表参道、外苑前、青山一丁目…青山の路地裏にある、高級感と色気を兼ね備えた人気店をピックアップ!

今回は、表参道でのデートがパッと華やぐ、とっておきの名店たちをご紹介。

魚フレンチ、懐石中華、女性好みのコースが楽しめる和食、イタリアン&ステーキ…個性あふれる4軒がこちら!

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1.南青山の“プラウド”にはナチュラルでラグジュアリーな夜がある
『NéMo』



六本木通りから一本入った路地に立つマンション“プラウド”の地下1階に佇む。窓があってツタの緑も見えるので、地下でも閉塞感はまったくない

隠れたマンションの階段を下りたら上がる彼女の期待値


美味しい魚を食べたい時は和食に行きがちだが、その概念を覆すフレンチが南青山で話題だ。

シェフが生粋の釣り人で、魚の生かし方を心得ているから、ゲストが“魚フレンチ”に開眼。四季折々の味を求めて通いたくなる。



魚が好きで堪らない。原点がそこだから『NéMo』は強い。

シェフの根本憲一さんは幼少期から釣りを始め、祖父が住む下田に行っては船に乗っていた。現在魚を直送してもらう漁師さんも、10代から乗っている漁船の船長。

いい魚のありがたみを肌で感じているから最良の火入れが実現し、鮮やかな香りを引き出せる。骨から頭まで使い切ろうという気概がソースのレベルも上げる。

例えば一本釣りのカンパチはレアな身と香ばしい皮のコントラストが絶妙で、アラでとったソースがピタリとはまる。

そこにジロール茸や青パパイヤを組み込むセンスはさすが『カンテサンス』などの出身者だ。


自然の素材で構成されたコージーな空間で、極上フレンチに向き合う幸せ

自然と調和した世界観を演出すべく、壁はサンドベージュに。セミオーダーのイスは石の色合いとし、回転するので引かずとも立ち上がりやすい


自然を愛するシェフは内装もナチュラルで温かいものにした。

壁に絵をかけることも検討したが、しっくりきたのは巨木の年輪。経年変化で徐々に色が濃くなり、それもまた海や等高線を表す壁になじむ。


入店と同時に焼き始めるできたてパンでお出迎え!


入店の瞬間にオーブンに入れ、約20分後に完成する自家製パン。

北海道産の小麦粉と水、塩のみを材料とし、中はもちもち外はクリスピー。席の目の前で切ると湯気が立ち上る。


食感・温度・見た目にこだわる、魚フレンチの真骨頂


並々ならぬ魚への愛情と知識により、一尾ごとの扱いを繊細なところまで心得る根本さん。

美しい見せ方も釣り人の経験あってこそ。



魚の水分量を閉じ込める温度を熟知しているから至極ジューシー


下田の船長から届いた10kg以上のカンパチは、強火で一気に焼いている。

その結果、皮と身の間がジューシーに仕上がり、中はレアだけれど生には感じさせない食べ心地に。

合わせたのはカンパチのアラのソース、ハマグリとアサリのエキス、ジロール茸、青パパイヤ、バジル。



コントラストをつける達人だから皮目はカリッ、身はプリッと完成


対馬の穴子を揚げる際に意識したのは、プリプリのエビのような食感を出しつつ、皮目はカリッとした歯応えにすること。

それが叶うと、上にのせたマカデミアナッツの香ばしさと相乗効果が生まれる。コク深いナッツが、皮目から出る脂を一層リッチに感じさせる。



魚の生態を分かってこそできる生き生きとした美しい盛り付け


実は鮎は、獰猛な魚で縄張り争いが激しい。その勇ましさを表現したのがこちらの盛り付け。

鮎を備長炭でふっくらと焼き、頭から尻尾までを鮎が泳いでいるかのように皿にのせた。

内臓のソース、枝豆とあおさ海苔、九条ねぎ、木の芽、貝だしが鮎を都会的にする。


ただのユーモアフードじゃない!“できたて”を追求した美味しい形


根本さんは基本キッチン内にいるがケバブにおいてはテーブルの隣で焼くところからワゴンにて調理。“できたて”にこだわる。



フレンチのテーブルで料理がライブ感満点に焼き上げられる意外な瞬間をふたりで楽しむ


ケバブの生地を焼く音と香りが食欲をそそる。

『カンテサンス』の元同僚フランス人がまかないとして作っていたのがアイデア元。




中は鴨のローストに香味野菜とレタス。鴨の骨からとったソースとスパイスで全体をまとめている。

料理はすべてコース(18,150円)より。


■店舗概要
店名:NéMo
住所:港区南青山6-15-4 プラウドフラット南青山 B1F
TEL:03-5962-6085
営業時間:ランチ 12:00〜(L.O.13:00)
     ディナー 18:00〜(L.O.20:00)
定休日:月曜(祝日の場合、翌火曜)
席数:テーブル20席、個室1(6席)



