リオデジャネイロの西側に位置する美しいビーチリゾートで13日、結婚式を挙げたばかりの2人。この日の夜に新郎が亡くなった(『G1 「Família de noivo atropelado após o casamento pede que polícia analise outras câmeras de segurança para ajudar nas buscas de foragido」(Foto: Reprodução)』より)

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ブラジル、リオデジャネイロの西側に位置する美しいビーチリゾート「レクレイオ・ドス・バンデイランテス」で13日夜、数時間前に結婚式を挙げたばかりの新郎がBMWにはねられて死亡した。事故が起きたのは午後11時37分頃で、運転手は今も逃亡を続けている。ブラジルのニュースメディア『G1』などが伝えた。

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亡くなったのはファビオ・トシロウ・キクタさん(Fábio Toshiro Kikuda、42)で、事故が起きる数時間前に6年間交際したブルーナ・ビジャリーニョさん(Bruna Villarinho)と結婚式を挙げたばかりだった。

2人は披露宴が終わった後でホテルに荷物を預け、夜のウォーターフロントを散策しようと外出。手を繋ぎながら交通量の多いルシオ・コスタ通りを横断していた。

当時の監視カメラの映像では、2人が車の合間を縫うようにして海沿いの通りを渡っているのが分かり、バイクが通りすぎた直後、ファビオさんがバランスを崩しているように見える。

するとちょうどそこに、ヴィトール・ヴィエラ・ベラルミーノ(Vitor Vieira Belarmino、30)が運転していたBMWが突っ込み、ファビオさんをはねたのだった。ところが衝突直後の路上にファビオさんの姿は見当たらず、困惑した様子のブルーナさんがスピードを落としたBMWの後を追っていくのが見て取れる。

BMWには当時、18歳から20歳の女性5人が同乗していたそうだが、現場で最初に被害者に寄り添ったのは、新郎新婦と同じホテルに滞在していたサンパウロの救急隊員で「現場に着いた時、車はすでに走り去っていた」と証言している。また事故を目の当たりにした人々は、次のように述べたという。

「BMWはスピードを出しており、非常に危険な運転をしていた。」
「被害者はボンネットに衝突し、体が車のフロントガラスにめり込んだ。ところが車に乗っていた人々は、車を走らせた状態で被害者を投げ落とした。被害者が道路に落下すると、車はそのまま走り去った。」

このほかにも「被害者をはねたBMWは、一旦停止すると数人が車の外に現れた。そしてフロントガラスにめり込んでいた体を引っ張り出し、路上に放置して走り去った」という証言もあるようで、当局は15日、ヴィトールを過失致死罪と救護義務違反で指名手配し、ポスターを作成して情報提供を呼びかけた。

さらに現場近くのコンドミニアムでは事故から数時間後、ヘッドライトが壊れ、フロントガラスが割れて車体がへこんだBMWが押収された。車内と車のドアにワインの染みがあったほか、グラスの破片が散らばっていたそうで、当局はヴィトールが飲酒をしていた可能性があることを示唆した。

しかし、同乗していた女性たちは「ヴィトールは飲酒や薬物の使用はしておらず、時速70キロの制限速度も超えていなかった。追い越しをしようとしたところ、事故が起きた」「被害者は衝突の衝撃で宙に投げ出され、車両の左側に落下した」と語っているそうで、目撃者の証言とは食い違いがあるようだ。

実は5人の女性はその夜、誕生日パーティーに参加した後でビーチに行くことに決め、ヴィトールの「BMWで連れていく」という言葉に甘えて同乗し、事故が起きた後は現場から数メートルの場所で車から降ろされたという。

ヴィトールはフリースタイルフットボーラーとして活躍するインフルエンサーで、フォロワー数28万人超のSNSではサッカーのパフォーマンスや豪華なライフスタイルを披露していた。ただ事故後にアカウントが削除されており、現在も逃亡中で当局が行方を追っている。

一方でファビオさんは、15歳の息子がいる理学療法士で、父の生まれ故郷である日本へ新婚旅行に旅立つ予定だった15日、リオデジャネイロで埋葬された。

結婚式当日に新郎が死亡するという悲劇のニュースには、次のようなコメントが寄せられている。

「歩行者の注意散漫によって引き起こされた死亡事故。ただ、運転手は逃亡すべきではなかったね。」
「男性はまるでBMWの前に身を投げ出したようにも見える。」
「彼はバイクを避けようとしてバランスを崩したのでは?」
「2人は横断歩道を渡るべきだった。」
「運転手は酒を飲んでスピードを出していたのだろう。酒が抜けるまで逃亡を続けようと思ったのか? 今に捕まるよ。」
「歩行者と運転手、どちらにも非があると思う。」
「新婦があまりにもかわいそう。安らかに。」

ちなみに2020年には米カリフォルニア州で、23歳の妊婦が薬物の影響下で車を運転していた女にはねられて死亡した。赤ちゃんは帝王切開で誕生して助かり、写真が公開されると「涙が止まらない」「幸せになって」といった声が相次いだ。

画像は『G1 「Família de noivo atropelado após o casamento pede que polícia analise outras câmeras de segurança para ajudar nas buscas de foragido」(Foto: Reprodução)(Foto: Rafael Nascimento / g1)』『EM OFF 「VÍDEO: Influenciador atropela e mata homem recém-casado no Rio」(Reprodução/Instagram)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)