「クソイベント要らない」バッハ会長の怒りで「計画白紙」となった札幌五輪…SNSでは“歓迎”の声で“五輪離れ”浮き彫りに
「ぼったくり男爵」とまで罵られたトーマス・バッハ会長(写真・JMPA)
11月29日、国際オリンピック委員会(IOC)はパリで理事会を開き、冬季五輪の開催地に2030年はフランスのアルプス地域、2034年は米ユタ州ソルトレークシティーを選び、2038年についてもスイスとの優先的な対話に入ることを決定した。
11月30日、札幌市の秋元克広市長は「かなり衝撃的な決定。優先的な対話という新しい話が出てきたことに大変驚いている」と心境を語った。
札幌市は2042年以降の開催を目指すしかなくなった。 秋元氏は「(IOCとの)継続的な対話という立ち位置が消滅している。今の段階で土俵がないということ。(招致活動を)ゼロベースで考えていかざるを得ない」と述べた。
札幌市は一時は2030年大会開催地の有力候補だった。トーマス・バッハ会長は2021年夏の東京五輪当時「札幌の開催能力に疑いの余地はない」「札幌には事実上すべてがそろっている」などと持ち上げる発言を繰り返してきた。
だが、手の平を反すかのようなIOCの決定。
11月30日、産経新聞はその背景について、こう報じている。
《背景には日本国民の五輪離れが大きい。東京大会の汚職、談合事件で招致への疑問が加速。札幌開催に期待するIOCは30年大会の決定時期を先送りしたが、世論の厳しさに同市と日本オリンピック委員会(JOC)は招致を断念。これがバッハ会長の怒りを買ったとみられ、気候変動で開催可能国減少という危機感も加わって、38年大会まで候補地が絞り込まれた。一度失われたIOCとの信頼関係を再構築するには、時間がかかりそうだ。》
同日、紀藤正樹弁護士は自身のX(旧Twitter)に産経新聞の記事を引用したうえで、こう書きこんだ。
《個人の怒りで招致ができないってそれはそれでおかしな話。オリンピックで汚職がはびこる温床ではないか》
五輪の招致活動については、石川県の馳浩知事が11月17日、東京五輪の招致活動で内閣官房報償費(機密費)を用いて国際オリンピック委員会(IOC)委員に一冊20万円する「想い出アルバム」を贈呈していたと講演で語り、その日のうちに「撤回」したものの物議を醸していた。
だが、IOCは29日に「いかなる場合でも、アルバムは明らかにIOCの規定に沿った感謝の印だ」とする声明を出し、五輪関係者への贈り物を禁じる倫理規定には触れないとの認識を示した。
当時の招致ルールでは慣習的な「ごくわずかな価値の贈り物」は認めていた。一冊20万円でも、「ごくわずかな価値の贈り物」というわけだ。
東京五輪での汚職、談合事件に加え、招致活動での一冊20万円の「想い出アルバム」。IOCのバッハ会長の怒りにより、札幌五輪の招致活動の計画が白紙になったという報道に、SNSでは歓迎する声が上がっている。
《いい話じゃないか!バッハの怒りとか最高でしかない(笑)》
《こんなクソイベント二度と招致しないでもらいたい》
《バッハ、ヘソ曲げてくれてありがとーーー!!札幌にオリンピックは要らない!》
2021年東京五輪閉幕の翌日、東京・銀座を護衛付きで散策し、日本人を最後までイラ立たせたバッハ会長。IOCと日本との「蜜月」が終了したことを悲観的に捉える報道が多いが、バッハ会長の姿を見なくていいのは、歓迎すべきことなのかもしれない。