炎天下の車内に「サンシェード」ホントに意味ある? “最速で冷やす”最も効果的な方法が判明! すぐ出来るコツは?
効果は!? サンシェードって本当に意味あるの?
フロントガラスなどに使用するサンシェード。
車内に日が差し込むことを防ぎ、車内の温度上昇を避けるためのグッズですが、実際に効果はあるのでしょうか。
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炎天下の日にクルマを駐車すると、乗り込むときに車内の暑さに辟易する人も多いでしょう。
エアコンを切った状態でクルマを外に放置すると、車内温度が60度以上になることもあります。
そのため、なるべく温度を抑えるために、サンシェードを使用している人もいます。
サンシェードとはクルマの日除けに使われているものです。
フロントガラスの内側に設置して日光が入るのを防ぎ、車内の温度を上げないようにする役割があります。
しかし、サンシェードを使用することで本当に温度を抑えることができるのでしょうか。
実は、これについて JAFが2012年に検証を行っています。
それは、ミニバンのクルマを5台用意し、それぞれ異なる条件で駐車して車内温度を比較するというもの。
気温35度の晴れた日に、午後12時から4時間クルマを放置。条件はそれぞれ、何も対策をしていない白いクルマと黒いクルマ、窓を3cm開けた白いクルマ、エアコンを作動させたままにした白いクルマ、そしてサンシェードを装着した白いクルマです。
結果、サンシェードを使用したクルマの最高気温は50度、ダッシュボードの最高気温は52度になりました。
一方で、何も対策していない白いクルマの最高気温は52度、ダッシュボードの最高気温は74度です。
この結果から比較すると、たしかに対策をしていないクルマと比べてダッシュボードの温度を抑える効果はありますが、車内全体の温度としてはあまり変わりません。
検証結果について、 JAFの担当者は次のように話しています。
「サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度となり、車内温度の上昇を防ぐことはできない可能性が高いです」
どうやら、サンシェードを装着したとしても、劇的な効果は見られないようです。
また、窓を開けた場合も同様に効果が低く、もっとも車内温度上昇を抑えたのはエアコンの作動でした。
一刻も早く涼しくなりたい…温度を最速で下げる秘策とは?
サンシェードや窓を開けても車内温度の上昇を抑えられないとなれば、車内の温度を素早く下げる方法に期待したいところです。
車内を冷やすのに効果的な方法について、前出の担当者は次のように話しています。
「 JAFは2016年に車内の温度をもっとも下げる方法を検証し、結果を公開しています。
これによると、窓を全開にしてエアコンを外気導入にして走り出し、車内の熱気を出したら窓を閉め、内気循環にして冷やすことが最も効率的な方法でした」
過去の実験によると、エアコンをつけ、窓を開けた状態で走行することがもっとも効果があるということが分かりました。
このときのポイントは「外気導入」と「内気循環」の使い分けです。
外気導入は車外の空気を取り込んで換気を行い、内気循環では密閉された車内の空気を循環させます。
まずは窓を開けた状態で外気導入モードにすることで車内の熱を外に逃し、ある程度温度が下がったら窓を閉めて車内の空気を循環させることで、効率よく快適な温度に下げることができます。
そのため、炎天下に放置していたクルマに乗り込むときはすぐにエアコンをつけ、なるべく早めに発進することが推奨されます。
また、ハンドルなどは高温になりやすいため、乗車時は火傷に注意するようにしましょう。
加えて、夏の日に駐車する際は、中の荷物にも注意をしないと事故につながる場合があります。
これについて、前出の担当者は次のように話していました。
「スマートフォン等電子デバイスは高温に耐えられず、一時的に使用不能となる可能性があります。
また、スプレー缶やライターなど、可燃性の高い危険物を車内に置くことは避けるべきです。
他にも車内温度が上がった車内に炭酸飲料を放置すると暴発するおそれがありますのでご注意ください」
スマートフォンなどの電子機器や、可燃性の高いものは高温の車内に放置しておくと危険とのこと。
特に飲みかけのペットボトルはうっかり放置しがちですが、炭酸飲料は爆発の危険もあるので注意が必要です。
また、小さい子どもやペットを車内に残すと熱中症の危険性があります。少しの時間でも車内に残さないようにしましょう。
※ ※ ※
サンシェードはダッシュボードの温度上昇抑制には一定の効果があるものの、車内全体の温度を抑える効果はあまりないようでした。
そのため、クルマに乗り込んだ後に、素早く温度を下げる措置をとることが大切です。
JAFの実験によると、エアコンを付けて走行することがもっとも効果的だということが分かっています。