井上尚弥、次は東京ドームでネリ戦か 「雑魚と楽な試合する気もない」と豪語する“悪童”との対戦実現のカギは?
井上との対戦に意欲を示すネリ。水面下では着々と交渉が進んでいると言われているが……。(C)Getty Images、(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext
日本が生んだ“怪物”はどこまで突き進むのか。その行く末が注目を集めている。
12月26日、東京・有明アリーナで行なわれた世界スーパーバンタム級の4団体王座統一戦12回戦で、WBC&WBO王者の井上尚弥(大橋)は、WBA&IBF王者でマーロン・タパレス(フィリピン)に10回KO勝ち。史上2人目にして、史上最速となる2階級での4団体統一をやってのけた。
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これでプロキャリア通算戦績は26戦無敗(23KO)となった。文字通り敵なしの強さを発揮し続ける井上は、タパレス戦後に「今の適正階級はスーパーバンタム級。この階級でもっと強い姿を見せられるように精進していきたい」と宣言。獲得直後に4本のベルトを返上したバンタム級とは違い、当面の間、王座を保持していく意向を示した。
気になるのは次戦の行方だ。ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)やジョンリル・カシメロ(フィリピン)など候補者は多いが、現時点で「最有力候補」と報じられているのが、“メキシコの悪童”ルイス・ネリである。
今年2月にアザト・ホバニシャン(アルメニア)、7月にフローイラン・サルダール(フィリピン)をそれぞれTKOで下したネリは、WBCスーパーバンタム級1位に君臨。11月に行われたWBC年次総会で、井上とタパレスによる同級4団体統一戦勝者への指名挑戦者に定められた。
すでに水面下での具体的な動きも見えている。ネリのプロモーターを務めるフェルナンド・ベルトラン氏は、タパレス戦を前に『Boxing Scene』で「イノウエが良い成績を収めれば(来年)5月に対戦することになるだろう」と豪語。「イノウエもネリを待つだろう」とし、東京ドームのような大箱での開催実現を示唆した。
当人もやる気は十分だ。母国のポッドキャスト番組『Zanfer Boxing』に出演した際に「俺はただ戦うために日本に戻るつもりはないし、できることならアメリカでやりたいと」と語りつつ、「俺はピカソ(レベルの低い相手に対する皮肉)みたいな雑魚と楽な試合する気もないんだ。俺が戦うのはイノウエみたいなタフな相手だけ」と断言していた。
何かと井上に対して挑発的な言動を繰り返してきた。それだけに対戦が実現すれば、日本のファンにとっても鬱憤を晴らす絶好の機会ともなる。もっとも、ネリは2017年と18年にWBC世界バンタム級タイトルマッチで山中慎介氏と2度対戦し、ドーピング違反と体重超過が判明。日本ボクシングコミッション(JBC)から日本での活動停止処分が下され、事実上の永久追放となっている。この厳罰が解除されるかどうかは日本開催に向けたポイントとなる。
果たして、モンスターの次なるターゲットはメキシコの悪童か、それとも別にあるのか。水面下で進む交渉の行方に注目だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]