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●大阪・新世界の老舗『あづま食堂』には珍しい透明なシチューがあるそう。実際に味わった「シチューうどん」の美味しさとは。

 大阪のランドマークである新世界の通天閣のすぐ近く、1軒の食堂があります。その店ではシチューが名物なんだそうですが、一般的に想像するシチューとは全然違う食べ物だそう。

 しかし、その見慣れぬシチューがクセになるおいしさということで、実際に食べに行ってきました。

古くから愛され続ける『あづま食堂』

大衆食堂といった外観

 今回紹介するお店があるのは新世界。通天閣から南へ少し歩いて角を西側へ入った場所にお目当てのお店『あづま食堂』を発見しました。シチューが名物の食堂ということで老舗の洋食屋かと思っていましたが、大衆食堂っぽい外観です。

 カウンター形式の食堂で、さっきまで喧騒のど真ん中という感じだった新世界の空気とは全然違う落ち着いた雰囲気が感じられます。

 ただし、落ち着いてはいるけど緊張感などは全然なく、至って気さく。常連さんだけでなく、一見さんでもお店の人と自然と話し始める雰囲気となっています。

インパクトある看板にも名物料理の名前が

 お目当てのシチューを探していると、「シチューうどん」というメニューを発見。シチュー自体は同じということで、「ホワイトシチューにうどんが入ってるメニューなのかな?」と思って注文して見ました。

スープが透明!? 不思議な「シチューうどん」の味わいは

「シチューうどん」550円。出汁が効いたおいしさが後をひく

 しばらくして運ばれてきたのがこちら。ん? これがシチュー? 一般的にシチューというと、白いホワイトシチューか茶色いビーフシチューの2択ですが、そのどちらでもない、第3の選択肢ともいえる透明なスープがやってきました。

 そもそもシチュー以前にうどんのダシとしても透明なんて聞いたことないので、若干の不安感はありますが、とりあえずいただきます。

 スープは透明なのですが塩味がしっかりしていて、具材のお肉と野菜からもいいダシが出ています。しみじみとしたおいしさで、塩味ポトフという感じ。

 まるで、シチューやカレーのルウを入れる手前という感じ。未完という感じに捉えられなくはない見た目ですが、実際に食べてみると立派に完成品というおいしさです。

 シンプルな味わいなのに、素材の旨味が溶け込んだスープを飲むのがやめられない、という不思議なスープとなっています。そもそもシチューというのは、広く煮込み料理の意味なので、こんなシンプルな料理も確かにシチューの定義の範疇に入っていますね。

大ぶりな玉ねぎやジャガイモも

 透明のシチューの中には牛肉と甘くて大振りな玉ねぎ、ホクっとしたジャガイモなど、具沢山な上にもっちり食感の大阪風うどんが入っていて、クセになる味わい。

 場所柄飲んでいる人も多いので、具で一杯やりつつ、シメにうどんという楽しみ方もアリなメニューとなっています。

新世界の喧騒を離れ、素朴なお店と料理で一杯

「カレイの煮付け」300円、「じゃこおろし」250円、「ビール」600円

 昔ながらの大衆食堂である『あづま食堂』。作り置きの一品料理も色々ありますし、新世界に来て飲まずに帰るわけにもいかないので、一杯いただきたいと思います。

 選んだのはカレイの煮つけとじゃこおろし。こちらのカレイの煮つけは、お店の人にレンチンしてもらえます。ビールを頼んでいただきます。

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 シンプルながらボリューミーなじゃこおろしと甘辛ふんわり肉質のカレイの煮つけを相手に飲むビールは、なんとも大人な雰囲気。

 お店も料理も素朴なのにちゃんとおいしいお店でした。ちょっと変わった謎メニューのシチューうどんのある老舗食堂は、コテコテした料理が多い大阪旅行の合間にぜひ立ち寄ってみてもらいたいお店です。

(撮影・文◎けいたろう)

●SHOP INFO

店名:あづま食堂

住:大阪府大阪市浪速区恵美須東2丁目5-7
TEL:06-6631-4248
営:09:00~15:00
休:水曜

●著者プロフィール

けいたろう
旅するグルメライター。大阪と京都をむすぶ京阪電車の沿線在住で、複数の旅行情報サイトにて旅とグルメのガイド記事を執筆。気になるグルメ情報があるとB級グルメも高級店も穴場のお店も有名行列店でも、とにかく幅広く取材!食楽webでは関西グルメ情報を中心に紹介しています。