いいことだらけ? 日常生活で「緑」取り入れるメリット&デメリットは? 色彩のプロに聞いてみた
緑色にはリラックス効果があるといわれており、オフィスに観葉植物を取り入れている企業もあります。仕事で疲れたときに緑色の物を見ると、気分が落ち着くと感じたことはありませんか。
日常生活で緑色を取り入れると、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。緑色が人に与える印象や効果を発揮する場面などについて、色彩検定1級などの資格を持つ、山田優子さんに聞きました。
曖昧な印象を助長してしまう場面も
Q.「緑色」は、人にとってどのような印象を与える色なのでしょうか。
山田さん「緑というのは自然の色のため、リラックス効果があるとよくいわれますが、これは本当です。また交感神経に作用して、疲労回復に有効ともいわれています。
安らぎや休息というイメージのほか、『青二才』という言葉に代表されるような、未熟・実る前の果実の色と表現されることもあります。また、一口に緑と言っても若葉の緑、青葉の緑、深い森のような緑など、細かな色味によっても印象は変化します」
Q.日常生活で緑色はどのような効果を発揮するのでしょうか。緑色を取り入れるメリット、デメリットについて教えてください。
山田さん「緑は他の色とは異なり、唯一、目のピント調節機能を使うことなく視認できる色といわれています。そのため、目にとっても筋肉の収縮が起こらず、疲れにくいという効果があるんですね。例えばビジネスの場合、相手先やクライアントとの親和性・調和を重要視したいシーンでは有効です。
ただし、重要な決断を必要とするシーンで色の力を借りたいとき、緑というのは曖昧さや優柔不断な部分を助長させてしまう側面もあります」
Q.「糖質カット」とうたう飲食物など、健康志向を意識した商品の多くが緑色のパッケージを採用していますが、なぜなのでしょうか。
山田さん「植物や木々のイメージが強い緑は、再生、回復、健康のイメージを与えます。また、血圧を下げるといった健康促進効果があるといわれているため、『健康的な商品』というイメージを消費者に与えるのに大きな役割を果たしています。
そのため、糖質カットのお酒やノンアルコールビールといった商品のほか、胃腸薬などの医薬品は、緑色のパッケージが採用されるケースが多いです」
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欠点が見当たらない印象が強い緑色ですが、優柔不断さを助長させてしまう側面があるのは意外でした。目的に応じて、緑色の物を取り入れてみてはいかがでしょうか。