[6.26 J1第20節 FC東京 1-0 札幌 味スタ]

 チームを勝たせる一発となった。FC東京の決勝ゴールを挙げたのはMF安斎颯馬。「この味スタで勝利を掴みたかった。本当に気持ちで押し込んだゴールだった」と思いを語った。

 今季ホームで3勝を挙げていたFC東京だが、そのうち2勝は国立競技場で行われたもの。味の素スタジアムでの勝利はひとつだけだった。北海道コンサドーレ札幌との試合でも序盤は押し込まれる時間帯もあったが、少しずつチャンスを作り出す。そして後半39分、待望のゴールが生まれた。

 右サイドでMF松木玖生から後方にパスが出ると、MF原川力がダイレクトでクロスを上げる。ファーサイドに待ち構えたのは安斎。「原川選手がキックモーションに入った瞬間に相手の一番危険なところに入ろうと思った。マークがついているのはわかっていた。自分が先に入ってしまえば相手も対処できない。うまく背中に入り込むことができた。そういったポジショニングもよかった」。左足で合わせたシュートはクロスバーに当たりながらゴールネットを揺らした。

「ボールに触れるかどうかの瞬間。シュートに関してはミートすることだけを意識していた」(安斎)。得点が決まった瞬間にゴール裏に猛ダッシュ。「味スタで前半戦は1勝。サポーターの方々は苦しい思いをしながらもずっと声をかけ続けてくれた。そういった思いにも応えたい気持ちが強かった」。喜びをサポーターと分かち合い、「個人的にもすごくうれしかった」と喜びを口にした。

 前々節にプロ初ゴールを決めてからさっそく2得点目。安斎は「本当に大きいもの」と2得点の意味を語る。「ただ、点を取ったことによってさらに結果が求められることは間違いない。チームメイト、監督、サポーターの期待に応えられる選手になっていきたい」。一年前倒しでプロ入りしたルーキーは、着実に成長スピードを上げている。

(取材・文 石川祐介)