町田助っ人が絶賛“黒田イズム”…スタメン大幅入れ替えでも「メンタリティーができている」
ルヴァンカップ3回戦・鹿島アントラーズ戦でデュークが躍動
FC町田ゼルビアは5月22日に行われたルヴァンカップ3回戦で、鹿島アントラーズに2-0と快勝してプレーオフラウンド進出を決めた。
19日の東京V戦(5-0)から先発10人を入れ替えた一戦で、町田の2つのゴールを決めたのはオーストラリア代表FWミッチェル・デュークだった。
前線で迫力のあるプレッシングを見せていたデュークが、先制点を挙げたのは前半20分のこと。GKにプレスをかけ相手のビルドアップのミスを誘うと、そこからボールがエリキに渡る。エリキはワンタッチでゴールに最も近いデュークにパス。これを確実にゴールに決めた。
さらに前半36分にも同じように中盤でボールを奪い、カウンターを仕掛ける。縦パスが引っ掛かったところを拾ったデュークが左のMFナ・サンホに展開。ナ・サンホが丁寧にワンタッチパスをゴール前に入れると、さらに丁寧にエリキがワンタッチで折り返す。ここに走りこんだデュークが、確実にゴールを射抜いた。
リーグ戦では途中出場が続いているが、それでも直近4試合で2ゴールを記録と好調だったストライカーは、この試合前に「今日は絶対2点くらい決める」と黒田剛監督や選手たちにも宣言していたという。
エリキのアシストを受けて2ゴールを挙げたデュークは、「ゴール前でエリキが完璧なお膳立てをしてくれたから、2つとも簡単なゴールでした。エリキが素晴らしいチャンスをくれたので、感謝しています。2点目は素晴らしいワンタッチが続いたゴールだったと思いますが、2つともストライカーにとって夢のようなパスでした」と、笑顔を見せた。
エリキとの連係の良さについて、「昨シーズンから一緒にプレーして、多くの成功を味わった2人のストライカーですからね。エリキは全く自己中心的なところがなくて、ゴールだけを見ているだけではなく、常にフリーな味方も探してくれます。今日は素晴らしい2つのパスを僕にくれました」と、胸を張った。
また、この試合では最前線での迫力あるプレスも目立ったが「あれが僕のプレースタイルの1つです。僕はまず守備の役割をこなすことを考えます。多くのストライカーが持っているメンタリティーではないかもしれませんが、プレスバックすることや最終ラインと中盤のパスコースを切れることが、自分の強みだと思っていますし、それが自分のチームの助けになり、相手のチームの脅威になると思っています。その点もうまくできたと感じていますし、それも引き続きやっていきたいと思います」と、充実の表情を見せた。
「チームを助けるチャンスを与えてくれることを期待する」
先発をこれだけ入れ替えたなか、チームが自分たちのやろうとすることを体現できたことは、競争の激化にもつながる。クオリティーの高さを証明した外国籍選手たちを、どう使うかは黒田監督にとっても嬉しい悩みだろう。
「どんな試合でも、誰がプレーしても、町田のスタイルでプレーできるように黒田監督がチームを仕立ててくれています。今、全員が監督の言葉に耳を傾け、自分のやるべきことをやって、チームのスタイルを表現しています。無失点を続けて、シュートチャンスを作らせずに相手を苛立たせることができていると思います。
黒田監督は強いメンタリティーをチームに植え付けてくれたし、もしうまくプレーできていたらチャンスを与えてくれる。逆に言うと、良くなければ外される。出ている選手が、常に良いパフォーマンスを出そうとするメンタリティーができているのは、チームとしての安定感にもつながっていると思います。黒田監督が『チャンスを与えてくれたら、仕事をしっかりしてくれる』と僕をもっと信頼してくれて、チームを助けるチャンスを与えてくれることを期待するよ」と、デュークは出場時間を延ばすことへの意欲を見せた。(河合 拓 / Taku Kawai)