1月24日に羽田-ニューヨーク路線に就航したエアバスA350-1000型機。JALにとって長距離路線向けの大型機を刷新するのは約20年ぶりだ(写真:つのだよしお/アフロ)

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羽田空港C滑走路で日本航空(JAL)機と海上保安庁機が衝突した事故は、JALのメディア露出の面でも影響を及ぼした。事故は2024年1月2日に起き、同日深夜(1月3日未明)に放送されたラジオ番組「ジェットストリーム」(JET STREAM、TOKYO FM)からはJALの提供クレジットやCMが消えた。テレビなどのスポットCMも自粛が続いた。

番組にJALのCMが復活したのは、それから3週間ほど経過した1月24日未明の放送だ。JALはこのタイミングを「総合的に判断」と説明している。この日の午前には、最新鋭機のエアバスA350-1000型機が羽田からニューヨーク向けて出発。JALにとって長距離路線向けの大型機を刷新するのは約20年ぶりとなる。

空港の雑踏とジェットエンジンの効果音、JALの提供クレジットが消える

番組は、月曜日〜金曜日の深夜にTOKYO FM系列(JFN)で放送されており、放送開始はTOKYO FM(1970年開局)の前身にあたる実用化実験放送局「FM東海」時代の1967年にさかのぼる。FM番組では「最長寿」だ。故・城達也さんのナレーションで親しまれた。現在のパーソナリティーは6代目の福山雅治さんだ。旅と音楽をテーマにした内容で、冒頭には空港の雑踏とジェットエンジンの効果音が流れて旅情をかき立てる演出が特徴だ。

JALは番組スタート当初から43年近くにわたって1社単独スポンサーを続けていたが、10年の経営破綻を受け、10年6月から複数スポンサー体制に移行していた。

24年1月2日未明の放送では、「日本航空、JALがお送りします」という提供クレジットの直後にJALのハワイ旅行のCMが流れたのに対して、事故から6時間後の3日放送の番組では、空港の雑踏やエンジン音、提供クレジットがなくなり、JALではなくACジャパンのCMが流れた。ジェットストリームは、1985年に日航ジャンボ機事故が起きた8月12日前後は、毎年JALのCMが流れなくなることが知られている。

「総合的に判断し、CMを再開することとしました」

1月10日、17日には「ヤクルトがお送りします」の提供クレジットが入ったものの、JALの社名は登場せず。23日の放送でもJALのCMはなかったが、翌24日にはエンジン音の後に福山さんの声で「日本航空、JAL、ヤクルトがお送りします」と読み上げられ、直後にJALのハワイ旅行のCMが流れた。

JAL広報部では、「総合的に判断し、CMを再開することとしました」と説明している。ジェットストリーム以外のCMについては、1月22日に再開したとしている。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)