表参道、外苑前、青山一丁目。その路地裏にある高級感と色気を兼ね備えた名店だけをピックアップ!

今回は、大切な人と行きたい外苑前のおすすめレストランをご紹介。

高級食材が愉しめる中華、独創的なつまみが魅力の鮨店、手作り野菜を駆使したフレンチ、トリュフ専門店、“映える”料理が目白押しのフレンチ…デートにぴったりの5軒がこちら!

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1.精悍な大将による伝統と革新の饗宴が、青山で鮨を刺激的に
『鮨 将司』



店は南青山三丁目交差点からすぐの路地に立つ、雑居ビル5階に。外からは想像できないほど中は奥に広い。白壁の角が“波”の湾曲部分だ


外苑前の路地裏のビルに入っている、青山らしい洗練を落とし込んだ鮨店『鮨 将司』。そこは大将もスタッフも一流ホテル出身。

きめ細やかなサービスが安心感を与え、確かな系譜を受け継ぐ握りと創意あふれるつまみで構成されるコースは、大切な人と共有してさらに価値が高まる。



飛石が配されたアプローチを進んで入る店内は、漆喰の白壁が印象的。

よく見ると湾曲していて、「波のイメージ」とはよく日焼けした大将・山口将司さん。


青山で自分のスタイルを確立させて、いずれは世界に江戸前鮨を伝えたい

大将・山口将司氏(42歳)。19歳の時にサーフトリップで訪れたLAで出会った先輩を機に、鮨職人として世界を目指すことを決意。今年7月「ザ・リッツ・カールトン福岡」に『幻珠 by 鮨 将司』を開業


海、魚、サーフィンを愛する大将らしい背景である。

山口さんは若くして『鮨 ます田』の一番弟子となり、一流ホテルに入る分店で活躍し、独立した。師と仰ぐ増田さんは『すきやばし 次郎』出身で、その系譜を継承。

目指す鮨は「しっかり握り込むけど繊細にほぐれる鮨。酢飯と魚の一体感を届けたい」と、かの名店に通ずる哲学がある。


どちらも『やま幸』のまぐろにして、まったく異なる美味しさが炸裂!

この日の「中トロ」は塩釜産。「経歴を踏まえ酢飯に色はつけず、白いながらも深みを出す」と、赤酢は控えめ。米の炊き方でも旨みを引き出す


噛むごとに味わいが花開く鮨は、喉を通過しても食感や旨みの余韻が続く。

そんな刹那な数秒をともに味わうのが鮨デートの醍醐味。



「大トロ」の後に登場する「小肌」は、脂を流す意味で強めに締めている。温度低めでキリッとした食べ心地だ


そのまま食した後、TKGにして“二度美味しい”トロのすき焼きなど、独創的なつまみも豊富で杯も進む。




「大トロのすき焼き」は「脂が多く、温度を上げると美味しくなるから合うはず」と閃いた逸品。

大トロを割下の中でミディアムレアに仕上げ、奥久慈卵に浸す。脂が程よく落ちたコク深い卵液が酢飯にマッチ。




酢飯を入れてTKGに!



ワインと相性抜群な「蒸し鮑」。蒸した際の汁を詰めた煮凝りと混ぜた肝が、まるでチーズのような濃厚さ。料理はすべてコース(33,000円)より


店にはホテル時代の仲間が常駐し、スマートな接客を受けられるのもメリットだ。

満ち足りた食後に店を出れば、艶やかな青山の夜が広がっている。


■店舗概要
店名:鮨 将司
住所:港区北青山2-12-27 5F
TEL:03-6384-5526
営業時間:[一部]17:30〜
     [二部]20:00〜
定休日:日曜、祝日
席数:カウンター9席、個室1(4席)



2.手作り野菜を駆使して仕立てる美しきフレンチが彼女を笑顔に
『プレヴナンス』



モダンな店内にテーブルをゆったりと配置


国産食材を使って洗練されたフレンチを提供するレストランは今や珍しくないが、『プレヴナンス』は使う野菜の多くが自家栽培で他とは一線を画す。

手間暇かけた野菜を美しく仕立てるセンスも素晴らしく、連れ出した女性の心をときめかせる。


みずみずしさと力強さ漂う手作り野菜の存在感たるや

静井さんの地元である茨城・古河に自家農園はある。自然に任せて栽培し「収穫し終えるまで使い切る」。撮影時は夏野菜中心で、皮で清涼感を醸す青柚子やソースの香味に欠かせないにんにくなど。シソやフェンネル、ナスタチウムといったハーブも育てていた


