戦場の劇的な変化による。

ヘリより無人機の方が有効と判断

 アメリカ陸軍は2024年2月8日、開発中であった将来型攻撃偵察機(FARA:Future Attack Reconnaissance Aircraft)の開発を断念すると発表しました。


ベルが計画中だったベル360「インビクタス」(画像:ベル・ヘリコプター)。

 ロイター通信の報道によると、これまで、同計画には約20億ドルが投じられていました。アメリカ陸軍は、今回の開発中止に関して「戦場の様相はここ数十年で急速に変化しており、学んだ教訓と現代の戦場に対する冷静な評価に基づくもの」としています。

 今後FARAに投じていた資金は、ドローン及び無人航空機の開発や調達に回すそうです。アメリカ陸軍は無人航空機を「最先端で効果的、有能かつ生存可能な航空偵察能力」と評しています。

 陸軍参謀長のランディ・ジョージ大将は、今回の計画変更に関して「私たちは特にウクライナ戦場での経験から航空偵察が根本的に変わったことを学んでいます」と2022年2月から続くロシアによるウクライナ全面侵攻の影響が大きかったと明かしています。

 なお、FARAに関しては、2024年2月現在でベルとシコルスキーの2社に絞られていました。プロトタイプの開発も進められており、シコルスキーに関しては、2023年10月にベルに先駆け「レイダーX」のプロトタイプを公開したばかりでした。