Photo: Taro Kanamoto

PCで仕事するとき、いっしょに使うツールといえばマウスあたりが定番でしょうか。ここにXRグラスが並ぶ日はそう遠くはなさそうです。

PCブランドDynabookの展示会「dynabookday」の会場でXRグラスのデモを体験したのですが、この先には仕事がより便利になる未来がありそうでした。

XRグラスのデザインモックはこんな感じ。

レンズ部分は普通のメガネくらいの厚さ。小さなうろこ状のミラーが並んでいます。

覗き込んだときの見え方はこんな感じです。ピンボケしていますが肉眼ではくっきり見えています。

AIの恩恵をリアル空間に持ち込める

展示されていたXRグラスは、いまあるARグラスのように空中にディスプレイを並べて作業効率を上げる、みたいな使い方もできますが、2つのデモが印象的でした。

1つは、「会話の文字起こし」。自分と相手の会話内容を文字起こしして、字幕で表示します。YouTubeやスマホの音声文字起こしとほぼ同じ機能を、リアル会話に持ち込んだものだと思ってください。

これ、会話の「あれ? いまなんて言いました?」みたいな聞き返しをしなくてすむので、会議なんかがスピードアップしそうです。翻訳機能も組み込めるので、海外のビジネスでも使えそう。

もう1つは「文字情報の要約」。書類の文字をカメラで認識し、要点をまとめたテキストを表示してくれます。これまた書類をチェックするスピードがあがりそう。

音声の文字起こしも情報の要約も、オンラインではすでに実現しているツールです。それを、XRグラスを使ってリアルの空間に持ち込めるんですね。

デモ展示のため処理スピードはまだまだでしたが、スピードアップして製品化できれば仕事をいい感じにサポートしてくれそうです。

AIの処理はノートPCで

会話認識やテキストの要約は、AIを活用した機能です。いまのXRグラスのパワーではAIは動かせないので、これらのグラスはPCに接続されて、AIの処理はPCが受け持つことになるでしょう。

DynabookはそのAIの母艦となりうるノートPC「dynabook R9」もあわせて発表しています。

これはAIの処理に強い「NPU」を搭載したインテルのCPU「Core Ultra」を採用したマシン。インターネット越しにサーバーにアクセスしなくても、PCだけでAI処理をこなせます。

基本の処理能力やバッテリー持ちもプレミアムクラスで、平均的なオンラインゲームなら十分プレイできるのだとか。ボディの重量も1.05kgとモバイル性能もばっちり。

発売日は4月下旬の予定、市場想定価格はギリ30万円を超えないくらいです。