「今採れるのは、なす、トマトなど。ハーブも採れますよ」とオーナーシェフの静井弘貴さん。

並ぶ野菜はすべて自家農園で育てた採れたて。約100坪の広さがあり、「水分は雨、栄養は日光」という究極の自然栽培を実践している。

「年間を通じてどのお皿にも必ず使います。野菜ありきで料理を考え、コースを組み立てている」



「自然の力強さを料理を通じて表現したい」。丸の内『サンス・エ・サヴール』、ニース『KEISUKE MATSUSHIMA』などで研鑽を積み、神宮前『レストラン アイ』でシェフを3年間務めた後に独立を果たした


日本とフランスの高級店で腕を磨いた静井さんが野菜を作り始めたのは独立してすぐ。

作るうちに、産地のストーリーを重んじて調理してきた自身の志を最も端的に示す方法こそ手作り野菜では?そう思うようになっていった。

今やそれらは必要不可欠な存在だ。


野菜を生かし切ることで花開く。美しくも可憐な料理の数々に嘆息

クスクスで作るビストロの定番サラダを、手作り野菜をふんだんに使って美しく構築。「タブレ ヤリイカのシソソース」


前菜の定番「タブレ」ならトマトにきゅうり、オクラ、ツルムラサキと、そのほとんどを自家栽培で補う。

盛り付けは繊細で美しいが、食べれば野菜の存在感は鮮烈で生命力に満ちている。




タルタルに忍ばせたにんにくに加え、魚醤がわずかに香るジュレに振った青柚子やナスタチウムが自家製。

「馬肉のタルタル ウニと昆布のジュレ」。




コチの香り付けに自家栽培のフェンネルを使用。スープはコク深く、アイオリソースがのったポテトも美味。

「コチとムール貝のブイヤベース」。


多彩なアミューズが女心をくすぐる!

コース冒頭を飾るアミューズも同店の名物。この日は3種チーズのグジェール、キャビアのサブレ、ひよこ豆のパニスなど。料理はすべてコース(15,750円)より


うれしいギャップには、つい彼女も笑顔に。

それは地産地消を極めた、いわば“自産自消”で、その先進性はトレンドを牽引する青山にこそふさわしい。



通りから少し入ったところで浮かび上がる店名が美しい。“先を見据えて行動する”を意味し、野菜でそれを実践


■店舗概要
店名:プレヴナンス
住所:港区南青山2-13-7 マトリス 1F
TEL:03-6804-3182
営業時間:ランチ 12:00〜15:30
     ディナー 18:00〜22:30
定休日:不定休
席数:テーブル22席



3.ボチボチ通りに潜むトリュフ専門店の妖艶な香りには誰しも抗えない
『テール・ド・トリュフ 東京』



地元でも知る人ぞ知る「ボチボチ通り」とは?外苑前駅1b口を出てすぐ左手に入口がある、青山通りとキラー通りを結ぶ細道。「梅窓院」の墓地と青山墓地を結ぶため、その名がつけられたとの説がある。長さは約150m

世を忍ぶ風情の路地に妖しく漏れる光が、大人たちを引き寄せる


大人のデートには誘いのフックとなる食材がいくつか存在する。トリュフはその代表的なひとつで、専門店となればディナーがイベントとなる。

出自がトリュフの本場にある『テール・ド・トリュフ 東京』なら間違いない。



静かなボチボチ通りに、まるで南仏の街角にあるようなレストランが明かりを灯す。

そこは、ニースにルーツを持つ『テール・ド・トリュフ 東京』。



個室も完備する店内で、狙うは左奥の2名個室。高級食材をリラックスして食べてもらうべく、アットホームさも感じられる造りに


本店に近づけたという内装は木の温かみを感じられる空間で、壁にはトリュフを描いたアートがあり期待が高まる。


本能に訴えかける香りから、青山のトリュフナイトが口火をきる

「本日のトリュフ」をプレゼンテーション!右上から時計回りに、イタリア・ウンブリア産サマートリュフ、オーストラリア産黒トリュフ、ウンブリア産黒トリュフ、フランス産サマートリュフ。各々の香りの個性を楽しむ


