Intelが「18A」チップ開発は順調と発表、2025年上半期には最初のサードパーティ製品がテープアウトされる見通し
第13〜14世代CPUのクラッシュ問題や株価の急落に苦しむIntelが2024年8月6日に、Intel 18Aのプロセスノードの主力製品である「Panther Lake」と「Clearwater Forest」の開発状況を発表し、ファブから出荷された両チップの電源投入とOSの起動に成功したことを報告しました。
Intel Foundry Achieves Major Milestones
Intel 18A Status Update: First Chips Booting, First External Customer Tape-Out in H1’25
https://www.anandtech.com/show/21504/intel-18a-status-update-first-chips-booting-first-external-customer-tapeout-in-h125
Intel 18A Panther Lake and Clearwater Forest CPUs are booting - steady progress toward the next-gen lithography node | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/cpus/intel-18a-panther-lake-and-clearwater-forest-cpus-are-booting
Intelは8月6日のプレスリリースで、「Intel 18Aの主力製品であるPanther Lake(AI PC向けプロセッサー)とClearwater Forest(サーバー向けプロセッサー)がファブから出荷され、電源が投入され、オペレーティング・システムが起動したことを発表します。これらのマイルストーンは、テープアウト(設計の最終行程が完了すること)から2四半期以内に達成されたもので、両製品は2025年に生産が開始される予定です」と述べて、1.8nmクラスの次世代プロセスノードの開発が順調に進んでいることを明かしました。
Intelの18Aプロセスは単なるプロセスの微細化だけでなく、最先端技術の「RibbonFET」と「PowerVia」が採り入れられているため、先進的チップの分野で巻き返しを図っているIntelにとって特に重要な世代です。
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最新技術を盛り込んだ次世代プロセスの主力チップ開発が遅滞なく進んでいるとの発表について、IT系ニュースサイトのAnandTechは「これはIntelにとって、シリコンリソグラフィ技術での野心が実を結び始めているだけでなく、先進パッケージングをリードするという意志も軌道に乗っているという有望な兆候になります」と評価しました。
また、Intelのシニアバイスプレジデント兼ファウンドリサービス担当ゼネラルマネージャーのKevin O’Buckley氏は別のインタビューで「Intel 18Aを使用した最初の2製品は、どちらもオペレーティング・システムが正常に起動し、社内で使用されており、歩留まりとパフォーマンスも良好です」と述べており、この段階でIntelが新製品の歩留まりについて言及するのは異例とされています。
Intelによると、最初の外部顧客向けのテープアウトも2025年前半に始まる見通しとのこと。この外部顧客がどの企業なのかは明示されていませんが、かねてからEDAツールの提供などで提携関係にあるAnsys、Cadence、Synopsys、Siemens EDAなどがエコシステムパートナーとされており、CadenceとSynopsysはプレスリリースに際してコメントを寄せています。
Intelは2024年7月に18Aプロセスデザインキット(PDK)1.0をリリースしており、これにより関係企業らは18Aの設計を完成させて製品の開発と生産に向けた準備を進めることが可能になります。
O’Buckley氏は「私たちは、AI時代に向けた複数のシステム・ファウンドリ・テクノロジーを開拓し、Intelとファンドリの顧客が次世代製品を開発するのに不可欠なイノベーションをフルスタックで提供しています。この進歩に私たちは勇気づけられており、2025年にIntel 18Aを市場投入するのに向けて顧客と緊密に協力しています」と話しました。