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ミュージックレイン発の、新たな音楽マネジメントチーム「MiCLOVER」が始動!2024年1月7日には初のライブイベント“LAWSON premium event MiCLOVER FES. 2024”の開催も決定している。この連載ではMiCLOVERのアーティストたちが続々と登場し、音楽プロデューサー兼音楽評論家の冨田明宏がその魅力に迫っていく。第5回はシンガーソングライターの小玉ひかりが登場! 2023年11月29日にはTVアニメ『カノジョも彼女 Season 2.』のOPテーマ「ドラマチックに恋したい」」で待望のメジャーデビュー。声優にも挑戦するなど貪欲に活動の幅を広げてきた彼女の素顔に迫っていく。



【連載】ミュージックレイン発音楽アーティストマネジメントチーム「MiCLOVER」、“MiCLOVER FES. 2024”開催記念インタビュー

INTERVIEW BY 冨田明宏

TEXT BY 金子光晴

PHOTOGRAPHY BY 三橋優美子

小玉ひかりの“第二章”が始まった



冨田明宏 私は千葉のNHK-FMでレギュラー番組を10年以上やっているんですが、千葉出身アーティストということで以前から「いやになっちゃった時の唄」とか「海」とか、小玉さんの曲を番組で結構かけさせてもらっていたんですよ。それだけに、最近の小玉さんの活動にすごく驚いたのですが、今年はまさに小玉さんの第二章がはじまった感じがしていて。今までの活動と現在を振り返るといかがですか?

小玉ひかり 確かにこの1年はすごく濃密で、本当に人生の第二章みたいなところはありますね。シンガーソングライターを夢見て活動してきて、アニメのタイアップでメジャーデビューが決まったんですが、なんだかすごくふわふわしていて、まだ実感がないんですよ。今まで、友達とかには「シンガーソングライターをやってるんだよね」とは言っていたんですけど、インディーズ時代は生計を立てられていたわけじゃないし、その先のメジャーデビューを目指していたので、自信がない気持ちでいっぱいだったんです。でも今回のメジャーデビューが決まったのをきっかけに、ようやく私は自信を持って「シンガーソングライター」を名乗れるなと思っていて、11月29日から生まれ変わる感じですね。



冨田 今までの活動の中で色んな可能性を見出して模索してきたことが、今年に入ってすべて結実する感じというか。

小玉 『Vivy -Fluorite Eye’s Song-』のグレイス役で歌唱させていただいたのがすごく大きな経験で、今でもたくさんの方が「グレイス役の人だ」と覚えてくださっているので、点と点が繋がったというか、無駄なことは1個もなかったんだと思えて嬉しいですね。全部が必然で運命だったんだと思えるくらい、出会えた方とのご縁があって、活動を続けてきて良かったなという一言に尽きます。小学校の卒業アルバムに書いた「シンガーソングライターになってみんなを元気にする」という夢がようやく叶うかも、という気持ちです。



冨田 どこかで心が折れてしまっていたら、今の未来はないわけですよね。

小玉 実際、周りでは夢半ばで退いてしまう方もいるなかで、私の周りにはたくさん夢を見せてくれる存在がいたんですよね。ぷらそにかを始めたり、WHITEBOXというグループに所属したりして、一緒に走ってくれる仲間がいたというのが私にとっては大きいなと思っています。

冨田 小学生の頃に「シンガーソングライターになる」という夢を掲げたということですが、その夢が生まれたきっかけは?

小玉 小学2年生くらいの頃に、アンジェラ・アキさんが「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」をグランドピアノで弾き語りされている姿をテレビで見たときですね。私は4歳の頃からクラシックピアノをやっていて、音楽自体は元々好きだったんですけど、ピアノで弾き語りして「こうやって歌う方がいるんだ」という衝撃と、「作詞・作曲が書いてあるテロップに同じ名前が3つくらい並んでる!」ということにもびっくりして、お母さんに聞いたら「シンガーソングライターっていうんだよ」って。それまで歌手という淡い夢はあったんですけど、自分で曲を書いて自分で言葉を紡ぐことができるんだという衝撃があって、飽き性な私もそこからシンガーソングライターになりたいという夢だけは一度も変わることがなく、今に至るんです。自分で紡ぐ言葉だから、こんなに入ってくるのかなって。「歌うんだったら自分で書きたい」という気持ちがそこで生まれて、ここまで歩んできたという感じですね。

冨田 小玉さんの中で、歌詞にメッセージを落とし込むうえで大事にされていることってなんですか?

