篠田麻里子

写真拡大

「上からマリコ」は復活なるか──テレビ朝日系土曜ナイトドラマ「離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―」で、不倫に溺れる悪妻役を演じている篠田麻里子さん。昨年3月の離婚から復帰作となった本作では、小池徹平さんとの大胆なベッドシーンが話題に。第1話の見逃し配信は350万再生を突破し、テレビ朝日の歴代全番組史上、初回配信数トップとなる快挙を打ち立てた。

【写真を見る】大胆なベッドシーンが話題に! “不倫妻”役の篠田麻里子

 篠田さんの不倫疑惑が報じられたのは一昨年。本人は一貫して否定したが、「まりちゃんさびしかった」と篠田さんによく似た声の女性が涙声で訴える音声が流出し、SNSは騒然となった。本人が認めていない以上は不倫と断ずることはできないが、世間からのイメージは限りなくグレー。子ども向け商品も手がけるおしゃれなママタレとして芸能活動を続けるには、さすがに厳しいとみられていた。

篠田麻里子

 だからこそ、今回のドラマには注目が集まっている。篠田さんの実体験だと想像させるような奔放な人妻役は、野次馬根性を刺激する。原作漫画を下敷きに脚本を手がけた鈴木おさむ氏は、篠田さんを意識した当て書きや演出を加えているそうだ。下世話な妄想をさらにかきたてる小池さんのセリフややりとりも注目を集めている。

 あのマリコ様が、こんなに安っぽい売り方をさせられるとは。篠田さんも演じていて「正直苦しかった」が、「今だからこそできる」役だから引き受けたとインタビューで明かしていた。

 ベッドシーン目当てだろうとなんだろうと、数字を稼げる女優として評価されれば万々歳ということなのかもしれない。ただまだ2話を見た限りだが、どうにも中途半端な印象にとどまっている。

人気の絶えない不倫ドラマとバツイチ女優たちの参入 「艶っぽい人妻役が得意なバツイチ女優枠」はもう飽和状態

「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」のヒットは2014年だが、不倫をテーマにした作品は変わらず高い人気を誇っている。昨年の4月〜6月期にTverで配信されたドラマの中で、総合番組再生数1位を獲得したのは「あなたがしてくれなくても」。2022年には篠原涼子さん主演のNetflixオリジナルドラマ「金魚妻」が、配信週のランキングで日本、香港、台湾の1位を獲得した。さらにタイやインドネシアなど、13の国と地域でトップ10にランクインしたそうだ。

 その当時の篠原さんといえば、約半年前に離婚したばかり。年下の韓国人男性タレントとの不倫がうわさされていた。もちろん本人は否定したが、篠田さん同様にイメージを逆手に取ろうと思ったのだろうか。岩田剛典さん演じる年下男性との濃厚な絡みは話題となり、見事な復活を遂げた。

 なお「金魚妻」でもう一人注目を浴びたのは、2021年10月に離婚した長谷川京子さんだ。安藤政信さんや深水元基さんとの激しいラブシーンは、篠原さん以上の熱演だった。実生活では元夫のパパ活疑惑が報じられ、「サレ妻」と同情が集まっていたが、妖艶な人妻を演じることで彼女もイメージの一新を図ったように思える。

 そう、もはや不倫ドラマはバツイチ女優たちの戦場なのだ。おかげで「艶っぽい人妻役」枠は飽和状態。篠原さんや長谷川さんの他、魔性と名高い高岡早紀さん、「昼顔」の吉瀬美智子さんもいる。篠田さんの盟友・前田敦子さんも、作品のためなら激しいラブシーンも抵抗はないと、映画「さよなら歌舞伎町」の記者会見で語っていた。今後はここに広末涼子さんがいつ入ってきてもおかしくない。

 そうそうたる顔ぶれを前に、篠田さんは太刀打ちできるのか。どうにも首をかしげざるを得ない。小池さんとの情事シーンは、官能よりも苦笑いを起こさせる。篠田さんの脱ぎっぷりもあえぎ声も中途半端で照れがあり、見ているこちらが恥ずかしくなってしまうのだ。もうアイドル売りはできないのに、セクシーにもコミカルにも振り切れないもじもじしたマリコ様を前にして、もったいないと思うばかりである。

男性親権の難しさという視点は面白いのに…おじさんによるおじさんのためのドラマに成り下がってしまった悲しさ

 もったいないと思ったのにはもうひとつ理由がある。不倫ドラマの視聴者の中には、まさに当事者だから見ているという人も少なくない。昨シーズンの「あなたがしてくれなくても」のヒットの背景には、原作ファンだけでなく、夫婦間の性の問題に悩むたくさんの男女の存在があった。なかなか他人には相談しづらいことだからこそ、ドラマを通して追体験し、癒やしやヒントを得たい。エンタメではなく一種のセラピーとして、不倫ドラマを求めるニーズはある。

 今作にも、怒れる「サレ夫」たちの注目が集まっていた。特に第1話で説明されていた、「妻の不倫は夫の親権獲得の理由にならない」「母性優先の原則により、父親の1割しか親権を取れない」といった理不尽な現実に、主人公がどう立ち向かうか関心が向けられている。さらに伊藤淳史さん演じる岡谷渉は、もとは敏腕記者という設定。愛娘の親権を取るために、仕事より家事に軸足を置くことを決意した男性だが、「家族のために出世から降りた」男性の孤独に焦点を当てたドラマもなかなかなかった。

 せっかくドラマの切り口は新しく、これまでにない視聴者にアピールすることができるかもしれないのに、繰り返されるのは安っぽいベッドシーンばかり。おじさんによる、おじさんのための悪ノリドラマにしか見えない。演出が本気なのかジョークなのか、制作チームに今一度聞いてみた方がいいのではないでしょうか、マリコ様。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部