GW明けから、かなり重要になってくるかも。

「ファスナー合流」が本線でも重要に

 高速道路のICやJCTの合流部では、“加速車線を先頭まで走って”本線へ合流する「ファスナー合流」が正しい方法として、近年、NEXCOなども推奨しています。これをICやJCTの合流部だけでなく、本線でも実践してほしいと、2024年2月現在、NEXCO中日本金沢支社が公式X(旧Twitter)で発信しています。


北陸道の新手取川橋。リニューアル工事のため対面通行規制が続いている(画像:NEXCO中日本)。

「【対面通行規制区間でのお願い】
工事規制により2車線が1車線に減少する手前では、混雑時に車列の途中で合流すると、走行車線の流れが悪くなります」

 同支社はこう発信し、北陸道の工事のため対面通行になる箇所の合流方法について、「混雑時は、(1)先頭まで進み、(2)ゆずりあって1台ずつ交互合流」することに、理解を呼びかけています。

 これについてXでは、「へ〜!これが公式な入り方なんですね!もっと広まるようにしてほしいです」といったコメントも寄せられています。

 合流部の先頭で合流する「ファスナー合流」は、ICやJCTにおいては、その渋滞緩和効果が確認されています。

 たとえば、東海北陸道から名神高速に接続する一宮JCTの合流部では、連続してラバーポールを立て、物理的に加速車線の先頭でしか合流できなくする「ファスナー合流大作戦」が2019年から実施されています。加速車線のいたるところから同時多発的に本線へ合流することを防ぎ、規則正しく1台ずつ交互に合流するようにしたことで、名神と東海北陸道を合わせた渋滞による損失時間が約3割減少したといいます。

 ただ、この方法は「先頭まで進んで合流する方がマナー違反だと思っていた」「前のほうで割り込むのが申し訳ない」などと、“マナーに反する”というイメージがつきまといます。だからこそ、この方法の発信に対し、いまだに驚きの声が寄せられるのかもしれません。

求められる「ドライバーの判断力」

 ましてや、本線の工事に伴う車線規制では、相当手前から規制が案内され、早めの車線変更が促されます。加えて近年は、“ながらスマホ”などと思われるドライバーによる工事規制帯へ突っ込む事故も多発している状況です。

 NEXCO中日本金沢支社によると、空いている場合は、早い段階で車線変更するに越したことはないとしつつ、「車線減少箇所の手前は、どうしても通行車線側に車列が延びる傾向があります。ここで同時多発的にいたるところで合流してしまうと、渋滞を助長するため、先頭まで走って1台1台、合流したほうがスムーズです」とのこと。

 同支社がこうした発信をするのも、北陸道では近年、こうしたリニューアル工事に伴う対面通行規制が多くなっているためです。「いま(2024年2月)は冬のため対面通行規制は小松IC〜美川IC(石川県)だけですが、ゴールデンウイーク明けからは、十数区間で始まります」とのこと。


IC合流部の渋滞イメージ(乗りものニュース編集部撮影)。

 北陸道に限らず、現在は全国の高速道路で老朽化に伴うリニューアル工事が進行し、工事規制の車線減少に伴う渋滞に出くわすケースが増えています。車列が延びているところまで来てしまったら「早く合流しなきゃ」と思わずに先頭まで走るといった臨機応変な対応が、渋滞を減らすことにつながるのかもしれません。