第11回高校生直木賞(同実行委員会主催、文部科学省ほか後援)の選考会が、2024年5月19日13時より、千代田区紀尾井町の文藝春秋にて開催され、下記作品が受賞作として決定いたしました。

 本年は過去最多となる、46校が参加して開催されました。

受賞作 宮内悠介『ラウリ・クースクを探して』朝日新聞出版

■高校生直木賞とは

 全国の高校生たちが集まって議論を戦わせ、直近1年間の直木賞の候補作から「今年の1作」を選ぶ試みです。フランスには、読書教育の一環として30年以上にわたって行われている「高校生ゴンクール賞」(毎年2000人を超えるフランスの高校生たちが参加し、権威ある仏ゴンクール賞の候補作の中から自分たちなりの1作を選ぶ)があります。その日本版を目指して2014年5月に第1回が開催され、『巨鯨の海』(伊東潤)が受賞。以降、第2回『宇喜多の捨て嫁』(木下昌輝)、第3回『ナイルパーチの女子会』(柚木麻子)、第4回『また、桜の国で』(須賀しのぶ)、第5回『くちなし』(彩瀬まる)、第6回『熱帯』(森見登美彦)、第7回『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』(大島真寿美)、第8回は『雲を紡ぐ』(伊吹有喜)と『オルタネート』(加藤シゲアキ)の2作、第9回は『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬)、第10回『汝、星のごとく』(凪良ゆう)が選ばれました。第11回となる今回は全国46校約500名の生徒が選考に参加しています。

■高校生直木賞実行委員会 代表 伊藤氏貴氏のコメント

「過去最大の46校が参加し、地方予選、全国大会だけで7時間が議論に費やされました。それでも話し合う中で常に新たな発見があり、終了後も語りつくせない参加者たちが会場に残って話していました。とても高校生というくくりでは扱えない彼らの深く鋭い読みは、全国大会での議論の過程として『オール讀物』7・8月号や、高校生直木賞のHPに発表されますので、ぜひお読み下さい」

■受賞者 宮内悠介氏のコメント

「私の言葉が高校生の皆さんにも届いたこと、何よりも嬉しく思います。
このたびはありがとうございました!」

■今回の参加校一覧

北海道函館西高等学校/立命館慶祥高等学校/岩手県立盛岡第四高等学校/三輪田学園高等学校/麻布高等学校/駒込学園駒込高等学校/東京成徳大学高等学校/聖学院中学校高等学校/品川女子学院/青稜中学校・高等学校/渋谷教育学園渋谷高等学校/実践女子学園高等学校/田園調布学園 高等部/東京都立西高等学校/豊島岡女子学園高等学校/山崎学園富士見中学校高等学校/聖徳学園高等学校/東京都立三鷹中等教育学校/晃華学園中学校高等学校/国際基督教大学高等学校/東京都立国立高等学校/東京都立立川国際中等教育学校/東京純心女子高等学校/東京都立南多摩中等教育学校/横須賀学院高等学校/横浜富士見丘学園中学校・高等学校/慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部/自修館中等教育学校/向上学園 向上高等学校/渋谷教育学園幕張高等学校/茨城キリスト教学園中学校高等学校/埼玉県立大宮高等学校/埼玉県立浦和第一女子高校/山梨県立都留高等学校/加藤学園暁秀中学校・高等学校/藤枝学園 藤枝明誠中学校・高等学校/豊川高等学校/灘高等学校/愛媛県立八幡浜高等学校/筑紫女学園中学校・高等学校/九州産業大学付属九州高等学校/福岡県立城南高等学校/宮崎県立宮崎西高等学校/宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校/宮崎県立都城泉ヶ丘高等学校/鹿児島県立松陽高等学校

■第11回「高校生直木賞」候補作は、下記5作となります。

河粼秋子『ともぐい』新潮社/嶋津輝『襷がけの二人』文藝春秋/永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』新潮社/万城目学『八月の御所グラウンド』文藝春秋/宮内悠介『ラウリ・クースクを探して』朝日新聞出版

選考結果の詳報は「オール讀物」7・8月特大号(6月21日発売)に掲載予定です。