2020年10月、マロニーと対戦した井上尚弥【写真:Getty Images】

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井上尚弥「偉業へのカウントダウン」

 ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者・井上尚弥(大橋)は、26日に東京・有明アリーナでWBA&IBF世界同級2団体統一王者マーロン・タパレス(フィリピン)と4団体統一戦を行う。勝てば男子では世界2人目となる2階級4団体統一の偉業。世界が注目する決戦の観戦機運を高めるべく「偉業へのカウントダウン」と題し、過去の名珍場面を紹介する。今回は“隠れていた”左フックの動画など。

○2020年10月、マロニー戦の見えない一撃

 バンタム級時代の井上は、米ラスベガスでWBO同級1位ジェイソン・マロニー(オーストラリア)と対戦。試合を動かしたのは、6回にダウンを奪った左フックのカウンターだった。マロニーが左ジャブを2連打。井上の顔面を捉えたように見えたが、倒れたのはマロニーだった。2発目に合わせ、井上が繰り出した左フックがクリーンヒット。そのままマロニーは仰向けに倒れた。

 マロニーの背後から撮られた試合中継では、パンチがマロニーの体に重なったうえ、凄まじいスピードもあってほぼ目視できなかったシーン。一方、米興行大手・トップランク社の公式X(旧ツイッター)はリングサイドから超至近距離で撮った映像を公開。隠れていた井上の左フックが映っていた。結果的に7回KO勝ちし、米ファンには「エグい!」「パッキャオ2.0」「ヤバいKOだ! (マロニーは)恥じることなどない」と戦慄を走らせていた。

○2023年7月、マロニーが衝撃を回顧

 マロニーは1909年創刊の英老舗専門誌「ボクシングニュース」で井上戦を回顧。「(最後のダウンは)人生であれ以上のショットを受けることはないだろう。自分がどこにいるかわからなかった。人生であんな風に打たれたことは一度もなかった。あれ以上に大きなショットはない。そこで気付くんだ、ああ、あのパワーは本物だとね」と振り返っていた。

 さらに「彼は無慈悲だ。(パンチが)当たる、ダメージを与えられると彼が考えたら、あるいは相手に弱点があると感じたら、彼は無慈悲に全てをかけてくる。その時、彼のパワーは本物になる。異常だよ」と井上の強さを称賛。一方、自身は井上戦から再起後5連勝し、井上が返上したWBO世界バンタム級王座を今年5月に獲得した。来年1月24日に初防衛戦を迎える。

井上―タパレス戦の配信先&興行カード

 井上―タパレス戦の興行は、NTTドコモの映像配信プラットフォーム「Lemino」で独占無料生配信される。戦績は30歳の井上が25勝(22KO)、31歳のタパレスが37勝(19KO)3敗。

【12月26日の興行カード】

▽WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦12回戦
WBC&WBO王者・井上尚弥(大橋)
VS
WBA&IBF王者マーロン・タパレス(フィリピン)

▽日本バンタム級タイトルマッチ10回戦(モンスタートーナメント決勝)
王者・堤聖也(角海老宝石)
VS
同級3位・穴口一輝(真正)

▽64.5キロ契約8回戦
平岡アンディ(大橋)
VS
セバスチャン・ディアス(メキシコ)

▽54.5キロ契約8回戦
武居由樹(大橋)
VS
マリオ・ディアス(メキシコ)

▽49.5キロ契約8回戦
坂間叶夢(ワールドスポーツ)
VS
ジョン・ポール・ガブニラス(フィリピン)

▽フェザー級4回戦
石川優(大翔)
VS
植松風河(駿河男児)

▽スーパーフェザー級4回戦
佐藤力也(八王子中屋)
VS
遠藤圭介(DANGAN郡山)

(THE ANSWER編集部)