薬の「食前」「食間」 具体的にいつ服用すればいいの? “疑問”を薬剤師に聞いてみた
市販薬や処方薬の多くは、「食前」「食間」などと服用の時間帯が指示されています。ただ、こうした用語の意味がよく分からず、困ったことはありませんか。
薬に書かれている「食前」「食間」などの用語は、具体的にどの時間帯を表しているのでしょうか。指定の時間帯を守らずに服用した場合、薬の効果が減少してしまう可能性はあるのでしょうか。薬剤師の真部眞澄さんに教えていただきました。
飲み忘れたときにまとめて服用するのはNG
Q.市販薬や処方薬の多くは、「食前」「食間」などと服用の時間帯が指示されています。そもそも、薬の服用方法に関する用語は、何種類程度あるのでしょうか。それぞれどのような意味があるのでしょうか。
真部さん「薬の服用時間に関する指示は、『食前』『食後』『食間』『就寝前』『頓服』の5つが一般的だと思います。順番に説明します。
『食前』は、食事の30分前の服用が理想的で、食事や胃酸の影響を受けやすい薬に多いです。『食後』は食事をしてから30分以内に服用するのが理想的で、食べ物が胃に入っていることによって胃が荒れにくかったり、薬の成分を吸収しやすくなったりするものです。
『食間』は食事をしている間と間違われることもありますが、『食事と食事の間』という意味で、食後2時間程度空けてから服用するのが理想です。食間と指示された薬は、空腹の状態で効果を発揮しやすいです。『就寝前』は就寝の30分前の服用が目安で、睡眠薬やぜんそく薬などが該当します。『頓服』は、薬で症状を抑えたいタイミングに都度服用するものです」
Q.もし指定されている時間帯以外に服用した場合、薬の効果が減少してしまう可能性はありますか。
真部さん「『空腹の状態が良い』もしくは『胃に食べ物が入っている状態が良い』など、薬によって性質が異なるため、期待通りの効果が現れない可能性はありますが、どの程度の影響があるかどうかは、薬によって異なるため一概には言えません。
ただし、薬を飲み忘れた場合、次のタイミングにまとめて服用するのは控えましょう。副作用が大きく出てしまったり、胃や内臓に余計な負担をかけてしまったりすることにつながります。飲み忘れると困る薬もあるため、飲み忘れたときの対処方法を事前に聞いておくと良いですね」
Q.錠剤などの薬を複数服用する場合、まとめて飲み込んでも良いのでしょうか。それとも、分けて飲んだ方が良いのでしょうか。
真部さん「飲みにくくなければ、一度に複数の薬を服用していただいて構いません。ただし、スムーズに胃腸へ到達するように、水を十分に摂取していただくと良いですね。
また、飲み込みにくいからといって錠剤やカプセルなどを砕いたり割ったりして服用するのはお勧めしません。外側をコーティングすることで苦みを抑えたり、少しずつ体の中で溶ける仕組みになっていたりする薬もあるため、薬の効果を最大限に発揮できない可能性があります」
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薬にはさまざまな種類があり、最も効果が出るタイミングで服用することが推奨されています。毎日、同じタイミングに合わせなければいけないのは面倒だと思うことがあるかもしれませんが、正しい服用方法を把握しておくことで、薬の効果を十分に発揮できるようになります。