Photo: Dua Rashid / Gizmodo US

7月10日に開催されたSamsung(サムスン)の発表会Galaxy Unpacked。発表されたひとつが新型イヤホン、Galaxy Buds第3世代です。Galaxy Buds3と、高位機種となるGalaxy Buds3 Pro

以前から噂にあった通りデザインが一新されました。で、正直見た瞬間思いましたよね「AirPodsにそっくりじゃね?」って。確かに外観デザインは似ています。同じタイプです。でも、似ているだけじゃないんです。Galaxy Buds3 Pro、使ってみたら悪いところを探すほうが難しいほどの良イヤホンでした。

現在予約受付中で、発売は7月31日。Galaxy Buds3は2万7500円(税込)、Galaxy Buds3 Proは3万8500円(税込)。

米Gizmodo編集部が一足先にじっくり使ってみました。以下、レビューです。

Samsungのイヤホン、Galaxy Budsの第3世代。

前2世代の“豆”とまで言われた丸っこいデザインから180度姿を変えてきました。

一新されたデザイン

なぜだか、使ってたらめちゃくちゃ愛着湧いてくるんですよ、コレ。ステムとかうどんとか言われるあの部分、Samsungでは“ブレード”という呼び方になっていますが、その名前がピッタリです。AirPodsと違い、Buds3 Proのブレードは角ばっています。丸みを帯びておらず、三角っぽいいびつな五角形で角がしっかりあるんです。それがデザインとしてユニークなところ。

ただ、そのユニークさが裏目にでるのが充電する時。その独特の形状から、ケースに収めるのが難しい。特に急いでいるときはちょいイライラします。パズルみたい。ケースとイヤホンに赤と青の目印があるので、少なくとも左右のヒントはあるんですけどね。

充電時のちょっとしたイライラはありつつ、このカクカクデザイン、すごい好き。使えば使うほど、なんかわかんないけどどんどん好きになります。不思議な形…。ブレードを摘んだりスワイプしたりして曲送りや音量調整するのですが、この奇妙な三角五角形が指に馴染む。心地いい。なるほど、丸いステムはつまみにくかったんだと、角ばったブレードをつまんで初めて気づきました。

つまみやすーい!

ブレードに搭載されている感圧ボタンと触覚フィードバックのおかげで、ブレードの操作性が非常によい。それに加えて、操作の反応としてクリック音があるので、ちゃんと認識されているんだなという安心感もあります。

“ステムデザインのイヤホンあるある”で、イヤホンの付け心地を調整したいだけなのにタッチ操作が発動されてしまう……というのがあったのですが、Buds3 Proだとそれはありません。“触る”ではなくブレードをつまむ・押す必要があるからです。無意識にイヤホンを触るのと、意図して操作するのではっきりメリハリがついてますね。

ブレードの角形状のおかげで、スワイプ操作する面積が比較的とれていると思います。とはいえ、スワイプの音量コントロールはもうちょっとスムーズにならんのか?と感じます。 そもそもスワイプ操作ってオーバーイヤーヘッドホンとか、スワイプのスペースがもっとしっかり確保できるモノ向けだと思うのですが。Buds3 Proでスワイプもできるけど、そのたびに耳のフィット感もずれてしまって残念。

フィット感でいうと、今回レビューで使用したのは1番小さいイヤーピース。個人的な話ですが、耳の形や穴のサイズの問題でイヤホンは不得意だったのですが、Buds3 Proの小さなイヤーピースは、珍しく装着感がとてもよかったです。

サウンドクオリティ

無印モデルのGalaxy Buds3からプラス70ドル(日本価格では約1万円)多く払うのは、ブレードのライト機能のためだけじゃありません。2wayスピーカー、デュアルアンプ、プラナーツイーター、ウーファーと、音そのものも高位機種ならでは。数日、このイヤホンで音楽聴いたり、SNSやYouTubeの動画見たりして過ごして気づいたこと、それは低音のクセ。

低音がこもっている感じがするんですよね。こもってるというか、くもっているというか。音量5割くらいですでにこもってる。あと、ちょっと重い。好みもあるとは思いますが、個人的にはベースが重すぎて曲全体のバランスが崩れるように感じました。ちなみに、それがよくわかる曲が「You & Me (Flume Remix)」。一方、プラナーツイーターは適切で高音はとても良質。クリアでシャープながらも、やりすぎないバランスがよし。

曲全体のバランスやクリアさよりも、低音を重視したくなるのはジムでワークアウトしている時。運動中はむしろ、低音のクセが吉とでました。

アクティブノイズキャンセリング(ANC)もよし。エアコンの真横とか、マットレスを電動ポンプで膨らませながらとか、あえてうるさいタスクをしながらイヤホンを使ってみましたが、ANCがいい仕事していました。ANCは低音よりも高音の方がキャンセリングがうまく作用するとよく言われるとおりですが、それでもエアコンの作動音などが気にならない程度までは、しっかりキャンセルされていました。

Buds3 Proには、無印にはないアクティブノイズコントロールという機能があります。AIが音を微調整してANCをさらに強めるそうですが、正直ピンとこれはきませんでした。子どもの声が響く公園横の部屋でも、比較的静かなキッチンでも、何か聞こえ方に差があったかと言われると、わかりません。気づかなかったですね。

防水仕様&バッテリー

1週間のレビュー期間中は、いつものイヤホンと同じようにがっつり毎日使いました。私は通話利用が多いのですが、接続がうまくいかない、切れるということは1度もありませんでした。

防水仕様はIP57。日常生活のなかでは、着用したまま歯磨きしたり顔を洗ったりしました。酷暑と言えるニューヨークの街でスーパーにも歩いて行き、汗ドロドロにもなりました。で、問題はいっさいなし。

バッテリー持ちも、公式が言う通り。レビューした7日間、毎日使いましたが、最初にフル充電してからまだ1度も充電していません。主な使用はSNSと音楽視聴、通話です。使用時間は1日3時間前後。なので、トータル20時間使った計算。Samsungいわく、ANCありで26時間、なしで30時間。私の使い方だとANCありなし取り混ぜなので、公式の計算に近いかと。バッテリーもちには満足です。

総評:5点満点中4.5点

嫌なところある?と聞かれたら、重箱の隅のすみをつつくしかない良イヤホン。挙げるとしたら、ベースのクセ、重すぎるくらい。ただ、それも好みの問題なのかも…。無印との価格差は確かにサウンドクオリティにもありますが、そこで低音に期待するならやめた方がいいですね。

一見ヘンテコに見えたデザインも、その操作性と指のフィット感で好きになりました。音質もリッチでクリア。ANCも非常にパワフル。音量スワイプ操作が好みじゃなかったけど、それが購入を妨げるポイントになるかというと、そこまでではない。

地下鉄ユーザーの相棒としては近年最高クラスの良イヤホンだと思います。これ、地下鉄に毎日乗る私からしたら最高の褒め言葉なんです。ANCの力を1番実感できる気がするんですよね、地下鉄って。それでいうと、Galaxy Buds3 Proは価格に見合うANC性能だと思います。

基本の無印モデル、Galaxy Buds3よりも高位機種であるBuds3 Proを買う価値があるか? 答えはYES。予算に余裕があるなら高位機種があたり年です!

いいところ:ブレードのライト含め高位機種だけに高級感のあるデザイン。高音&中音の素晴らしさ! ANCもしっかりパワフル。公式の言う通りバッテリーもちもいい。

残念なところ:ブレードの特徴的な形状ゆえに、充電ケースにしまいづらい。音量調整もうちょっとなんとかしてほしかった。低音がこもっている。