Cars crashed heavily in road accident after collision on city street. Road safety and insurance concept.

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一概に「修復歴アリ」がダメとは言えない

 中古車を購入するときに、多くの人が気にするであろうポイントが「修復歴」の有無ではないでしょうか。
 
 修復歴があるということは、過去に何かしらの修理が必要なダメージを負っているということの裏返しであるため、自分が購入するときは避けたいというのも自然な考えかと思います。

中古車の「修復歴あり」 買っても大丈夫?[画像はイメージです]

 しかし、多くの人も同じ考えで修復歴なしを求めるため、修復歴のあるクルマは修復歴のないクルマに対して安価で売られている傾向にあります。

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 安くクルマを購入したいと考えている人にとっては、むしろ修復歴があるクルマは魅力的にも映ります。

 では、実際に修復歴があるクルマを購入しても問題ないのでしょうか。

 そもそも修復歴とは、そのクルマに修理歴があるかどうかを指しているワケではなく、ある特定の部分を修理しているかどうかで判断されています。

 その部分とは、フレーム(サイドメンバー)、クロスメンバー、インサイドパネル、ピラー、ダッシュパネル、ルーフパネル、フロア、トランクフロアの8か所。

 いわば“クルマの骨格”に当たる重要な部分に修復歴がある車両を「修復歴がある」としているのです。

 つまりそれ以外の部分、例えばドアやフェンダーなどを板金修理や交換をしていたとしても、修復歴には該当しないということになります。

 もちろん、骨格に当たる部分を修理しているのだから、修理していないクルマに比べるとクルマとしての価値が劣るのは致し方ありませんが、一概に修復歴があるといってもその状態はさまざまです。

 例えばフロントから思い切り壁に突っ込んでしまい、フロント周りのフレームやクロスメンバー、ダッシュパネルにまでダメージを負ってしまったクルマと、停車中に後ろから低速で突っ込まれてしまい、若干トランクフロアにひずみが発生してしまったクルマとでは、車両が負ったダメージには雲泥の違いがあります。

 また、大きな事故をしてしまったクルマでも、場合によっては問題のない場合もあります。

 例えば、最新の技術でしっかり寸法を測って新車時と同じ状態で修理したものもあれば、見てくれだけを修理して実はまっすぐ走るのも困難な状態のまま、というもののように、修理のレベルにも違いがある点も考慮しなければいけません。

 そうしたことから、修復歴があるクルマを購入する際は、どの部分をどのくらい修復しているのかをしっかり確認し、自分で試乗してそのクルマの状態を判断できるスキルを身につけることが重要になってきます。

 もしくはディーラーの認定中古車など、信頼・納得できるお店で購入するといったことでなければ、現実的にはなかなかオススメしづらいというのが実際のところです。

 しかし、軽微な内容の修復歴で、さらに実際に試乗してまっすぐ走って止まり、異音や振動などの違和感を覚えることがないような車両で、相場よりも安く購入できるというのであれば、一考の価値はあるかもしれません。