千葉の地獄渋滞「国道296号」で悲願の「バイパス道路」工事進行中!? 船橋〜八千代〜佐倉の「第2ルート」どこまで完成しているのか

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国道296号の「サポート役」になる!? 並行の都市計画道路

 停滞した道路網で全方位的に渋滞が深刻な千葉県北西部ですが、そのなかでも特に指折りに停滞した道路が、船橋市から東の内陸部へ伸びる「国道296号」です。
 
 旧態依然とした2車線道路が延々と続く、生活道路の域を出ない道路ですが、バイパスにあたる道路も整備が進んでいるようです。どのような計画なのでしょうか。

国道296号に並行する道路が一部開通済み(画像:Google Earth)。

 国道296号は、船橋市から八千代、勝田台、佐倉と、千葉県のベッドタウンをつなぐ重要な東西ネットワークを果たしています。

【画像】えっ…!? これが「国道296号バイパス」ルートと整備状況です(30枚以上)

 逆に言えば、国道296号をのぞいて、東西にまっすぐ1本につながった道路は、ほぼ皆無と言っていい状況です。そのため、中長距離移動するクルマは、基本的に国道296号へ集中します。

 しかし国道296号は、どこまで行っても徹底的に昔ながらの2車線道路。完全にパンク状態に近く、およそ混雑していない区間は無いとまで言われるほどの渋滞道路です。

 そんな国道296号にも、並行して「第2ルート」を形成する道路が、沿線市の手で、少しずつ整備中です。

【船橋市】3・4・20号 印内習志野台線
【八千代市】3・4・1号 新木戸上高野原線
【佐倉市】3・4・5号 井野酒々井線

 この新たな東西道路は、各市で以上のような名前になっていますが、道路としては1本につながっています。

 これらが全部完成すれば、中山競馬場の南側から、船橋駅北側、飯山満、習志野台、八千代、ユーカリが丘をむすぶ道路となります。

 壮大な計画ですが、このうち、動いているのはどこでしょうか。

で、結局どこが完成して、どこが動いてるの?

【完成済み】船橋松戸線〜東海神〜船橋我孫子線(駿河台)
 イオンモール船橋の南側の東西道路(市場通り)が、最終的に八千代やユーカリが丘までつながる予定なのです。2車線の生活道路ですが、十分な路肩があって、道路幅はゆったりしている印象です。

 駿河台交差点から東側は、思わせぶりな短い道路が伸びていますが、ここから習志野台までは未着手です。

【事業中】習志野台
【完成済み】習志野台〜船橋日大
 新京成の線路東側で、2つの工区が動いています。延長は合わせて636mで、現在は住宅地のセンターラインもない路地ですが、これを2車線の街路幅に拡幅します。今のところ事業期間は「2029年3月末」となっていますが、用地取得が進んでいないところもあり、まだ不透明です。

 そこから八千代市境までの約1.5kmは開通済みです。

【事業中】船橋市境〜船橋印西線
【完成済み】船橋印西線〜国道296号(大和田新田)
 約1.0kmが開通済みで、国道296号へ斜めに合流する部分が、2024年3月に開通したばかりです。

【完成済み】国道296号〜村上
【事業中】その先の640m
 いったん国道296号に合流したあと、東側でふたたびバイパスとして分離し、まっすぐ東へ進みます。

 現時点で3.6kmほどが開通済みで、村上エリアにとっては、国道296号のバイパスとして貴重な東西ネットワーク道路となっています。

 道路は佐倉市境の手前まで延伸工事中。640mの工区が動いています。

【事業中】市境付近
【完成済み】西ユーカリが丘〜国道296号(上座)
 八千代市〜佐倉市の市境付近の未開通区間は約1.5km。ここさえ繋がれば、大和田〜ユーカリが丘で国道296号をまるまるバイパスして通り抜けられるようになります。

 ユーカリが丘では、市境方面へ、2023年3月に約600mが延伸開通したばかり。少しずつ、全通へ近づいています。

【完成済み】臼井台〜佐倉駅
 国道296号の南側へ進路を変え、佐倉駅までバイパス道路が開通済み。地元では「水道道路」という名前で呼ばれています。

※ ※ ※

 こうして、モザイク状に、少しずつ壮大な1本の道路は開通と事業進捗を迎えています。しかし、1本につながらないと、バイパスとしての機能はあまり無いというのも現状です。今のところ、各地域で、国道296号を通る必要がなくなってよかった、と沿線住民が安心するくらいにとどまっています。

 なお、4車線道路を東西にズバッと貫き、法定速度で走行できるような「立派なバイパス」の計画は、今のところ近辺で動いていません。少しずつ、対症療法のように拡幅や2車線街路が作られているのみです。