旭川〜富良野〜帯広を短絡「旭川十勝道路」さらにルート検討へ 全通すれば「JRの廃止区間」をカバー!? 「中富良野の大渋滞」スルーする約16kmが新規検討区間に

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北海道の南北軸を担う高規格道路

 国土交通省 北海道開発局は2024年3月7日、旭川市から富良野・道東道方面をむすぶ高規格道路「旭川十勝道路」について、新たに「上富良野〜中富良野」で概略ルートを検討していくと発表しました。
 
 完成すればどう便利になるのでしょうか。

渋滞する中富良野の国道(画像:国土交通省)

 旭川十勝道路は、道央道・旭川北ICから南下し、富良野を経由して、道東道の占冠ICまでをむすぶ約120kmの南北ネットワークとなる高規格道路です。

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 ルートはJR富良野線(旭川〜富良野)とJR根室本線(富良野〜金山)にほぼ並行しています。なお、JR根室本線は、3月16日に富良野〜新得が廃止されてしまいます。富良野から道東方面への交通は、バスなどが代わりに担うこととなります。

 旭川十勝道路が完成すれば、旭川と帯広方面のアクセスが向上します。現在は上川・士幌経由の国道で厳しい峠越えとなるバス路線もあり、新たな「南北軸の高速道路」の存在は、北海道内の周遊に大きなプラスとなることが期待されています。

 これまでの整備状況は、旭川北ICから旭川空港までをつなぐルートが開通済み(一部現道2車線のまま)。そこから美瑛町内は未事業化です。

 いっぽう富良野エリアでは2018年、市街地西部の朝日が丘をトンネルで抜けていく「富良野道路」8.3kmが開通しました。その北側では「富良野北道路」5.7kmの工事が始まっていて、橋脚も現地に姿を現しています。

 そのさらに北側が、今回「計画段階評価」が本格化する「上富良野〜中富良野」です。延長は約16kmです。

 富良野市街だけでなく、ここ中富良野も、観光シーズンを中心に大渋滞となる区間として、ドライバーや沿線住民を悩ませています。

 旭川〜富良野〜道東道の重要な南北軸にもかかわらず、道路は狭い国道237号しかありません。富良野へやって来る観光客はピーク時の2018年に800万人を突破し、交通面でいよいよキャパシティを超える状況となってきました。

 特にひどいのが中富良野交差点で、どこに行くにもこの地点の混雑に引っかかるという課題がありました。バイパス道路が完成すれば、この混雑を外に逃がすことで、中富良野〜富良野市街が快適に移動できるようになります。

 計画段階評価では住民アンケートなどを通じて概略ルートが決まります。それを活用し、都市計画決定や環境アセスメントの手続きが完了すれば、いよいよ事業化を待つ段階になります。

 なお、富良野以南の占冠方面では、概略ルート検討などの動きはまだありません。