今月は台風が少ない

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今月は、9月8日に台風13号が消滅してから、きょうで半月以上も台風が存在しない状況が続いています。

 9月は平年では1か月で5個の台風が発生するところ、今年は1個止まりで、もし、このまま今月いっぱい新たな台風の発生がなければ、9月の台風発生数は1951年の統計開始以来、最も少ない記録にもなります。

なぜ台風の発生が少ないのか…
今年は夏の猛暑をもたらした太平洋高気圧が、まだ、この時期でも日本の南でかなり勢力が強い状態が続いています。例年だと、9月にもなれば太平洋高気圧は真夏の時より勢力を落とす時期なのですが、今も一枚岩のような形で日本の南に雲の少ないエリアが大きく広がっています。
これにより、特に日本に度々影響を及ぼす台風が発達しやすいエリアであるフィリピンの東の海上やマリアナ諸島付近での雲の発達が抑えられていることで、なかなか台風にまで発達する雲の渦ができにくい状況であるようです。
また、台風が発生しやすい海域で東寄りの風が広く吹き抜け、台風の渦を作り出す風の流れが起こりにくくなっていることも、台風発生を阻む要因とみられます。

いずれ太平洋高気圧は勢力は縮小していく予想で、まだ台風シーズンが終わり、と言い切るには早い状況です。今、日本のはるか南でまとまりつつある雲が、今月末~来月初めには日本の南で台風に発達することを示唆する予測データもあります。

今年は季節の進みが遅いこともありますので、このあとも台風の動向には注意をしておきましょう。

(KRY山口放送 気象予報士 山本昇治)