Googleが2021年から開発を進めてきた、相手を3Dホログラムで描写することで同じ場所にいるかのようにコミュニケーション可能な会議ツール「Project Starline」が、2025年に商用化予定であることが明らかになりました。

Project Starline: Google and HP partner on 2025 commercialization

https://blog.google/technology/research/google-project-starline-hp-partnership/



Project Starline | Be there from anywhere - YouTube

Google's 3D video conferencing platform, Project Starline, is coming in 2025 with help from HP | TechCrunch

https://techcrunch.com/2024/05/13/googles-3d-video-conferencing-platform-project-starline-is-coming-in-2025-with-help-from-hp/?guccounter=1

Google’s Project Starline video conferencing tech is coming to offices

https://www.engadget.com/googles-project-starline-video-conferencing-tech-is-coming-to-offices-171622980.html?_fsig=2UVQL2kjg8jrN7P9HKgWHg--%7EA

Googleが2021年に発表したProject Starlineは、テクノロジーを駆使して相手をリアルな3Dホログラムで表現することで、遠隔地にいる人とも実際にそこにいるかのようにコミュニケーションを取ることができることを目的としていました。GoogleはProject Starlineで開発するツールを「魔法の鏡」と表現しており、この「鏡」を通じて相手と自然な会話を楽しむことが可能とされています。

Googleが遠く離れていても実際に顔を合わせて会話しているかのような「魔法の鏡」を開発する「Project Starline」を発表 - GIGAZINE



Project Starlineは当初、あらゆる角度から対象の人物をキャプチャするために何台ものカメラが必要となり、設置には1部屋分の広さが必要でした。これについてGoogleは「以前のProject Starlineのプロトタイプは、話している相手のライブ3Dモデルを生成するために赤外線エミッターや特殊なカメラなどの複雑なハードウェアが必要でした。そのため、素晴らしいプロダクトにもかかわらずサイズが巨大化し、オフィスへの導入は困難でした」と振り返っています。

しかし、Googleが2023年に公開したプロトタイプでは、AIと機械学習技術を用いることで、わずか数台のカメラで被写体の3Dモデルを生成することが可能になりました。「これまでのProject Starlineはレストランのテーブル席のようなサイズでしたが、新しいプロトタイプは薄型テレビほどのサイズに小型化しました」とGoogleは述べています。

Googleが遠く離れた人と実際に顔を合わせて会話しているかのような「魔法の鏡」を開発する「Project Starline」の最新プロトタイプを公開 - GIGAZINE



Project Starlineは長らくSalesforceやT-Mobile、WeWorkなどの企業でテストが進められてきましたが、2024年5月13日にGoogleは「HPと提携して、2025年にこのユニークなエクスペリエンスの商用化を開始します」と発表。また、Project StarlineをZoomやGoogle Meetなどの一般的なビデオ会議サービスと統合する作業にも取り組んでいることを明かしています。

Project Starlineのゼネラルマネジャーであるアンドリュー・ナートカー氏は「Projecct Starlineの商用化は、どこにいても他者とのつながりやコラボレーションが可能な世界の実現に向けた重要な一歩です」と述べています。

なお、GoogleはProject Starlineの導入費用などの詳細に関する情報を明らかにしていません。Googleは「詳細については、2024年後半にお知らせします」と語りました。