4人に1人がマイホームに不満あり? 満足度の高い住宅購入に必要なのは事前の勉強と想像力?|ARUHI『住宅購入者調査』
せっかくマイホームを購入するのであれば、満足できる家で快適に暮らしたいところです。ところが、間取りや設備、性能にもこだわってたくさんの希望を反映した家のはずなのに、実際に住んでみたら不満がある…というケースも少なくありません。
住宅を購入した人が実際に住んでみて、新居に不満を感じた人はどのくらいいるのでしょうか。また、不満のない住宅購入をかなえるために、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。ARUHIマガジンが実施した『住宅購入者調査』の結果から見ていきましょう。
約4人に1人の住宅購入者が新居に不満あり?
過去1年以内に住宅を購入した人に、実際に住んでみて、設備や性能、間取りなどに対して不満があったか問うと、23.7%の人が「不満があった」と回答。「不満がなかった」人は76.3%で、約4人に1人が何かしらに不満を感じたことが分かりました。
不便な生活動線や狭さ、部屋数の不足も不満の原因に
住宅購入者が新居に住んでみて不満があった人は、具体的にどのような点に不満を感じたのでしょうか。自由回答の一部を紹介します。
【間取り】
・洗濯物をクローゼットまで運ぶ動線 が悪い(30代/女性/注文住宅)
・玄関からリビングまで遠い(30代/女性/注文住宅)
・トイレの位置が寝室の隣なので寝ていると音がうるさい(50代/男性/建売住宅)
【広さ】
・キッチンが狭い(30代/男性/新築マンション)
・もう一部屋作ればよかった(30代/男性/注文住宅)
・階段が狭い、リビングが狭い(60代/男性/建売住宅)
実際に住んでみて気づくことが多い不満のひとつが「間取り」。スムーズに家事ができるか、ライフスタイルに合っているかなど、間取りを図面で確認したときには違和感がなかったものの、いざ住んでみると少し不便に感じたという人もいるのではないでしょうか。寝室のような静かに過ごしたいスペースをどこに配置するかという選択も、住み心地に関わってきます。
また、部屋の狭さや数の少なさに不満を感じているという声も多数挙がりました。
ちなみに、購入した住宅の間取りを聞いたところ、マンション購入者の半数以上が「3K・3DK・3LDK」を、戸建て購入者は41.7%が「4K・4DK・4LDK」、34.7%が「3K・3DK・3LDK」を選択しています。3LDK~4LDKの標準的な間取りをもとに、家族構成やライフスタイルを照らし合わせて部屋数が足りるのか検討する必要がありそうです。
住み始めてから気づく、部屋の寒さや設備の不足、使い勝手
【快適性】
・1階の日当たりが悪く寒い(30代/女性/建売住宅)
・風呂場が冬になると寒い(60代/男性/新築マンション)
・北側が寒い(30代/男性/中古マンション)
【設備の不足】
・床暖房がついていないので冬は寒い(30代/女性/中古マンション)
・2階の廊下に開閉できる窓がない(50代/女性/建売住宅)
・コンセントの数と位置(40代/男性/新築マンション)
・寝室のある3階に水道がないので、加湿器などの使用が不便(50代/男性/注文住宅)
【細かな使い勝手】
・可動棚の奥行きと横幅(30代/女性/中古マンション)
・グリルが両面焼きでないこと(30代/女性/注文住宅)
・リビングのライトを調光ライトにすれば良かった(50代/女性/注文住宅)
住まいの快適性も、住み始めてから気づくことが多いポイントです。日当たりや断熱性能などさまざまな理由から寒さを感じ、対策をすべきだったと感じている人が目立ちました。
また、窓のサイズや位置、コンセントの数など、設備の不足を挙げた人も。実際に住んでみて「ここにも設置すべきだった」と後悔することが多いようです。
さらに、収納のサイズや設備の機能など、細かな使い勝手に不満を感じた人の声もありました。
事前の下調べと実体験が住宅購入の満足度を高める?
新居に住んでみて不満があった人は、どのようなことを「やっておけばよかった」と感じているのでしょうか。経験談に基づくアドバイスなど、自由回答の一部を紹介します。
【新居での暮らしを想像する】
・少し想像力が足りなかった。パソコンでイメージ図を作るなど確認が必要だった(30代/女性/中古マンション)
・実際に住んで暮らしているところを想像して考えたほうがいい(40代/女性/注文住宅)
・一日の生活をイメージする(50代/男性/中古マンション)
【下調べの必要性】
・しっかりと下調べすること。正しい情報を取捨選択して取り入れること(30代/男性/注文住宅)
・事前に良く下調べを行って十分に納得してから購入するといいなと実感した(40代/男性/新築マンション)
・購入時期によって部屋の間取りを少し変えられたことを知らなかった。よく調べればよかったかなと思う(30代/女性/新築マンション)
【実際に体験して判断】
・宿泊体験がある住宅メーカーなら宿泊体験は是非、やっておくと良い! 実際に朝と夜の寒暖差とかが体験できるから(30代/男性/注文住宅)
・購入する建築会社の家を体験する(30代/男性/注文住宅)
・荷物を持って、玄関の出入りを体験すべきだった(40代/男性/中古マンション)
家族のライフスタイルをもとにどのような行動をするのか、どこに何が必要なのか、具体的にイメージをすることで、間取りに求めることや必要な設備が見えてきます。また、事前に情報を調べて学ぶことで正しい取捨選択ができるという声も。住宅購入の期間中は常にアンテナを張り、積極的に情報を得ることで、よりよい家を選ぶことができそうです。
さらに可能であれば、購入予定の家に近い環境や設備を実際に体験するという選択も。事前に課題が見えれば対策を講じることができ、マイホームに不満を感じるリスクを軽減できそうです。
まとめ
「家は3回建てないと理想の家にならない」という言葉がある通り、初めての住宅購入でマイホームに対する不満をゼロにすることは簡単ではありません。しかし、事前に得られる知識や情報をもとに「本当にこの間取りで問題がないか」「設備に過不足はないか」じっくりと検討すること、さらに可能であれば実際に体験してみることで、事前に課題を明確にできます。引っ越してからマイホームに不満を感じてしまうリスクを軽減するために、新居での暮らしを想像するところから始めてみましょう。
また、今回の調査結果では、「お金に余裕があれば造作部分を少し増やしてもよかった」「リフォームしたかったが、予算オーバーだったので追々するつもり」といった、予算に余裕がなかったため、不満を現時点では解消できていないという声もありました。住宅購入時に妥協はしたくないものの「貯蓄が少ない」「予算が足りない」と悩んでいる人は、満足度の高い住宅購入のため、お金のプロに相談をしてみてはいかがでしょうか。
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【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:過去1年以内に住宅ローンを組んで住宅購入をした25~60歳の男女(自身または配偶者が住宅購入をした人。親やその他の親族が購入した人は除く)
調査期間:2023年12月19日~21日
有効回答数:600サンプル
調査手法:クロス・マーケティングモニターへのインターネット定量調査
調査機関:株式会社クロス・マーケティング