大原優乃「生徒たちとはお菓子交換をしたり、恋バナしたりしました(笑)」シリーズ最新作「おいしい給食 season3」
市原隼人さん主演で送る、映画化もされた人気ドラマシリーズ最新作「おいしい給食season3」が放送中。今作からヒロインとして大原優乃さんが参加しています。新たな給食マニアの教師VS給食マニアの生徒の戦いの舞台は函館の中学校。学校給食を愛してやまない中学教師・甘利田(市原)を尊敬する英語教師・比留川愛を演じる大原さんに、撮影で食べたおいしい〇〇〇パンの話や、生徒たちとの楽しい思い出などを語ってくれました。
【大原優乃さん撮り下ろし写真】
二人の噛み合わない感じが、この作品に合っているんじゃないかな
──「おいしい給食」は2019年に始まった人気シリーズです。シーズン3から参加することが決まったときの心境はいかがでしたか。
大原 たくさんの方に愛されている「おいしい給食」に参加できることをとても光栄に思いました。主演の市原隼人さん、綾部真弥監督をはじめ、シーズン1、シーズン2と参加されてきた皆さんに負けないくらいの作品愛を持って現場に入らせていただこうと、「おいしい給食」の世界観を理解するために、改めて過去作品をすべて拝見しました。
──大原さんが演じられた比留川愛先生は帰国子女の英語教師です。どんな役作りをされましたか。
大原 80年代の物語なので、髪形を聖子ちゃんカット風にしたり、服装や小道具もすべて昭和っぽく用意していただき、言葉遣いや所作もその時代に合わせるところから役を作っていきました。それと比留川愛先生は、先生らしくない、ちょっと頼りないキャラクターなんです。市原さんのまくし立てるような早口の芝居が印象的だったので、対照的にゆったりした口調のヒロインになるように作っていきました。二人の噛み合わない感じが、この作品に合っているんじゃないかなと思ったので。
──髪形も服装もリアルに80年代っぽい感じでした。80年代風のファッションを身に付けた感想を教えてください。
大原 この作品に携われているすべての方が、「おいしい給食」という作品が大好きなんだなって思いました。衣装にも小道具にも、愛が込められていて、その1つひとつを使わせていただいたことによって、愛先生という役を作ることができたと思っています。
どんなときも私を信じて、大きな器で受け止めてくださる優しさに救われた
──市原さんがテンション高く、おいしそうに給食を食べるところも見どころだと思います。市原さんと共演した感想をお聞かせください。
大原 今回が初共演でした。どんなときも私を信じて、大きな器で受け止めてくださる優しさに救われていました。お芝居の相談をすると、「優乃ちゃんがやりたいように、自由にやっていいよ」っておっしゃってくださるので、いろんな角度から挑戦させてもらうことができました。その全てを大きくして返してくださるので、ありがたい分、私もちゃんとしたものをお芝居で渡さなければいけないといい緊張感がありました。
──比留川先生は楽しそうに給食を食べる甘利田先生をのぞき見てから、尊敬の目で見るようになりました。比留川先生は甘利田先生のどんなところを尊敬したのだと思いましたか。
大原 私も甘利田先生のどんなところを尊敬したんだろうって、探りながら役に入りました。でもあるシーンで甘利田先生は真っすぐで嘘がない、その姿に愛先生はいつも救われているんだろうなって、市原さんの芝居を通して感じたんです。それからは純粋に甘利田先生を想うことができるようになりました。
私の場合は笑い声だけ大きいみたいです(笑)
──帰国子女の愛先生は「英語なら怒鳴れるんです」と劇中で言っていましたが、大原さんは普段大きい声を出すことはありますか。
大原 会ってみると意外と静かだねって言われます。明るい役や笑顔の写真が多いので、元気な印象を持っていただくことが多いんですけど、人見知りなので普段は静かなほうです。私の場合は笑い声だけ大きいみたいです(笑)。
──愛先生が英語なら大きい声が出せるように、「これがあれば」はっきり言えるんだけどというものはありますか。
大原 時間があれば(笑)。作品に入ると、最初は人見知りしてしまって、市原さんにも緊張し過ぎて、「最初怒っているのかと思った」って言われてしまいました。そのぐらい人見知りですけど、時間があれば……。そこは直したいところでもあります。
──大原さんご自身の給食の思い出を教えてください。
大原 小学校の頃、食べるのがとても遅くて、昼休みになっても1人残って食べている生徒でした。当時はあまり食に興味もなくて。だから当時、甘利田先生に出会えていたらなって思います。
──好きなメニューはありましたか。
大原 揚げパンとABCスープです。アルファベットの形をしたパスタが入っているポトフみたいなスープでした。
──撮影で食べておいしかったのは?
