固定概念を覆す“変貌” 元阪神助っ人ロハスが韓国球界で新境地「最強助っ人が恐怖のリードオフマンに変わった」
韓国球界に復帰してから異彩を放ち続けているロハス。その変貌ぶりが話題となっている。(C)Getty Images
日本球界でも馴染みのあるスラッガーの“変貌”ぶりが小さくない話題となっている。今季からKBO(韓国プロ野球)リーグのKTウィズに復帰した元阪神のメル・ロハスJr.だ。
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阪神時代とは「別人」のような活躍ぶりだ。NPBでの2年間で通算打率.220、17本塁打、48打点、OPS.697と低調なパフォーマンスに終始したロハスJr.は、契約満了とともに阪神を退団。その後にメキシカンリーグの計3球団プレーした34歳は、熱心な誘いを受けたKTと1年90万ドル(約1億3050万円)で再契約を交わしていた。
韓国球界に舞い戻ったロハスJr.は、20年に打撃二冠王(本塁打&打点)とリーグMVPを獲得した時を彷彿とさせる打棒を披露。現地時間6月3日時点で打率.308、14本塁打、48打点、出塁率.424、長打率.576、OPS1.000とハイアベレージを記録している。
特筆すべきは「新境地」を見出している点だ。というのも、今季のロハスJr.は5月12日(現地時間)の斗山ベアーズ戦から1番としてスタメンに定着。出塁率(.424)の高さを遺憾なく発揮している。
阪神時代には見られなかった“器用さ”を見せるベテランの助っ人砲には、地元メディアも舌を巻く。
韓国のスポーツメディア『OSEN』は「あの最強助っ人が恐怖のリードオフマンに変身した」と絶賛。「リードオフマンとして出塁するだけでなく、1番定着後はOPS1.132と破壊力まで発揮している。下位打線でチャンスさえ生み出せれば、得点につながる確率が高くなった」と、WBCで韓国代表を率いたイ・ガンチョル監督の抜擢に順応したロハスJr.の存在価値を強調した。
また、日刊紙『Mania Times』は「現代野球は打順ごとの役割が変化し、固定概念が壊れてきている。20世紀には強打者を4番に配置することが『正解』とされたが、昨今では2番にチームの最高の打者を配置するケースが増えた」と指摘。球界における“常識”の変化をクローズアップし、こう記している。
「かつてはなんでも器用にこなせて、作戦遂行能力の高い選手を2番に配置していたが、今は違う。メジャーリーグのスーパースターとなった大谷翔平でさえもドジャースで2番打者だ。当然ながら1番バッターの役割も変わってきている。パワーヒッターであるロハスを1番に起用した大きな効果を上げている」
球界における“変革”の象徴となっているロハスJr.。衰え知らずのパフォーマンスは、ますます興味深いものとなっている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]