Microsoftは欧州委員会(EC)による「OfficeとTeamsの抱き合わせ販売は独占禁止法違反」との指摘に直面しており、2024年4月には全世界でOfficeの一部プランからTeamsを除外しています。しかしECは、Microsoftに対し「ビデオ会議サービス市場の競争を阻害している」との懸念から新たな独占禁止法違反の告発を行う予定であることが報じられています。

Microsoft set to face EU competition charges over Teams software

https://www.ft.com/content/ce8a6602-dece-4313-b1a5-4e6f3354f99d



EC sees Microsoft Teams integration in Office suite as insufficient for fair market - MSPoweruser

https://mspoweruser.com/ec-sees-microsoft-teams-integration-in-office-suite-as-insufficient-for-fair-market/

Report: Microsoft to face antitrust case over Teams | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2024/05/report-microsoft-to-face-antitrust-case-over-teams/

Microsoftのビデオ会議アプリ「Teams」は長らくOfficeとの抱き合わせ販売が行われており、競合他社であるSlackからの指摘を受け、ECは2023年7月からMicrosoftに対して独占禁止法違反の調査を開始していました。

これを受け、Microsoftは2023年8月に欧州経済領域(EAA)およびスイスにおけるOfficeとTeamsの抱き合わせ販売を中止。2024年4月にはOfficeとTeamsの分離を全世界に拡大しています。

MicrosoftがOfficeの値下げを全世界で展開&Teamsの抱き合わせ販売を中止 - GIGAZINE



しかし、ECの関係者はMicrosoftが実施した措置について、さらなる市場の公平性を促進するためには不十分と考えているとのこと。ECでは、Microsoftが独自のソフトウェアを用いてTeamsを競合他社の製品よりも互換性の高い動作にしていることを懸念しているほか、既存のTeamsユーザーが別ソフトウェアに乗り換える際のハードルを高くしていることが指摘されています。

関係者によると、Microsoftに対する起訴は今後数週間のうちに行われる可能性があるとのこと。また、2024年5月にMicrosoftの競合他社とECは、Microsoftの告発に向けた会合を開いたことが報じられています。



EUの独占禁止法にMicrosoftが違反していると認められた場合、EUの規制当局はMicrosoftに対し全世界の年間売上高の最大10%の罰金を科す可能性があります。Microsoftは「ECとの関わりを継続し、市場の懸念について耳を傾け、ヨーロッパの顧客と開発者の両方に利益をもたらすような実用的な解決策を模索し続けます」と語っています。

なお、ECは今回の報道についてコメントを控えています。