小玉 毎日、色んな事象があると思うんですけど、気持ちの変化をすごく大事にしていて、「どういうことがあってどうなったのか」という経過はすごくメモしています。「いやになっちゃった時の唄」も、私が「あぁもう」という言葉を言い過ぎて、その結果あの曲ができたんですけど(笑)。バラ色の人生を目指していても、実際はそんな夢みたいなことも言ってられないし、「今だけはこうさせて」という気持ちの変化をそのままストレートに描いたという感じですね。皆さんがそういう感情になったときにふと口ずさんだり、カラオケで大声で叫んでもらったりしたいなと思って書いた曲なんです。



何でも挑戦するエンターテイナーに



冨田 その一方で、近年は『Vivy』のグレイス役での歌唱や、声優としても活動されていますよね。シンガーソングライターとして自分のメッセージを持つのと、自分以外の何かになるというのはまったく違う表現活動だと思うんですが、ご自身の中ではどうお考えになられていますか?

小玉 自分の視野では見つけらなかった感情や風景を表現させていただけるのはすごく光栄なことだなと思っています。歌って、メロディと歌詞があって声で表現するものじゃないですか。その三点セットの中で、私は声を吹き込むことで完成するっていう最後のピースだと思うんですよ。ほかの方が魂込めて書いてくださったものを自分なりに表現するんだけど、自分だけの価値観だけではなくて、作品や背景を想像して歌うというのは、シンガーソングライターとはまったく違うけれど、必ず自分の活動に生きてくる仕事だと思いますね。



冨田 『絆のアリル』のクリス役で声優に挑戦されたということも、自分の中にシンガーソングライターという軸があるから、様々な経験が最終的に自分に収斂されていく感覚があるんだろうなとお話を伺っていて思いました。

小玉 そうですね。声優さんのオーディションを受けるのにあたっても、まさか自分が受かるとは思っていなかったんですけど、もし受かったら、応援してくれている皆さんが「もうシンガーソングライターじゃなくなるの?」と思ってしまうのではないかという不安はありました。でも、自分がシンガーソングライターであるという核を持っていればブレないということを最近すごく思っていて、これからも色んなことに挑戦していきたいですし、最終的に全部が小玉ひかりのパワーになっている気がします。そこから改めて、小玉ひかりとしての曲が生み出せたらいいなと思っていますね。

冨田 それができる方だからこそ、「ドラマチックに恋したい」みたいな曲が生まれるんだろうなってすごく思いますね。5年くらい前と比べたら、まったく違うアーティスト性であり作家性を披露されていますから。『カノジョも彼女』という作品と出会ったことでこの曲が生まれているのは間違いないわけで。改めて「ドラマチックに恋したい」は小玉さんにとってどういう楽曲になりましたか?



小玉 一言で言うと、納得のいく楽曲ができたなと手応えを感じています。今の自分のすべてを降り注いだ曲になっているので、余すところなく楽しんでいただきたいですね。今まで自分が挑戦できなかった部分もアニメの作品と出会うことで挑戦できましたし、作品自体はネオラブコメということで……。

冨田 だいぶ“ネオ”ですね(笑)。

小玉 リアルであったらどうしようみたいな作品ですけど(笑)。でも、私が作品を拝見したときに、ヒロインたちが直也という主人公に対して「好き」という気持ちを熱く伝えるのが素晴らしいなと思ったんです。現実世界では色んなしがらみがあって抑え込んじゃう気持ちもたくさんあると思うんですけど、自分の気持ちに嘘がつけない子たちなんだと思って。それを真っ直ぐに伝えるってなかなかできないことだし、それを伝えても直也は「ごめん、僕は○○が好きだから!」と言って止められる理性も意外とあるところが面白い作品だなと思いました。そんな女の子たちの真っ直ぐな想いを描いた楽曲になっています。

冨田 すべての登場人物が純粋さに貫かれてるから、こういう展開でも許されるみたいなところがありますよね。

小玉 そうですね。こんな展開は日常にはないと思うんですけど、曲の中で表現したかったのは「好きって気持ちに嘘をつかなくていいんだよ」ということなんです。まあ知らない人に急に「好き」って言われたら困るかもしれないけど、ある程度関係性のある人に言われる「好き」はとても尊いし、言葉にするのは大事だと思うんですよ。女の子は弱気になっちゃうことってあると思うんですけど、「強気で伝えてもいいんだぞ」ということをこの曲には込めましたね。

