【管理栄養士が伝授】「糖質オフ」より「糖質オン」のほうがキレイにやせるってホント?
カロリー制限や食事の量を減らすような「食べないダイエット」は、一時的に体重は落とせても、「キレイにやせられるか?」というとまた別問題です。見た目の美しさも兼ね備えていくには、やはり食事をしっかり整えることが大事。管理栄養士・萩野祐子氏の著書『食べなきゃキレイになれません 食べるほどやせて肌も体も若返る食事術』(KADOKAWA)から、「キレイにやせられる体づくりのヒント」を少しだけお届けします。
糖質は「完全オフ」より「1日3食オン」でやせやすい体づくりを
糖質は「とったら太る」と誤解している人も多いようですが、正しく食べれば太りません。
1日3食、お米を中心とした食事をすること。それが美しく健康な体をつくる食べものと食べ方です。
糖質をオフしようとしたとき、よくやりがちなのは、食事からご飯を抜くことではないでしょうか。「おかずだけ食べてご飯を食べない」「ご飯を半分に減らす」といった食べ方はエネルギー不足を起こすもと。糖質はご飯だけでなく、パンや麺類といった炭水化物、お菓子や果物、豆類や野菜にも含まれます。ですが、なぜか「糖質オフ=ご飯を食べない」という思い込みをしていることが多いようです。
ご飯やパン、麺類といった同じ主食のグループにカテゴライズされる炭水化物のなかで、私がご飯をおすすめする理由は、「脂質の割合が少ない」と「よく嚙める」というふたつのことです。
ご飯と食パンでそれぞれに含まれる脂質の割合を比べると、パンにはご飯の数倍もの脂質が含まれていることがわかります。食パンにバターを塗った場合、さらに脂質の量が増えることは必至。ご飯がお米というシンプルな素材の食べものなのに対し、パンによっては油だけでなくイーストフードや乳化剤、甘味料や香料などいろいろなものが添加されているので、糖質以外にもいろいろと余分なものを体に入れることになりかねません。麺類はパンに比較すれば脂質の量は少ないものの、やはり脂質の量でいえばご飯にかなうものはないのです。
嚙む回数が増えれば満腹感を得やすくなります。ご飯は、穀物を粉にせず、お米を粒のまま調理して食べる「粒食」です。一度、粉にしてから加工して食べるパンや麺類よりも、粒食であるご飯のほうが嚙む回数が多くなって、食べ終わるのに時間がかかるだけでなく、腹持ちのよさもアップします。
炭水化物のなかでも圧倒的にヘルシーなご飯を食べ、ゆるやかに必要な糖質を体に入れていくことで、やせやすい体を手に入れましょう。
「太りにくい糖」を食べて脂肪を燃焼させる
「1日3食、しっかりご飯を食べましょう」とおすすめする理由は、血糖値の乱高下を防ぐ意味もあります。血糖値はゆるやかに上昇する分には問題がないものの、急激に上がることで脂肪をため込みやすい体になってしまいます。
血糖値を急上昇させない食べ方として、「太りにくい糖」を食べるというコツがあります。ひと口に「糖質」といっても、そこにはいくつかの種類があり、くっついている糖の数で分けることができます。たとえば、糖がひとつの単糖類、糖がふたつの二糖類、糖がたくさんくっついている多糖類です。糖が体に吸収されるためには、最小単位の単糖まで分解される必要があります。多糖類は分解に時間がかかるため、糖が体に吸収されるスピードも遅く、血糖値の急上昇を防ぐことができます。
ご飯に含まれる糖質はおもに多糖類のデンプンなので、食べても血糖値はゆるやかに上がり、体にもゆっくり吸収されます。一方、砂糖に含まれる糖質は二糖類のショ糖なので、食後の血糖値は急上昇し、体に吸収されるスピードも速めです。同じ糖でも、ご飯は「太りにくい糖」で砂糖は「太りやすい糖」ということになるのです。
ご飯をはじめ、イモ類やパン、麺類などにも多糖類のデンプンは含まれています。そのなかでもとくにご飯は「太りにくい糖」であるだけではなく、食物繊維やたんぱく質、ビタミンやミネラルといった糖質の代謝をサポートする栄養も豊富。食べるたびにキレイになる食べものの王様といえるでしょう。
本文は『食べなきゃキレイになれません 食べるほどやせて肌も体も若返る食事術』(KADOKAWA)より一部抜粋・編集しています。
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著者メッセージ
食や健康、美容にまつわるさまざまな情報が溢れる中で、「本当のことはなんだろう?」「自分に合っている方法は?」と探し求めている方がとても多いと感じています。そして、「病院へ行くほどでもないけれどなんとなくやる気が出ない」「やらなきゃいけないことがあるのに思うように体が動かない」「疲れやすく元気が出ない」……私のところにはそういった悩みを抱える方がたくさんご相談に来られます。
本書は、そのような方々が何年先も心身が疲れることなくキレイに年齢を重ね、益々輝いていただけるよう、今日からすぐに実践できるメソッドや食事法について書きました。
食事をすることは毎日、一生続くこと。だからこそ今日から食事を変えて一生モノのキレイを手に入れていただけたら嬉しいです!
書籍紹介
『食べなきゃキレイになれません 食べるほどやせて肌も体も若返る食事術』(KADOKAWA)
女優たちが指名する管理栄養士が“食べるほどキレイになる”食事法を紹介!
女優・タレント・アスリートらがこぞって指名する人気管理栄養士による初著書。40代、50代からでも理想の体になれる、“食べるほどキレイになる”食事法をたっぷり紹介。話題の「若玄米」についても解説します。
■糖質は「完全オフ」より「3食オン」がやせる
■キレイになる黄金比は「ご飯:おかず=6:4」
■細胞レベルから潤う美肌のカギはお米から
■どんな美容法より効くのは噛むこと
■コンビニおにぎりの具なら鮭
など、目からウロコのメソッドが満載。
食事は毎日、そして一生続くこと。
「何を」「どう」食べるかちょっと見直して、一生モノのキレイと健康を手に入れましょう!
著者紹介
萩野 祐子(はぎの ゆうこ)
管理栄養士。血糖分析アドバイザー。ユイット合同会社代表。総合病院やクリニックでの栄養指導をはじめ、俳優、タレント、トップアスリートの栄養サポート、一般の方のダイエットサポートなど年間500名以上の指導経験を有す。2018年よりピラティススタジオI PILATESにて食サポートに携わる。また、700名以上の血糖分析経験を活かし血糖分析アドバイスサービス「imilto」を立ち上げる。セミナーや食育イベント、雑誌の記事監修など幅広く活動。一般社団法人管理栄養士地位向上協会講師。一般社団法人食アスリート協会講師。