写真:Haruyoshi Yamaguchi/アフロ

 岸田内閣の支持率下落が止まらない。11月の世論調査では、朝日新聞25%、読売新聞24%、毎日新聞21%、NHK29%で、いずれも内閣発足以来、最低を記録した。

「増税メガネ」と揶揄され、起死回生の所得税減税は不発。さらに、副大臣や政務官の「辞任ドミノ」……。岸田文雄首相の「総理の器」を疑う声も増す一方で、ついに「ポスト岸田」探しの報道も出始めている。

 まさに「混迷」といった状況だが、では、こんなときに「あの人にもう一度首相を」と世の人々が思うのは誰なのだろうか。

 本誌は独自のアンケート調査を実施。「いま、もう一度総理大臣になってほしいのは誰?」を、全国の30代から50代の男女500人に聞いた。対象としたのは、最近50年のおもな元首相7人(故人含む)だ。

 では、「もう一度総理をやって欲しい」上位4人から見ていこう。

【第4位】菅義偉(74票)

「短命ではあったが、やるべきことはしっかりやって辞めた人だったと思う。実行力に期待して、本当に再登板があってもいいと思う」(30代男性・無職・埼玉県)

「不妊治療の保険適応、携帯電話代の値下げ。国民のことを考えて行動して、実行してくれました。もう一度、なってほしい」(30代女性・主婦・大阪府)

「コロナ禍という大変な時期、しかも一年間という短い期間にしては成果を出してくれたと思う。今ならどうやって国を導いていくのか見てみたい」(40代女性・パート・石川県)

【第3位】安倍晋三(81票)

「なんといっても歴代最長の実績は評価されるべき。党内をまとめる力があり、外交でも大国首脳をよい関係を築ける。本当に惜しい人を亡くした」(30代男性・会社員・愛知県)

「いろいろ考えても、日本のために一番尽力してくれた総理大臣だったと思います。あの方以上の総理はいない」(50代女性・無職・埼玉県)

「アベノミクスがどうだとか言われますが、なんだかんだいって安倍さんのころは上手くいってたんじゃないですか」(50代女性・主婦・大阪府)

【第2位】田中角栄(90票)

「日本の骨格そのものを変えられる人物。今のままでは日本は危ない」(50代男性・会社経営・愛知県)

「ロッキード事件などマイナスなことはあったが、あのカリスマ性は現代にも通じるのではないか」(50代女性・会社員・大阪府)

「吃音を克服するなどハングリー精神にあふれる人。今のお坊ちゃん政治家たちに喝を入れて欲しい」(40代男性・会社員・東京都)

【第1位】小泉純一郎(192票)

「政策についての是非はともかく、現状を改革するんだという信念と行動力はすごかった。今こそそういう人が必要」(40代男性・無職・埼玉県)

「発信力と決断力。今のふさぎ込んだ日本を変えてくれそうな期待が持てる」(40代女性・無職・東京都)

「圧倒的な人気を背景に少し強引なところがあったのは確か。しかしそういう強引さも、今の政治には必要ではないか」(40代男性・派遣社員・東京都)

「当時演説を聞きに行ったことがあるが、人を引きつける魅力がすごい。岸田さんに足りないのは、そういう人間的なところではないか」(50代男性・会社員・宮城県)

「党内の大反対も押しのけて郵政改革をやりきったのが印象的。信念を持ったことはやり通す。最近の総理大臣は周りの意見や世論でブレブレになりすぎる」(50代女性・会社員・神奈川県)

 トップに求められるのは「強いリーダーシップ」「信念」「カリスマ性」ということのようだ。ちなみに小泉内閣発足時(2001年4月)の支持率は、読売新聞調べで87.1%など、戦後の内角としては歴代1位。なんとも隔世の感がーー。

 第5位以下は、次のとおり。

【第5位】中曽根康弘(30票)
【第6位】野田佳彦(19票)
【第7位】橋本龍太郎(14票)