冨田 その気持ちがすごく伝わってきますね。楽曲的には歌心をしっかりと残しながらもダンスポップナンバーに振り切っていて、以前から小玉さんの音楽を聴いていた自分としては「こんなテクニカルな作家性を持っていたんだ」って、驚いたと同時に素晴らしいなと思いました。

小玉 嬉しいです。曲の展開の中でどこを聴いても飽きないようにしたいなと心掛けていて、どこを切り取ってもかわいくて刺激的な作品にしたいなと思っていました。私自身は初めてのことだらけだったんですけど、曲作りは楽しすぎて半日くらいで1コーラスできたんですよ。

冨田 ぁぃぁぃさんとの振り付け動画もYouTubeにあがってましたね。これも今までの小玉さんのライブとは違うスタイルの楽しみ方やファンの巻き込み方ですよね。



小玉 確かに、実際弾き語りでやってもみんなすごい盛り上がってくれていました。1月7日の“MiCLOVER FES. 2024”.ではバンドでできるということなので、とっても楽しみにしていて、私もちょっとだけ踊ってみようかなー、振りを覚えてくれたらみんなでできるかなーなんて思ってます。

冨田 良いですね。でも、ダンスは苦手とおっしゃってましたよね?

小玉 そうなんですよ。でも、『絆のアリル』で活動するAllelesではモーションキャプチャーをしたり、生で踊ったりしたので、自分の中にある新しい扉をたくさん開かせてもらっていて楽しいですね。

冨田 声優に挑戦したりアニメ主題歌を歌うこともそうですが、新しいことに挑戦すればするほど、小玉さんに接続するチャンネルが増えていきますよね。

小玉 そうですね。小玉ひかりを声優だと思っている方も、ぷらそにかの人だと思っている方もいれば、シンガーソングライターとして知ってくださる方もいると思いますけど、いつか点と点が結ばれて、「全部小玉ひかりだったんだ」となってくれたら嬉しいなと思います。皆さんに笑顔になってもらいたいという気持ちが軸にあるので、これからも色々なことに取り組んでいきたいですね。

みんなを笑顔にする“ひかり”になりたい



冨田 これからどんなアーティストになっていきたいかを伺いたいのですが、小玉さんにはどんなビジョンが今見えていますか?

小玉 基本的には自分で書いた歌をどんどん聴いていただきたいし、届けていきたいなと思っているので、ライブ活動だったり、自分は弾き語りもできるのでピアノを持って色んなところに歌いに行ったりもしたいですね。ラジオもさせていただいているので、おしゃべりでもみんなでわいわいして笑顔の時間を少しでも増やせたらなと思っています。声優さんをやることになったきっかけも、「声の仕事もやってみたいんですよね」ってポロッと言ったことから舞い込んできたんですけど、これからもいつかそういうきっかけが降ってくるような気がしていて、シンガーソングライターとして歌っていく中で何か面白そうな、新しい扉が開けるかもということがあればどんどん挑戦していきたい。それで、最終的に小玉ひかりという存在で元気になってくれる方が1人でも増えたら嬉しいですね。

冨田 自分の可能性に蓋をしないというのは大事なマインドかもしれないですね。

小玉 ダンスにはすごい苦手意識があったんですけど、それも続けていたらいつの間にかAllelesのメンバーに「できてるじゃん!自主練したの?」と言われたりして、やっぱり努力って報われるんだ!って最近すごく思いました。「できないことはない」って私を見て思ってくださったら嬉しいです。あとは演じることにもとても興味があるので、そういう機会もあったら挑戦してみたいなと思います。



冨田 貪欲なモチベーションですよね。

小玉 貪欲なんです(笑)。

冨田 もちろん良い意味でですよ(笑)。表現者なら絶対に持っていなきゃいけない大切な要素だと思うんですけど、昔からそうだったんですか?

小玉 昔から好奇心が強くて、小学生の頃はなんでもできる人になりたかったんですよ。学校の集会で行われる表彰で何回呼ばれるかをステータスにしたくて、書道でも読書感想文でも表彰されて「ひかりちゃんすごい!」みたいな(笑)。とにかく「やってみたい」というのが強くて、やると決めたらやるタイプだったので、そこから始まってたのかもしれないですね。母は色々させられて苦労してましたけど(笑)。

冨田 習い事も色々やっていたんですか?

