とちぎテレビ

栃木県の児童相談所で2019年、女子中学生(当時)が男子児童(当時)からわいせつ行為をされたとして、県に損害賠償を求めていた裁判で、県は、宇都宮地裁が原告の訴えを一部認めた判決を不服として控訴します。8日開かれた県議会で賛成多数で可決されました。

これは2019年3月、児童相談所の一時保護所に保護されていた女子中学生が、同じ時期に一時保護されていた男子児童から呼び出されトイレの個室で体を触られるなどしたものです。

その後、女子中学生は児童相談所側に注意義務違反があったとして、設置者である県に慰謝料など330万円を求めた訴訟を起こし、6月28日、宇都宮地裁は訴えの一部を認め、110万円を支払うよう命じる判決を出しました。

8日の県議会で福田富一知事は「判決を不服として控訴するため議会の議決を求める」と述べ、採択の結果、賛成多数で可決されました。

県は控訴の理由として、男子児童が「異性への関心を持つことが自然な年齢」で「性的なことも含め問題行動に及ぶことを予見することが可能だった」とする裁判所の判断について、同様の年齢の児童を一律に見ることは児童福祉の点から望ましくない、予見は困難だったとしています。

また男子児童と女子中学生は当時、別々の面接室に置かれていて、職員が定期的に見回っていたことや、隣の学習室には他の子どももいて大きな物音や声がすれば直ちに駆け付けられる状況にするなど、適切な体制を取っていたと説明しました。