近年では道路交通法の改正により「モペッド」と呼ばれるペダル付き電動バイクや電動キックボードが流行していますが、これらのドライバーによる人身事故の多発が指摘されるなど、数多くの問題が指摘されています。また、イギリスでは電動自転車や電動キックボードを使ったひったくりなどの犯罪が多発しており、その対応策として、イギリスの警察では電動自転車や電動スクーター、電動キックボードなどのエンジンを強制的に停止させるバックパック端末の導入が検討されています。

UK police could get Ghostbusters-style backpack devices to halt ebike getaways | Police | The Guardian

https://www.theguardian.com/uk-news/article/2024/may/13/uk-police-ghostbusters-style-backpack-devices-ebike-getaways



イギリス国防省の国防科学技術研究所とイギリス警察が共同で開発するこの装置は、停止させたい車両に対して電磁パルスを発射し、モーターに「異常に発熱している」と勘違いさせることで安全システムを作動させ、強制的に車両を停止させるというものです。



この装置は2024年初めに開催されたファーンボロー技術ショーで公開されました。その際、国家警察長官評議会(NPCC)のギャビン・スティーブンス氏は「巨大なバックパックのようなこの装置は、通常の内燃機関車にも役立つ可能性があります」と語っています。

イギリス警察はすでに電波や電磁波を使って遠隔操作で自動車を停止させる技術を導入しています。しかし、近年の電動自転車や電動キックボードの普及に伴い、歩行者のスマートフォンをひったくりそのまま路地に逃げ込むなどの犯罪が多発しています。この状況についてスティーブンス氏は「電動自転車が街中や市街地を高速で走行することが問題となっています」と指摘しました。



この装置はNPCCの主任科学顧問であるポール・テイラー氏の下で開発が進められていますが、スティーブンス氏は「現時点でもこの装置は開発中で、実際に利用可能になるまでは数カ月以上を要する可能性があります」と語りました。