ホンダ新型「ヴェゼル」登場! 搭載の「最新ハイブリッド」何がスゴイ? 他メーカーがマネしない「e:HEV」の進化とは
ホンダ新型「ヴェゼル」には“最新バージョン”のハイブリッドを搭載
ホンダは2024年4月25日に新型SUV「ヴェゼル」改良モデルを発売しました。多岐にわたる改良が施されたといいますが、中でもハイブリッドシステム「e:HEV(イーエイチイーブイ)」は同メーカーの中でも最新の仕様となっているようです。
ヴェゼルは、ホンダが2013年に売り出したコンパクトSUV。現行型は2021年4月に発売した2代目です。
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そんな2代目ヴェゼルのマイナーモデルチェンジモデルが、2024年4月にも発売となりました。
マイナーチェンジのグランドコンセプトは「EXPAND YOUR LIFE(人生を広げる)」。現行モデルで評価の高いシンプルでクリーンなスタイリングはそのままに、フロントグリルやフロントバンパーに変更を加え、一層存在感のあるデザインが目指されています。
内外装の変更だけでなく、静音材の追加による静粛性の向上などあらゆる面での改良が施されています。
中級グレード以上に搭載されるハイブリッドシステム「e:HEV」も、同社の中でも最新バージョンのものに更新されているといいます。
ホンダのハイブリッドは、1999年に登場した初代インサイトに採用されたIMA(Integrated Motor Assist System)から始まります。以来、様々なシステムの研究・開発を進められ、現在はe:HEVという名称を冠したシステムに進化しています。
e:HEVは2012年に発表されたスポーツハイブリッドシリーズの中の「i-MMD(Intelligent Multi Mode Drive)」の発展形で、エンジン・駆動用モーター・発電用モーター・パワーコントロールユニット・リチウムイオンバッテリーで構成。
基本的なシステムの構成自体は、他メーカーの2モーターハイブリッドとそこまで差はありませんが、その“方式”は他メーカーと大きく異なります。
“シリーズパラレル切り替え方式”と呼ばれるもので、バッテリー残量がある時はモーターのみで駆動する「EVドライブモード」、強い加速が必要な時などはエンジンを始動して発電用モーターを駆動し、その電力を走行用モーターに供給して駆動を行なう「ハイブリッドドライブモード」に、そして高速道路での走行などでモーターの効率よりもエンジンの効率が良い場合には、エンジンの駆動を直接タイヤに伝える「エンジンドライブモード」に切り替わります。
ちなみに日産のe-POWERなどで用いられる“シリーズ方式”と呼ばれるハイブリッドシステムでは、エンジンは完全な発電用とし、エンジンによって作られた電力で走行用モーターを稼働し、タイヤを駆動しています。またトヨタのハイブリッドシステムなどに用いられる“シリーズパラレル式”では、エンジンの動力を分割してタイヤの駆動と発電を行い、この電力で動かす走行用モーターの出力とエンジンからの直接の出力を混流させ駆動しています。
シリーズパラレル切り替え方式について、本田技研工業のe:HEV開発責任者である佐々木貴啓氏は「シリーズ方式とシリーズパラレル式のいいとこ取りができる方式」と説明しています。
そんなe:HEVの最新バージョンが、新型ヴェゼルには搭載されているといいます。どのような進化を遂げたのでしょうか。
まず制御の進化により、バッテリー使用量を拡大、これによりエンジンのON/OFF切り替えを30%低減するほか、EV走行範囲を拡大しています。
さらに、現行型ヴェゼルによる実走行のデータ解析を反映させ、ハイブリッドモードへの切り替え速度を短縮。スムーズな加速レスポンスを実現しています。
また、スポーツモード時のアクセル操作に対する加速応答性も高めており、ワインディングロードでの走行もさらに気持ちよく、リニアな走りを実現しています。
実際に乗ってみると、静音材の追加もあり静粛性はかなりのもの。力強い走り出しと、高い応答性は確かなもので、十二分に“スポーティ”な走行も楽しめる仕様となっていました。
特にAWDのグレードでは、コーナーリングの安定性もかなり高次元の仕上がりで、SUVながらスポーツカーのようなドライバビリティを感じることができました。
ここまでの仕上がりを実現したe:HEVの今後のさらなる進化に期待がかかります。