ホンダの「バラード」まだあった!? 「シティ」や「アヴァンシア」まで現役… もはや懐かしい名称の海外モデルとは
”懐かし車名”が海外で「現行モデル」として存在
クルマの車名というものは、代を重ねて現在まで使用されているものもあれば、1世代のみで終わってしまったもの、代を重ねたものの現在ではラインナップから消えてしまったものまでさまざまです。
なかには時代を経て復活する車名もありますが、実は海の向こうでは現在でも使用されているものも少なくありません。今回はそんな海外ではまだ使われている懐かしい車名を持ったホンダ車をピックアップしました。
●「バラード」
【画像】「えっ…!」 これが現行「バラード」と現行「シティ」です! 画像で見る(60枚)
ホンダ「バラード」は、1980年に当時のベルノ店向けに用意されたモデルで、「シビック」の4ドアセダンの兄弟車として誕生。
バラード自体の知名度はそこまで高くないかもしれませんが、2代目モデルの派生車種として登場した、「バラードスポーツCR-X」を記憶している人は多いのではないでしょうか。
結局バラードは2代目モデルをもって消滅し、バラードスポーツCR-Xもモデルチェンジで「CR-X」と改名したことで日本では車名が途切れてしまっていますが、2011年に南アフリカ向けの小型4ドアセダンとして車名が復活。
現在も最上級グレードに「RS」の名を冠するモデルを擁する1.5リッタークラスのモデルとして、南アフリカのホンダのラインナップの一角を担っているのです。
●「シティ」
日本では1981年に登場し、“トールボーイ”として一斉を風靡した初代と、一気にキャラクターを変えてワイド&ロースタイルに変貌した2代目が存在していたコンパクトカー「シティ」。
日本での販売は1995年末で終了していますが、翌96年からはアジアの新興国向けのコンパクトセダンとして車名を継続。
2002年に登場したモデルは日本でも「フィットアリア」として販売されたほか、2013年に発売されたモデルも日本で「グレイス」として販売されていたモデルと兄弟車関係にありました。
また、前述した南アフリカ向けのバラードはこのシティの兄弟車となっているほか、現在販売中のモデルは4ドアセダンのほか、5ドアハッチバックも新たに用意され、現地の若いユーザーからの支持を集めているそうです。
●「アヴァンシア」
1999年に登場した「アヴァンシア」は、北米向け「アコード」のプラットホームを使用し、一見するとステーションワゴンに見えるボディを持ちながらも、4ドアクラブデッキと称して新たな上級車の形を提案するモデルとなっていました。
リアシートを重視した室内空間や、3リッターV型6気筒エンジンをラインナップしたほか、現在のアダプティブクルーズコントロールに近いシステムやホンダ初の5速ATを搭載するなど、意欲的なモデルでした。
しかし販売面では苦戦が続き、2003年に早々に姿を消すこととなってしまいました。
そんなアヴァンシアの名前は、2016年に突如として中国市場で復活。
ただステーションワゴンタイプのボディではなく、クーペ風のスタイルを纏ったクロスオーバーSUVとしての復活でしたが、主力モデル「CR-V」より大型の高級クロスオーバーSUVであるため、新たな上級車の形を模索するという意味では共通項があるかもしれません。
●「エリシオン」
全高が低く、スポーティな走りが売りの3列シート車「オデッセイ」に対し、トヨタ「アルファード」や日産「エルグランド」に対抗できる大型ミニバンとして2004年にリリースされた「エリシオン」。
販売面ではアルファードやエルグランドには及ばなかったものの、遅れて追加されたV型6気筒3.5リッターエンジンを搭載する「エリシオン プレステージ」は、国産ミニバンとして初めて300PSを達成するなど、存在感を放つモデルとなっていました。
そんなエリシオンの名前は現在、中国の東風ホンダのフラッグシップミニバンの名前に使われており、このモデルは現行型オデッセイをベースに押し出しの強いグリルやメッキパーツをあしらい、上級感を演出したものとなっています。
●「インスパイア」
日本では1989年にアコードの上級派生車種として誕生した、「アコード インスパイア」を祖に持つ「インスパイア」。その後は「レジェンド」とアコードの間を埋めるモデルとして5世代に渡って生産されていましたが、2012年の秋に生産を終了。
その後、インスパイアの名前を冠するモデルはしばらく存在しませんでしたが、2018年に中国市場向けにインスパイアの名前が復活。
このモデルはインスパイアの祖でもあるアコードの兄弟車となっており、東風ホンダのフラッグシップセダンの役割も担っていて、現在は昨年日本で販売がスタートした新型アコードベースのインスパイアが販売中となっています。