なぜ新型車は「同じ顔」採用している? 「上級車種」から「普及モデル」まで「統一デザイン」が多し… ブランド内で「デザインテーマ」採用するワケ
各メーカーで「同じデザイン」 なぜそうしている?
毎年さまざまな新型車が発表されていますが、近年ではメーカーごとに同じ特徴を持ったデザインをまとって登場することが多くなりました。
一体なぜなのでしょうか。
実はこうした「同じデザイン」を採用するのは、海外ではもともと古くから採用されている手法です。
【画像】「えっ…」 これが「各社のデザインテーマ」です! 画像で見る(70枚)
たとえば、BMWの「キドニーグリル」やアルファロメオの「盾形グリル」、ジープの「セブンスロットグリル」など、メーカーごとのモデルに共通した意匠が使われていることをご存知の方も多いことでしょう。
しかしその一方で、日本車は車種ごとの特徴はあったものの、メーカーで統一したデザインはあまり採用されてきませんでした。
その流れも変わり、最近はレクサスの「スピンドルグリル」や三菱の「ダイナミックシールド」、マツダの「魂動デザイン」など、統一したデザインを採用するケースが増えています。
このようにメーカーごとに同じようなデザインテーマを採用する理由は、一目でそのメーカーの車種であることを分かるようにして、ブランドとしての一体感を出すことが最大の理由となっています。
現在は日本車と言えども日本国内だけでなく、多くの国と地域で販売され、国内外でのグローバル車種も増えてきました。
しかし、昔のように「安くて丈夫」という特徴だけでは販売競争で戦い抜くことは難しくなってきているため、メーカーごとの特徴を打ち出すことで、ブランド力を付けようとしているというワケです。
もともと統一したデザインを纏う車種はBMWやメルセデス・ベンツ、アウディなどプレミアムブランドが中心。だからこそブランド力をアピールするために採用していたのです。
逆に国産メーカーは、安価な軽自動車やエントリーモデルのコンパクトカーをはじめ、スポーツカー、SUV、ミニバン、高級車まで幅広いラインナップを誇っていたため、なかなか共通したデザインを採用しにくかったという側面もあります。
確かに、エントリーモデルとフラッグシップモデルが共通したデザインとなっていたら、ユーザーとしても複雑な気持ちになることは間違いないでしょう。
そのため国産メーカーで統一したデザインを採用しているのは、比較的限られています。高級ブランドのレクサスや、「選択と集中」の名の下にモデルラインナップを集約したマツダ、スバル、そして車格を問わずSUVテイストを盛り込んでいる三菱、電動化を推し進めている日産です。
メーカーに特徴があるところが中心となっているのも、そのイメージを強固にする意味があるのです。