ディナーはコース一本でなんと全7品にトリュフを使用。

まずは本日のトリュフのプレゼンテーションから始まり、この時点で芳醇な香りが卓上に充満する。

アミューズのトリュフコーンを口にしてシャンパンを飲めば、気泡が香りを立てて序盤から高揚。

続くカツオやうににもトリュフが合うと知り、本店のスペシャリテでさらに没入する。



名物「ポテト トリュフ」は仕上げにサマートリュフをスライス


それは芋のローストに秘伝のトリュフクリームを合わせたひと皿で、濃厚かつリッチな香りが鼻から抜ける瞬間が快楽的。



「常陸牛ヒレのロースト 黒トリュフ」。トリュフ入りのジュがかかり、最後に“追い黒トリュフ”を


メインの肉に舞うトリュフが優雅さを後押しし、〆はトリュフご飯。




鶏のブロードに白醤油、バターを合わせたスープにコシヒカリを投入。黒トリュフをのせて鍋ごとオーブンで温めた「トリュフごはん」。

料理はすべてコース(18,700円)より。


トリュフが引き立つワインペアリングも!

右から前菜に合わせるブルゴーニュのシャブリ、スペシャリテ用のラングドックのシャルドネ、肉にはボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨン×メルロー。ペアリング5杯 11,000円


香りを共有する2時間はデートに十二分な艶を与え、やはりトリュフは媚薬だと帰路で気づくかも!?


■店舗概要
店名:テール・ド・トリュフ 東京
住所:港区南青山2-27-6 Reve南青山ビル 1F
TEL:050-1807-6980
営業時間:ランチ 11:30〜(L.O.13:30)
     ディナー 17:00〜(L.O.20:30)
定休日:無休
席数:テーブル12席、個室3(10席)



4.ガストロノミーを熟知したシェフの謙虚すぎるコースに満たされて
『AIX:S』



テーブルごとに仕切りがある壁際がデートに最適。ふたりの世界に入るゲストも多いとか


「港区のフレンチ」と聞いたら高級なイメージを持つが、料理はエレガントなままにコースを6,800円で出す店が存在する。

しかもシェフはフランスの星付き店も渡り歩いた大御所だ。懐に優しい店はデートの緊張も緩和してくれるだろう。


アートな皿が目白押し
ディナーコース 全9〜10品 6,800円


コースの価格について「若い人にも体験してほしいからそこは折れない」と、『AIX:S(エックス)』オーナーシェフの山下敦司さん。

25歳で渡仏した山下さんは三ツ星店で研鑽を積み、帰国後は「ル・コルドン・ブルー 日本」の教授を務め、麹町『ARGO』では総料理長として辣腕を振るった。

フランス料理歴35年の経験を惜しみなく注ぐコースが、6,800円と破格だから意味が大きい。

空間も価格以上で、アプローチを進んだ先には迫力のワインセラー。地下にして天井が高く、イタリア製シャンデリアやタイルの壁が洒脱だ。


スマホを構えずにいられない“インスタ映え”な料理は、口にすれば味わいまでも美しい


そして、供される料理の美しさに目を見張る。

特にSNS投稿率が高いのが「サーモンの燻製 モンブラン仕立て」。



開業時から提供する冷前菜「サーモンの燻製 モンブラン仕立て」。ビーツのガレットや、タピオカ粉とレモンオイル(左の粒)、台湾シークワーサーのソース(葉脈柄)と合わせていただく


ミキュイにしたサーモンにビーツとジャガイモのピュレが絞られ、まるでアートのよう。

食材の相性を追求して生まれた名物で、味の重ね方の巧みさがフォトジェニックに繋がっている。




庭園をテーマにした7種のアミューズ。




豚の耳や鼻、頭をテリーヌにした「フロマージュ・ド・テート」はグリビッシュソース、バジルのソースで。




メインは3種から選べ、写真は+1,000円の「鴨肉のロースト フランボワーズソース」。

通常コースでは大山鶏になる。




「イナダのポワレと長葱のヴァプール ブランダードのコロッケ」。

イナダ表面のナッツ類が食感のアクセント。


+8,250円でワイン14種が飲み放題に!