大原 コッペパンです。「おいしい給食」のコッペパンは、お芝居がしやすいようにと、この作品のために考慮されて作られているものなんです。市販のものより2倍くらい大きくて、お芝居がしやすい硬さになっています。味もミルク風味で、ほんのり甘くてすごくおいしいんです。撮影でコッペパンが余るとスタッフさんたちの間で争奪戦になっていました(笑)。フードコーディネーターさんが作ってくださる給食は、どれも本当においしいです。給食のシーンは昼休の前に段取りをして、昼休の後に本番を撮るんですが、みんなお弁当を我慢して給食を食べるぐらいでした(笑)。
──甘利田先生の食べっぷりは近くでご覧になっても気持ち良さそうですね。
大原 私は食べるお芝居が一番難しいと思っています。食べ物を美しく見せながら、その役として表現されている市原さんのお芝居を見せていただいて、本当にすごいなって改めて尊敬しました。
先生らしくなかった愛先生がどのように成長していくのか、ぜひご覧になってください
──中学生ぐらいの世代の子が多い現場だと思いますが、現場の雰囲気はどんな感じでしたか。
大原 今回が初の教師役でした。今までたくさんの生徒役をやらせていただいた分、先生役はとてもプレッシャーでした。自分に務まるのかなって不安があったんですが、生徒の皆さんが私を先生にしてくださったなと思っています。休憩時間に「愛ちゃん、愛ちゃん」っていつも話しかけてくださって、お菓子交換をしたり、恋バナをしたりしました(笑)。クランクアップのときは、生徒の皆さんが市原さんと私にサプライズで寄せ書きをプレゼントしてくださって、涙が止まりませんでした。
──では改めて「おいしい給食 season3」の見どころを教えてください。
大原 給食を通して数々のドラマが展開されていきます。私が演じた愛先生に関しては、最初は先生らしくなかった彼女が、全10話を通して、どのように成長していくのか、ぜひご覧になってください。
ちょっとでも時間があれば愛車に触りに行くくらいです
──ここからはモノ、コトに関することをお聞かせください。今、サウナと車にハマっていらっしゃるそうですね。
大原 サウナは3年前、コロナ禍の前からハマっています。そのときに入っていた作品が、私以外全員サウナーで、空き時間に現場の近くのサウナをいつも調べていたんです。好きなものをお話されているときって、一番魅力的ですよね。共演者の方々からお話を聞いて、自分も行ってみたらハマってしまいました。
──1人で行くことが多いんですか。
大原 1人で行くときもあれば、友達と行くこともあります。その日の体調や行くサウナに合わせて、今日は何分まで入ろうかなって時間調節するようにしています。あと車の話にも繋がるんですが、車が届いたので、弟とドライブして、新規開拓をしたりもしています。
──車はもともとお好きだったんですか。
大原 今年の1月に免許を取ったばかりです。今は作品に入っているので、誰かとドライブに行ったりできないんですが、ジムに行くときによく運転したり、親友が犬を飼っているので、お家まで迎えに行って、夜の代々木公園を散歩しました。
──免許を取ったら車は買おうと決めていらっしゃったのでしょうか。
大原 そうですね。ペーパードライバーになる前に買いたいって思っていました。私は鹿児島県出身で、車社会で育ったんです。人混みが苦手で自然が恋しくなることもあるので、休日は弟を連れて、自然に癒されたくて車で出かけることもあります。
──「これだ」って思う車にはすぐめぐり合えたのですか。
大原 試乗しに行くまでが長かったですね。もともと車をそんなに知らなかったので。でも凝り性なところがあるので、全部調べて知った上で、「これかな」って思ったものがあり、1回試乗して決めました。それが今の愛車でひと目ぼれしました。
──ポイントは何だったんですか。見た目? それとも乗りやすさ?
大原 どっちもでした。親の意見は聞きませんでした(笑)。「こっちの色がいいんじゃない?」って言われましたけど、結局乗るのは自分だから。私は長く愛せるものがいいな思ったので、内装の色をカスタムしたりしましたけど、全部自分で決めました。
──車に対する愛情が深まっていそうですね。
大原 ちょっとでも時間があれば愛車に触りに行くくらいです。作品に入っている間は我慢しているんですけど(笑)。
おいしい給食season3
10月9日よりテレビ神奈川、TOKYO MX、BS12 トゥエルビ、TVerほかにて順次放送中
【「おいしい給食season3」よりシーン写真】
(STAFF&CAST)
監督:綾部真弥、田口桂
脚本:永森裕二
出演:市原隼人
大原優乃、田澤泰粋、栄信
六平直政、いとうまい子、高畑淳子、小堺一機
(C)2023「おいしい給食」製作委員会
撮影/河野優太 取材・文/佐久間裕子