー提供:藤田ことねさん)

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 サマー2000シリーズ第4戦であり、秋の中距離GIシリーズへと続く重要な位置づけにある定量戦のGII競走。

 例年通りに今週からCコースが使用されるが、実力馬にとって有利な舞台設定であることに変わりはない。その一方で函館競馬場で行われた2013年を含めて1番人気馬は12連敗中というデータもあり、一筋縄ではいかないレースだ。

 ◎ジオグリフは一昨年の皐月賞馬。札幌2歳Sを4馬身差で勝っているくらいだから札幌競馬場、洋芝との相性が悪いはずはない。皐月賞以降、なかなか勝ち運に恵まれていないが、国内外のGIレースで健闘を続け、今年に入ってから中山記念は3着と復活の手応えを感じさせた。

 良い脚を長く使える馬だが、大阪杯は平均的に速いラップを追いかけたために上手く脚が溜まらなかった印象で、マイルの瞬発力勝負は分が悪かった。距離はギリギリかもしれないが、初タイトルを手中にした思い出の地で復活を期待したい。

 〇ステラヴェローチェは大阪城S優勝馬。3歳時には皐月賞3着、日本ダービー3着、菊花賞4着で、有馬記念4着だから世代トップクラスの実力馬だった。脚部不安を発症し、1年7か月にも及ぶ長期休養を余儀なくされたが、復帰後3戦目の大阪城Sをトップハンデを背負いながら快勝。

 大阪杯も勝ち馬からコンマ1秒差ならかつての能力をほぼ取り戻していると判断したい。前走は枠順に恵まれず、今回ももう少し内枠を引きたかったところかもしれないが、底力、能力の高さに期待したい。

 ▲プログノーシスは昨年の優勝馬。その後、天皇賞(秋)こそイクイノックスに離されたが、香港Cは5着とはいえ勝ち馬からはコンマ1秒差で、連覇となった金鯱賞は貫禄の5馬身差圧勝。前走クイーンエリザベス2世Cは地元の雄ロマンチックウォリアーとクビ差の好勝負を演じている。海外帰り初戦とはいえ、じっくり間隔を空けての挑戦となるうえに4馬身の差をつけて圧勝した昨年と同条件なら評価は落とせない。

 △シャフリヤールは日本ダービー馬。遠征したドバイシーマクラシックは3年連続で出走し、1着、5着、2着。ジャパンCは3着と2着で、米国BCターフは3着だから実績、実力は1枚上の印象だ。ドバイシーマクラシック帰りは昨年と同じローテーション。秋に向けて恥ずかしい競馬はできないはずだ。

 昨年2着△トップナイフはホープフルS2着、弥生賞2着だから芝中距離では目が離せない存在だ。最後にAJCCに勝ち、前走は外枠に泣かされた△チャックネイトの名前を挙げておきたい。