任天堂が施した著作権保護技術を違法に回避するコードを含んでいるとして、Nintendo Switchエミュレーターの「Suyu」「Nzu」「Uzuy」「Torzu」「Sudachi」「Yuzu-vanced」等のGitHubリポジトリに任天堂のアメリカ法人であるNintendo of Americaが削除を要請しました。これらのエミュレーターはすべて、かつてNintendo of Americaに訴えられたエミュレーター「Yuzu」を引き継いだプロジェクトでした。

dmca/2024/07/2024-07-05-nintendo.md at master · github/dmca · GitHub

https://github.com/github/dmca/blob/master/2024/07/2024-07-05-nintendo.md

Nintendo Targets Switch Emulators Suyu, Nuzu, Uzuy, Torzu, and Sudachi * TorrentFreak

https://torrentfreak.com/nintendo-targets-switch-emulators-suyu-nuzu-uzuy-torzu-and-sudachi-240710/

Nintendo of Americaによると、削除要請の対象となったエミュレーターは「Yuzu」に基づくコードを含んでおり、該当のコードによって任天堂の著作権保護技術が違法に回避され、利用者が著作権を侵害する可能性があるとのことです。

YuzuはPC等でNintendo Switchのゲームを遊べるようにしたエミュレーターで、オープンソースでの開発が進められていましたが、Nintendo of Americaにより「デジタルミレニアム著作権法(DMCA)の迂回(うかい)禁止規定に違反している」と見なされ、訴えられました。Yuzuの開発者は訴えを受け入れ、和解案を承諾し、Nintendo of Americaに対して240万ドル(約3億8800万円)を支払うことに合意しています。和解によりYuzuのGitHubリポジトリは削除され、Yuzuが管理するドメインはNintendo of Americaへ引き渡されました。



Yuzuの公開終了翌日に登場したのが「Suyu」というプロジェクトです。SuyuはYuzuのコードを引き継ぎつつ、著作権を侵害する行為は徹底的に排除するとうたっていましたが、公開から間もなくGitLabから削除され、その後すぐにDiscordのサーバーがDiscordの意向により削除されています。

その他「yuzu-build」「Torzu」「yuzu_compressed」「Sudachi」「Uzuy」「SUYU-EMU」など複数のプロジェクトがYuzuまたは類似プロジェクトのフォークとして登場しましたが、著作権保護技術を回避するYuzuのコードを含むものはDMCA削除通知が提出され、GitHubリポジトリが無効化されています。なお、GitHubのルールにより、それぞれの開発者は異議申し立てが認められています。

Sudachiの開発者は「通知が来ましたが、違法なコンテンツは提供していないので異議を申し立てます」と述べ、コードをオープンソースの代替物に置き換えてGitHubの反応を待つとコメントしました。