「Snapdragon X Elite」を搭載したノートPC「ASUS Vivobook S 15 S5507QA」で各種ベンチマークを回してみた
Qualcommが開発したArmプロセッサ「Snapdragon X Elite」を搭載したCopilot+ PCの「ASUS Vivobook S 15 S5507QA(以下Vivobook S 15)」を借りられたので、各種ベンチマークソフトを回してその実力を測ってみました。
ASUS Vivobook S 15 (S5507) | ノートパソコン | ASUS日本
https://www.asus.com/jp/laptops/for-home/vivobook/asus-vivobook-s-15-s5507/
(PDFファイル)https://www.asus-event.com/pr/asusjp-spec-S5507QA.pdf
Vivobook S 15のフォトレビューは前回の記事で確認できます。
Snapdragon X Elite搭載で「Copilot+ PC」対応のテンキー付きノートPC「ASUS Vivobook S 15 S5507QA」フォトレビュー - GIGAZINE
CPU-ZとGPU-Zで確認したVivobook S 15の内容は以下の通り。CPUは「Qualcomm Snapdragon X Elite」で、コア数は12、スレッド数は12です。なお、CPU-ZはARM版を使用しています。CPU-ZでGPUは「Qualcomm Adreno GPU X1E78100」と表示されています。なお、GPU-Zでは「デバイスがデータにない」とのエラーが出ました。
「CrystalDiskInfo」でストレージを確認したところ、Vivobook S 15はMicron製のMTFDKBA1T0QFM-1BD1AABGBが使われていました。容量は1TBです。
続いて電源に接続した状態でベンチマークを実施しました。なお、各種ベンチマークアプリは特筆しない限りARM対応版を使用しています。「CrystalDiskMark」で測定したVivobook S 15のSSDの転送速度が以下の通り。シーケンシャルリードが5040.40MB/s、シーケンシャルライトが3599.25MB/s、ランダムリードが367.49MB/s、ランダムライトが465.20MB/sでした。
次はCPUや2D・3Dグラフィックスの性能を測る「CrystalMark Retro」を実行。Vivobook S 15の全体スコアは「4590」となり、CPUのシングルコアスコアが「7547」、マルチコアスコアが「85280」となりました。
「Geekbench 6」によるVivobook S 15のCPUのベンチマーク結果は、シングルコアのスコアが「2455」、マルチコアのスコアが「14779」でした。
シングルコアのスコア詳細はこんな感じ。
マルチコアのスコア詳細はこんな感じ。
続いてGeekbench 6でGPU性能の測定を行いました。まず、OpenCLのスコアは「20543」でした。
詳細はこんな感じ。
Vulkanのスコアは「24353」でした。
詳細です。
続いてBlenderの公式ベンチマークツールで測定。このツールはCPUまたはGPUでパストレーシングのサンプルをどれだけ速くレンダリングできるかを示してくれます。今回使ったバージョン4.1.0は正常にベンチマークを実行できなかったので、同梱されているPythonスクリプトを修正して実行しました。またCPUのみ計測しています。結果はmonsterが「75.152870」、junkshopが「43.897969」、classroomが「26.058252」でした。
次は「Passmark PerformanceTest V11」を実施。Passmark PerformanceTest V11はx86版とARM版があり、今回は両方をテストします。まずはx86版。Vivobook S 15の総合スコアは「4145」で、世界中のユーザーが試行したベンチマークと比較すると「45%」という結果が出されています。これは、中央値を下回っていることを意味します。
CPUスコアは「18074」でパーセンタイルは「62%」。
2Dスコアは「404」で「34%」。
3Dスコアは「2808」で「30%」。
メモリスコアは「2859」で「57%」。
ディスクスコアは「28527」で「84%」でした。
次は過去にGIGAZINE編集部で実行したベンチマーク結果のログを引き出してベースラインとし、Vivobook S 15を「ASUS NUC 14 Pro+」、「Dell XPS 13/14」、「OMEN Transcend 14」と比較してみました。まず総合スコアが以下の通りで、Vivobook S 15はXPS 13をやや下回る位置に。
続いてCPUスコア。今度はVivobook S 15がXPS 13を上回ります。
2Dスコア。
3Dスコア。
メモリスコアはVivobook S 15が上位に。
最後はディスクスコアです。
次にARM版で測定してみます。総合スコアは「3824」で、パーセンタイルは「42%」になりました。
CPUスコアは「25245」でパーセンタイルは「79%」。x86版だと「18074」「62%」と出ていたので、ARM版のソフトウェアなどを扱う際は期待できそうな数値。
2Dスコアは「452」で「37%」。
3Dスコアは「2162」で「25%」。
メモリスコアは「4230」で「99%」という驚異的な数字に。
ディスクスコアは「28482」で「84%」でした。
次にVivobook S 15をARM版で計測した結果(オレンジ)とx86版で計測した結果、その他PCをx86版で計測した結果を並べます。最初は総合スコア。
CPUスコア。
2Dスコア。
3Dスコア。
メモリスコア。
ディスクスコアです。
次は「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」を実行。なお、このソフトウェアはARMネイティブではありません。これによりゲームプレイ時の快適さをある程度つかむことができます。Vivobook S 15において、最大負荷がかかる「画質:高品質」「解像度:3840×2160」「ウィンドウ:フルスクリーン」でベンチマークを実行した結果が以下の通り。スコアは「798」で評価は「動作困難」です。
「軽量品質」「1920×1080」「フルスクリーン」で計測すると「3178」「普通」に。
「標準品質」「1920×1080」「フルスクリーン」で計測すると「2507」「やや重い」になりました。
「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」で計測。同じくARMネイティブではありません。結果は「高品質」「1920×1080」「フルスクリーン」でスコアは「6094」、評価は「やや快適」になりました。
設定を「標準品質」に変えてみると「6701」で「やや快適」に。実際にフルHDでゲームをする際は「標準〜軽量品質」にするとよさげです。
今後、Microsoftから「Recall(回顧)」機能が配信され次第レビューする予定です。