イラスト:小林マキ

写真拡大

6月4〜10日は「歯と口の健康週間」でした。年を重ねてもしっかり食べていきいきとした毎日を送るためには、歯と口の健康維持が不可欠です。ところが、日頃のお手入れは歯磨きだけ、という人がまだ多いよう。歯垢対策やマッサージなど、習慣にしたいケアを紹介します(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/岩田正恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)

* * * * * * *

こまめなケアで歯と歯ぐきを若々しく保つ

予防の第一は、日頃のケアを徹底し、口内の衛生状態を保つこと。

「それには歯磨きだけでは不十分です。歯磨きで取り除けなかった歯垢は、やがてがんこな歯石になり、虫歯や歯周病を悪化させます。とくに、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯ぐきの間に溜まりやすいため、歯磨きに加え、毎日、歯間ブラシやフロスで歯垢を取り除く習慣をつけましょう」

虫歯や歯周病への抵抗力を高めるためには、歯ぐきの血行を促すことも効果的です。

「指で歯ぐきをマッサージしましょう。血行が悪いと歯ぐきの色が暗赤色になることもあります。薄いピンク色で張りのある状態が理想的」

また、歯ぎしりや食いしばりはマウスピースで対策できますが、本人に自覚のないことが多いため発見が遅れがちだといいます。すり減りなどがないか、定期的に歯科医でチェックするとよいでしょう。

認知症予防のためにも健康な歯を残して

加えて、歯を失っても入れ歯やインプラントにすればいいと安易に考えないで、と注意を促します。

「歯の根元は神経が通っている歯根膜というクッションに包まれており、噛むたびに刺激を脳に伝えて脳を活性化させています。歯を抜くと歯根膜も失うので、脳への刺激が減少することに。認知症予防のためにも、多くの歯をできるだけ健康な状態で残したいものです」

歯が抜けてしまった場合は、そのままでいるのはよくありません。

「臼歯が抜けたままだと、前歯が前方に傾斜して出っ歯やすきっ歯になるフレアアウトという現象が起こります。早めに歯科医を受診し、部分入れ歯やインプラントで対策しましょう」

次回からは、その他の口腔ケア方法を紹介します。