90分制の飲み放題もリーズナブル。「シャトー勝沼」や「丹波ワイン」など、シェフが傾倒する日本ワインを中心にした多彩なラインナップに酔いしれたい


20代カップルも笑顔で帰るとあって、気負わずに華やかな気持ちになれるデートが叶う。


キャリア35年の名手がフレンチをもっと身近に


フランスではロアンヌの『トロワグロ』や、パリの『ピエール・ガニェール』、アヌシー『マルク・ヴェイラ』などの三ツ星店で5年を過ごす。2017年に独立して『AIX:S』をオープンした。


■店舗概要
店名:AIX:S
住所:港区北青山2-9-8 セントラルレジデンス北青山アクシルコート B1F
TEL:03-6434-0356
営業時間:【月〜金】ランチ 11:30〜(L.O.14:00)
          ディナー 18:00〜(L.O.21:30)
     【土・日・祝】ランチ 11:30〜(L.O.14:00)
            ディナー 18:00〜(L.O.20:30)
定休日:不定休
席数:テーブル40席、個室1(10席)



5.豪華食材を慈しむ“中華の達人”が放つ、最上級コースの優越感たるや
『慈華』



木と石が見事に融合したソリッドな空間で!「木」で日本、「石」で中国を表現して、日本人の感性で中国料理を作る田村さんの姿勢を視覚化


青山通り沿いの“カッシーナ”の角を曲がり、路地を進んだビル2階にひっそりと佇む『慈華』。

シェフが抱く“素材、人、料理を慈しむ”精神が店名の由来で、高級食材を惜しげもなく使う最上級コースにその真価は宿る。


日本の生産者が丹精込めて育んだ、超高級食材のすごみを体感


『慈華』のオーナーシェフ・田村亮介さんは、西麻布の名店『麻布長江』を引き継いでから10年間暖簾を守りつつ、台湾でも腕を振るった、生粋の中華料理人。

当初から“素材ありき”を標榜しており、徹底して国産にこだわってきた。

店が誇る最上級コース「永華」では、全国の逸品に精通している氏が惚れ込んだ超高級食材を用いた料理の数々を堪能できる。


食材のポテンシャルを極限まで引き出した、熟練のテクニックに脱帽

岩手・三陸町の「干し鮑」。通称“吉浜(きっぴん)鮑”は、三陸町で採れるエゾアワビから作られる。凝縮された旨みはもちろん、形の美しさから香港などでも珍重される


「ここまですごい食材だと手を加えるのがもったいない」と、使う調味料は必要最小限。

例えば「鮑の煮込み」なら、味の決め手は戻し汁。下ごしらえだけで1週間はかけるが、餡は「戻し汁をただ煮詰めて作ります」。

香り付けにねぎ油を添えただけとは思えない、驚くべき滋味深さなのだ。



「干し鮑の原味煮と牛蒡餅」。アワビの戻し汁を煮詰めただけとは思えない、餡の深みある味わい。大根餅を応用したゴボウ餅とも好相性


他にも“クリアな味に惚れた”「パインすっぽん」や、繊維の太さが上質さを物語るフカヒレ、身の美味しさに唸る「七谷鴨」など、希少な食材が連続するが、どれも言葉を失う美味しさ。




沖縄・八重瀬町の「パインすっぽん」。

八重瀬町の養鼈場『亀月』が育てたすっぽん。独自研究でブレンドしたオリジナル飼料を使うため、クセがなく柔らかい肉質に驚く。




「すっぽんと夜来香(イェライシャン)のスープ」。

白玉団子の中にほぐしたすっぽんの身が。浮き身にした夜来香のツボミが香るスープもコク深い。




京都・亀岡の「七谷鴨」。

亀岡の『ななたに』が平飼いにして育てる鴨は、繊細な肉の美味しさが特徴。




「鴨の北京ダック仕立て」。

香ばしい皮の美味しさだけでなく、しっとり火を入れた身もジューシーで旨み豊か。




岩手・気仙沼の「フカヒレ」。

フカヒレは、加工技術に優れた気仙沼産が世界的にも最高級品だ。



「フカヒレ白湯煮」。ブリッとした特有の食感が楽しめるのは、希少なモウカザメのフカヒレゆえ。残った白湯には土鍋ご飯を絡ませていただく。料理はすべてコース(41,800円)より


愛する人とその贅を極めれば、忘れられない夜になる。


素材の良さをとことん引き出す“中華の達人”


実家も中華料理店というサラブレッドは、横浜『翠香園』を経て『麻布長江』で業界の重鎮・長坂松夫さんに師事。2019年末に『慈華』をオープンした。


■店舗概要
店名:慈華
住所:港区南青山2-14-15 五十嵐ビル 2F
TEL:03-3796-7835
営業時間:ランチ 11:30〜(L.O.13:00)
     ディナー 18:00〜(L.O.20:30)
定休日:月曜、不定休
席数:テーブル20席、個室1(8席)


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