乃木坂46 山下美月、アイドルに憧れた少女はいつしか究極のアイドルに…駆け抜けた7年半の軌跡
5月11日(土)12日(日)に東京ドームで卒業コンサートを開催した乃木坂46・山下美月。三期生として加入し、何度もシングルのセンターに立ちグループを牽引した。『CanCam』専属モデルや朝ドラ出演など、個人としても活躍し、乃木坂46に新たな風を吹かせた。様々な雑誌でインタビューを担当したライター・犬飼華氏が山下美月のアイドル人生を振り返る。
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今月11日と12日、乃木坂46の山下美月が卒業コンサートを行い、アイドルとしての役目を終えた。乃木坂46の三期生オーディションに合格したのが2016年9月のこと。7年半以上走り続けたアイドル人生だった。
卒業コンサートの舞台は東京ドーム。2日とも満員だった。開場前からグッズを買おうとするファンが列をなし、山下の写真がプリントされた幟(のぼり)と写真を撮ろうとするファンもまた長蛇の列を作った。誰もが目を輝かせている。ここまでの存在になったのか――。担当記者としては目を細めるしかなかった。
思えば、日本武道館で開催された「お見立て会」(お披露目イベント)から山下は群を抜いて輝いていた。客席からステージまでは数十メートルの距離があった。にもかかわらず、「まだこんな子がいたのか」と驚きを禁じ得なかった。ファンからもひときわ大きな歓声が上がったが、私の周囲に座っていたメディア関係者も山下の登場に色めき立ち、「すごい……」「マジか……」と口々に感想を漏らしていた。後日、たまたま近くに座っていた某1期生から、「全部聞いてましたからね」と言われ、焦った日が懐かしい。
山下はそれほどの逸材だった。その日、12人の三期生は3曲を披露したのだが、山下は『ガールズルール』でセンターに立った。スタッフによる期待の表れだろう。
乃木坂46に申し込んだのは、アイドルに憧れていたからだ。世代的にはハロー!プロジェクトとAKB48を見て育った。
人見知りだった。積極的に会話に参加するタイプではなかった。そんな彼女の心の支えがアイドルだった。学校から帰ると、AKB48の映像を見て過ごした。特に大島優子が好きだったという。前田敦子の卒業コンサートにも足を運んだ。アイドルの魅力にどっぷり浸かっていた。
高校時代、乃木坂46に合格できた。ファン時代は握手会に参加したこともあった。初めは憧れで先輩を見ていたが、時間が距離を埋めてくれた。一期生の齋藤飛鳥とはドラマ/映画共演を通じて、イジりイジられる関係になれた。
気がつけば、グループに先輩は誰もいなくなり、三期生が最上級生になっていた。ここで踏ん張らないと、乃木坂46のさらなる発展はない。三期生たちはそう思ったはずだ。知名度が高い先輩メンバーが在籍していた時代とどうしても比較されてしまう。しかし、三期生たちは山下らの活躍により、以前と変わることのない動員を続けられるグループに維持している。
山下はファッション誌『CanCam』の専属モデルを務めるようになり、連続ドラマ、CMにも顔を出すようになった。シングルのセンターに何度も立ち、乃木坂46のメンバーとして初の朝ドラ出演も果たした。他の三期生も目覚ましい活躍が目立ってきた。こうして乃木坂46は世代交代を完了させた。山下はそのトップランナーだった。
東京ドームで山下は「生まれ変わってもアイドル」とスピーチした。彼女の本心だろう。アイドルに憧れ、アイドルとしての天命を全うした。笑顔が印象的なアイドルだった。その笑顔で誰もかれも虜にしてきた、究極のアイドル――。この先どこへ向かうにしても、飾らない人柄と笑顔で愛されるはずだ。
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卒業コンサートの舞台は東京ドーム。2日とも満員だった。開場前からグッズを買おうとするファンが列をなし、山下の写真がプリントされた幟(のぼり)と写真を撮ろうとするファンもまた長蛇の列を作った。誰もが目を輝かせている。ここまでの存在になったのか――。担当記者としては目を細めるしかなかった。
思えば、日本武道館で開催された「お見立て会」(お披露目イベント)から山下は群を抜いて輝いていた。客席からステージまでは数十メートルの距離があった。にもかかわらず、「まだこんな子がいたのか」と驚きを禁じ得なかった。ファンからもひときわ大きな歓声が上がったが、私の周囲に座っていたメディア関係者も山下の登場に色めき立ち、「すごい……」「マジか……」と口々に感想を漏らしていた。後日、たまたま近くに座っていた某1期生から、「全部聞いてましたからね」と言われ、焦った日が懐かしい。
山下はそれほどの逸材だった。その日、12人の三期生は3曲を披露したのだが、山下は『ガールズルール』でセンターに立った。スタッフによる期待の表れだろう。
乃木坂46に申し込んだのは、アイドルに憧れていたからだ。世代的にはハロー!プロジェクトとAKB48を見て育った。
人見知りだった。積極的に会話に参加するタイプではなかった。そんな彼女の心の支えがアイドルだった。学校から帰ると、AKB48の映像を見て過ごした。特に大島優子が好きだったという。前田敦子の卒業コンサートにも足を運んだ。アイドルの魅力にどっぷり浸かっていた。
高校時代、乃木坂46に合格できた。ファン時代は握手会に参加したこともあった。初めは憧れで先輩を見ていたが、時間が距離を埋めてくれた。一期生の齋藤飛鳥とはドラマ/映画共演を通じて、イジりイジられる関係になれた。
気がつけば、グループに先輩は誰もいなくなり、三期生が最上級生になっていた。ここで踏ん張らないと、乃木坂46のさらなる発展はない。三期生たちはそう思ったはずだ。知名度が高い先輩メンバーが在籍していた時代とどうしても比較されてしまう。しかし、三期生たちは山下らの活躍により、以前と変わることのない動員を続けられるグループに維持している。
山下はファッション誌『CanCam』の専属モデルを務めるようになり、連続ドラマ、CMにも顔を出すようになった。シングルのセンターに何度も立ち、乃木坂46のメンバーとして初の朝ドラ出演も果たした。他の三期生も目覚ましい活躍が目立ってきた。こうして乃木坂46は世代交代を完了させた。山下はそのトップランナーだった。
東京ドームで山下は「生まれ変わってもアイドル」とスピーチした。彼女の本心だろう。アイドルに憧れ、アイドルとしての天命を全うした。笑顔が印象的なアイドルだった。その笑顔で誰もかれも虜にしてきた、究極のアイドル――。この先どこへ向かうにしても、飾らない人柄と笑顔で愛されるはずだ。
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