「2年後の10月、ラストステージ桜島やります!」

 シンガー・ソングライターの長渕剛(67)が、2004年に故郷・鹿児島で開催した伝説の桜島ライブ “アゲイン” をぶち上げた。

 長渕は、9月28日に大阪城ホールでおこなわれた全国ツアー「2023 OH!」(14カ所20公演)の最終公演で「49(歳)で桜島オールナイト(ライブ)をやり、59で富士山麓の10万人をやりました。『そろそろなんかやらんかい』という声が聞こえてくる」と切り出し、少し間を置いてから冒頭の宣言。

 つめかけたファンから大歓声が沸き起こるなか、「お前らの前で血ヘドを吐いて死んでみせるわい!」と吠えてみせた。

 2004年8月21日、49歳だった長渕が敢行した「桜島ALL NIGHT CONCERT」は、桜島の荒地を1年半以上かけて開拓し、ライブ会場を設営。鹿児島市内からフェリーのピストン輸送で桜島まで聴衆を運ぶという常識破りなアクセスだったにもかかわらず、当時、人口6000人の桜島に7万5000人ものファンが集結。

 夜9時半から始まったライブは、翌日の朝6時半までおこなわれ、50億円の経済効果をもたらしたといわれる。これが「伝説の桜島」とされる所以だ。

 そして、2015年8月22日、長渕が59歳のとき、富士山のふもとのキャンプ場「ふもとっぱら」で開催したのが、「10万人オールナイト・ライヴ2015 in 富士山麓」だ。こちらも8月22日夜から23日の朝にかけてオールナイトでおこなわれたのだが……。

「長渕さんは10万人をことさらに強調していましたが、桜島をやった2004年に比べると影響力の低下は明らかで、観客動員は大苦戦。桜島と富士、両方に行った人の間では『桜島より人は少なかった』が共通認識です。

 ライブの数日前には、1枚1万5000円のチケットがヤフオクで100円程度で落札されたほか、『ライブモニター』という名の無料チケットが、モニター募集のテイで公式にバラまかれたほどです。要は『サクラ』なんですけど、私自身、それで行きました。

 また、長渕さんはヘリに乗ってステージに登場したのですが、その風圧で救護テントにいた女性看護師2名がケガを負ったんです。さらに終演後は、1時間半ごとの退場規制だったため、会場から出るまで10時間近く待たされた人が何千人もいて、現場は『どうなってんだよ!』など怒号が飛び交う混乱ぶりでした」(音楽関係者)

 つまり、2015年の富士山麓オールナイトの評判は、伝説となった桜島と比べて、決してかんばしいものではなかったのだ。

 そして、今回、長渕がぶち上げたのが、2年後(2025年)、21年ぶりの桜島ライブだ。2025年となると、2004年当時、40歳だった人はすでに還暦超え。ファン全体の高齢化にくわえ、長渕自身も69歳だ。

 こうしたこともあってか、長渕の2年後の桜島宣言が報じられると、ネットニュースのコメント欄やSNSには、

《そんな事しなくていいからギター一本弾き語りライブ全国を回ってほしい》

《客も高齢化していますので普通に生ギター一本で懐かしい歌を歌うライブの方が需要があるのでは?》

《ふもとっぱらの悲劇再び》

《剛…もういいんじゃないか?》

 などの声があがることに――。

 アジアのミュージシャンたちも呼んで世界平和を考えるような祭典にしたいという長渕は、具体的なプランとして「動員は5万人以上」とも語ったが、はたして長渕は今から2年後の桜島で「伝説再び」とすることができるだろうか?