中日・涌井秀章【写真:矢口亨】

写真拡大

涌井秀章が明かす移籍1年目…指揮官が「すごく一生懸命やってくれている」

 中日の涌井秀章投手がFull-Countのインタビューに応じ、プロ19年目で初めてセ・リーグ球団でプレーした2023年シーズンを総括。チームは最下位に終わったが、低迷期からの脱却を目指す立浪和義監督の采配について「勇気は凄い」などと語った。

 中日は昨季56勝82敗5分けで、球団初の2年連続最下位に沈んだ。それどころかリーグ優勝を果たした2011年以降で、Aクラス入りは2012年(2位)と2020年(3位)だけで、“低空飛行”が続いている。ただ、ベテラン右腕は冷静に受け止めている。

「どの球団にも低迷期というか、若手に切り替えるために通らなければいけない時期はある。オリックスもリーグ3連覇しているけど、入れ替わりの時期はあった。今は丁度そこなのかなと感じています」

 パ・リーグで黄金時代を築くオリックスでさえ、2000年から20年間でAクラスは2度しかなかった。3連覇の直前は2年連続最下位だった。立浪監督は低迷期を脱すべく、2021年オフの就任以降、ドラフト戦略やトレードなどで大胆な野手の入れ替えを敢行している。

「監督がすごく一生懸命やってくれているということを、選手は分かっていると思う。思い切ったことをやるのは勇気がいる。立浪さんの勇気は凄いと思います」。結果を残せていないことに周囲から厳しい声もあがっているが「応援してくれるファンが、うまくいっていないと言いたくなる気持ちは分かります。でも選手はみんな(監督の勇気を)感じていますよ」と代弁した。

昨年は5勝13敗「もっとできたなというのが1番強い」

 中日移籍1年目だった昨季、涌井自身は21試合に先発し、5勝で自己ワーストの13敗を喫した。「もっとできたなというのが1番強いかな。投げている球に対して、もっと粘りきれなかったのもあるし」。セ、パの野球そのものに違いはなく「DHがあるか、ないかくらいじゃないかな」と語った。

「5回を投げ終わって0-2で負けていても、チャンスで打席が回ってきたら交代になっちゃう。その辺のもどかしさはセ・リーグの投手はみんな感じているんじゃないかなとは思いました」

 好投しても打線の援護がなく、敗戦投手となった試合も多かったが、そこに対しては何もない。一方で、早い段階で失点を重ねて降板した試合に関しては、配球面のデータを見直し、自身と相手打者の傾向を確認した。昨季のラスト2試合は手応えを感じて終えたという。

「1年間ローテ守って、規定投球回いって2桁勝利。それしかないでしょ」。3球団で4度の最多勝を誇る37歳は、2024年のリベンジをはっきりと誓った。(湯浅大 / Dai Yuasa)