小玉 習い事も生け花とか茶道とか、合唱団もやっていたし、もちろんピアノも。楽しかったです。あの頃に戻ってダンスやりたいですね(笑)。小さい頃からもっとリズム感を鍛えておけば……(笑)。

冨田 そこは伸びしろということで(笑)。小玉さんというアーティストは、触れ合った人たち全員に良い影響を与えていきたいという想いがすごく強いんだろうなと今日話していて感じました。

小玉 そうかもしれないですね。1人でいるとすごくネガティブなんですけど、ネガティブな感情が歌に乗るとすごくポップにプラスになるという化学反応が自分の中であって、ライブをするとみんな疲れて帰ってきた人が集まって笑顔になってくれる。そういうマイナスからプラスになる感情の動きをもたらすことを、音楽にはできると感じているので、音楽を通して1秒でも長く笑ってほしいって思うんです。一人ひとりのファンの方と直接お話しすることは難しいですけど、曲を通してたくさんお話しできたらいいなと思っています。

冨田 小玉さんの音楽や配信などの活動に触れることで、今日頑張る力をもらえたり、明日を生きる目標ができる。そういう人になりたいということなんでしょうね。

小玉 私、“ひかり”っていう名前がすごく気に入っていて、両親に感謝しているんですけど、名に恥じない皆さんの“光”になりたいという気持ちは小さい頃からあったんだと思いますね。私はめちゃめちゃ一般ピーポーなので、私が奮闘してる姿を見て、皆さんも「ひかりちゃんが頑張ってるなら自分も頑張るか」くらいの気楽な気持ちでいてほしいんですよ。皆さんと一緒に走っていける人になりたいし、明日を楽しみに生きられるような存在になりたいなと思っています。

冨田 さて、そんな小玉さんが“MiCLOVER FES.2024”に出演されるということですが、どんなライブにしたいですか?

小玉 最近はアコースティックな編成で弾き語りをお届けするライブが多かったんですが、今回は久しぶりにバンドで私が動き回れるという状況が生まれるので、皆さんを巻き込んで楽しい空間にしたいですね。その場で私を初めて知るという方もいらっしゃると思うので、初めての方を巻き込めるようなパワーを私も溜めて、年明けに皆さんを引っ張れるようなライブにしたいと思います。

冨田 ほかのメンバーを目当てでいらっしゃるお客さんもいるので、小玉さんを知ってもらうチャンネルがまた増える機会にもなりますね。

小玉 そうですね。1日で5組のアーティストが色んな曲を届けると思うので、一日中遊園地に来たような気分になっていただけるんじゃないと思います。私自身もすごく楽しみにしてます。

●ライブ情報

LAWSON premium event MiCLOVER FES. 2024

日時:2024年1月7日(日)16:30開場/17:30開演

(20:00頃終演予定)

※終演時間は当日のステージの進行状況により前後する可能性がございます。あらかじめご了承ください。

会場:Zepp Shinjuku(TOKYO)

出演:CHiCO、halca、シユイ、小玉ひかり、somei

■チケット料金

全自由 7,500円(税込/ドリンク代別/整理番号付き)

※3歳以上有料

※再入場不可

※(枚数制限)お一人様4枚まで

問い合わせ先:SMCエンタテインメント

info@smc-information.com

詳細はこちら

https://musicrayn.com/contents/micloverfes2024

<小玉ひかり プロフィール>



2000年生まれ。 ピアノ弾き語りのシンガーソングライター。

14歳から音楽活動を始める。

ソロ活動と並行して、アコースティックセッションユニット「ぷらそにか」(YouTube公式チャンネル登録者数27万人越)にも参加し、今年8月6日のぷらフェス@Zepp Hanedaをもって卒業。

11月29日シングル「ドラマチックに恋したい」でメジャーデビューを果たし、同曲のMVのYoutube再生回数が25万回を超え、好評を博している。

優しく切ない歌声と明るく親しみやすいキャラクターで、同世代の男女を中心に支持を集めている。

関連リンク



ミュージックレイン公式サイト

https://musicrayn.com

小玉ひかり

公式サイト

https://www.codamappi.com/

公式X(Twitter)

https://twitter.com/codamappimusic