日産新型「セレナ“ミニ”」登場は? シエンタ&フリード対抗の「小型ミニバン」は? 実はあった「小さな3列車」 ユーザーの声いかに
日産「セレナミニ」の登場は?
最近、ホンダは「フリード」をフルモデルチェンジ、トヨタは「シエンタ」を一部改良と、コンパクトミニバンに注目が集まっています。
一方で現在、日産にはフリードやシエンタの直接的なライバルと言えるモデルはありません。
果たして「セレナミニ」が登場する可能性はあるのでしょうか。
車体が小型のため取り回しが良く、高くて広い視界のため運転もしやすい。さらにモノがたくさん積めて最大7人まで乗れる。
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コンパクトミニバンにはこのような機能性が凝縮されています。それゆえ高い人気のあるカテゴリです。
その市カテゴリに動きがありました。前述の通りホンダは、2024年6月にフリードをフルモデルチェンジ。トヨタも、2024年5月にシエンタの一部改良を行いました。
日本でもミニバンは、コンパクト、ミドルサイズ・ラージサイズに大きく分けることが出来ます。
フリードやシエンタはコンパクト、ノア/ヴォクシー、ステップワゴン、セレナ、デリカ D:5はミドルサイズ、アルファード/ヴェルファイア、グランエース、オデッセイ、エルグランドはラージサイズと分けられます。
これを見ると、トヨタ・ホンダ・日産はバランスよくラインナップしているように見えますが、日産だけコンパクトを持っていません。
なお最近ではミドルサイズに分類されるモデルの巨大化が進んでいいるものの、コンパクトに分類されるフリードとシエンタは全長4.3m以下に押さえています。
2台のボディサイズを比較してみるとフリードの現行型(6月発売予定の新型は未公表)のボディサイズは、全長4295×全幅1695×全高1735mm(最大値)に対してシエンタは全長4260×全幅1695×全高1715mmです。
現在日産には、このサイズに当てはまるコンパクトミニバンは日本市場にはなく、唯一商用車の「NV200バネット(ワゴンに5人乗り/7人乗)」が近しい存在と言えます。
ワゴンのボディサイズは、全長4400mm×全幅1690mm×全高1850mmと、フリードやシエンタよりは大きなサイズです。
なお、海外ではアジアや欧州でコンパクトなサイズのミニバンが存在しています。
実は日産にもかつてコンパクトミニバンといえるモデルがありました。それは「キューブ」と「ラフェスタ ハイウェイスター」です。
キューブは1998年に初代が登場し、2001年に2代目に進化。2008年に3代目が登場しました。
2代目には3列シート/7人乗りの「キューブ キュービック」というモデルも追加。しかし、キュービックは3代目には引き継がれていません。
キューブは日産の中でも人気モデルとなりましたが、2019年に生産終了となります。
キューブにスライドドアの設定はありませんでしたが、パッケージとしてはコンパクトミニバンに近いものがありました。
一方ラフェスタ ハイウェイスターは、マツダ「プレマシー」のOEM車として2011年に登場しました。
こちらは両側スライドドアを採用した3列シート・7人乗り仕様のため、コンパクトミニバンといえるパッケージです。
しかしラフェスタ ハイウェイスターも2018年に生産終了しています。
そのため2024年現在、日産でのコンパクトミニバン需要はセレナが背負っている状況です。
「日産のコンパクトミニバンがほしい」という声が多数 どんなモデルなら日本で出そう?
かつてはキューブというヒット車も出した日産には、それを受け継ぐようなコンパクトミニバンが欲しいという意見も多数あるでしょう。販売店に実際に聞いてみました。
関東圏の日産販売店担当者は次のように話します。
「コンパクトミニバンについて問い合わせをいただくことはあります。
『シエンタやフリードに近いモデルはないのか』『日産で3列シートといえばセレナだけど、コンパクトミニバン見てみたい』などのお言葉を多く頂きます。
セレナより一回り小さい3列シートのクルマをお求めになられている方は、さまざまなメーカー様のクルマを検討された後に、別メーカー様のクルマを購入されるか、最終的にセレナを購入する人が多いように感じます」
さらに、関西圏の日産販売店担当者は次のように話します。
「日産でもコンパクトミニバンのラインナップを追加してほしいとの声を頂くことはございます。
日産では現在ご用意が無いため、セレナの購入を検討されるケースが多いです。
『日産にコンパクトミニバン無いから、セレナにしておこうかな』、『2列シートのクルマで大きめのサイズにしようか悩むな』など別のモデルで代用する人が多いです。
コンパクトミニバンのようなクルマをお求めになられている人はセレナのほかにも、ノートやキックスで、2列シート車の購入を検討される人が多い印象です」
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現在、シエンタやフリードに対抗するには前述のNV200バネット(ワゴン)を内外装のデザインに手を加えて、さらに乗用仕様らしい装備などを備えたモデルが必要かもしれません。
また一部では「海外モデルを日本に持ってきて欲しい」という声もあるようですが、それらは日本市場を意識して開発をしていないため、法規対応などのコストを考えると日本で受け入れられるのは難しいそうです。
さらには以前から「ノートの3列シートが出る?」という噂はありましたが、推測の域を出ません。
そうしたなかで日産は2024年3月25日に公開した新たな経営計画「The Arc」において公開された新型車群のシルエット映像を公開しています。
そのなかには、クロスオーバーミニバン風のモデルの姿がありました。
果たしてこれは“セレナミニ”なのか、今後の日産に注目です。