2.食べ慣れたふたりが行き着く、懐石中華という心地良い刺激
『青山はしづめ』



ここが中華?の不安感は夜を楽しむための仕掛けに過ぎない


意外性はデートに効くが、『青山はしづめ』はその典型だ。趣ある一軒家の階段を上った先で楽しめるのは“懐石中華”。

和の設えや国産食材が中華のエッセンスと出合った時、意外なほどの艶やかさが生まれると、青山の路地で実感する。


駅近なのに隠れ家という立地にも興味をそそられる!


表参道駅から徒歩3分。それでも店がある路地は静寂に包まれ、お忍び感満載。

少し不安を抱くから、着けた時に喜びも増す。



賑やかな青山通りを脇に入った先に、バーと中華料理店の小さな看板を並べる古民家がある


建物の前に『青山はしづめ』の行灯はあるが、扉には『バー・ラジオ』の名前しかないので開けるのに躊躇してしまう。

しかし中に入れば、バーの入口隣に中華料理店へと続く階段がある。



1階が『バー・ラジオ』で2階が『青山はしづめ』。しかし、扉はバーにしか見えないため「ここでいいの?」と、目の前まで来て迷う人が多いとか。デートでは待ち合わせしてから伺うのがスマートで、予期しないディナーの始まりをふたりで楽しめるだろう


新潟から移築した古民家を極力残した空間は、ノスタルジックな趣。



以前は『バー・ラジオ』が使用していたカウンターもそのまま使っている。多彩な器は骨董コレクターでもあるオーナーの目利き品だ


しっとりした空気感が大人のデートに最適で、料理が国産食材を多く取り入れた“懐石中華”というのも心憎い。


和食器に盛られた旬を感じる中華が、いつになく会話とお酒を進ませる

コース1品目を飾る「特製前業九種盛」。(右列上から順に)新生姜の蒸しスープ、金武アグー豚のチャーシュー、真鯛の青ねぎソース、よだれ鶏、クラゲの甘酢漬け、焼いたイチジクにピータンと泉州水ナス、エビマヨ、クリームチーズ豆腐、白バイ貝と枝豆の炒めもの。八寸さながらの美しき前菜にスタートから今宵の成功を確信する


まるで八寸のような冒頭の前菜盛り合わせに、気分は一気に盛り上がる。

美しい小鉢にのるのは、新生姜のスープやよだれ鶏などで、9品のミニコース仕立てというのもエンタメ感たっぷり。




「本マグロの冷製茶碗蒸し」。

中トロは紹興酒漬け、茶碗蒸しにはオクラや冬瓜などの夏野菜が入る。




中華の餅(大根餅)と日本の餅(粟麩)を合わせた「鰻と大根餅春巻き」。



高級食材を用いた王道中華も最高!「フカヒレステーキの蟹餡 黒毛和牛リブロース添え」。フカヒレは外はパリッと、中はゼラチン質でトロッとし、そこに蟹味噌の入った餡が絡む濃厚な味わい


その後は本まぐろを用いた冷製茶碗蒸しなど、日本の食材を中華に昇華して楽しませながら、真髄は〆に。

実はここ、数多の名店が贔屓にする「はしづめ製麺」が営む店。噛むことで山椒が香り完結する麻婆麺など、異なる2杯の麺を繰り出して実力を見せる。


老舗製麺会社が母体ゆえの高品質な〆に満たされる


「はしづめ製麺」の麺は職人技が光る名品ぞろい。

毎月2種を厳選し、麺を生かす味を探求することで唯一無二の〆が生まれる。




「麻婆麺」は、麻婆に中国山椒を使わないのがユニーク。

麺に中国山椒を練り込んだ山椒麺で、山椒の香りや辛味を加味している。




「蛤のスープ麺」のスープは、鰹昆布の出汁のみで作ったもの。ほうれん草による翡翠麺の緑が美しく透け、滋味深い香りにも安らぐ。

料理はすべてコース(19,360円)より。



月替わりで多彩な麺を提供!手前から、日清製粉の最高峰小麦粉「金斗雲」の特製麺、刀削麺をイメージしたフレックスヌードル、翡翠麺、ごぼう麺、山椒麺

はしづめ製麺とは……?


1949年に東京で創業した「はしづめ製麺」。

全国の一流ホテルや、『慈華』『イチリン ハナレ』など中華の名店にも麺を卸している。日本で初めて翡翠麺の開発に成功した。


マダムによるお酒のセレクトにも唸る!


右は中国紹興酒で“東の横綱”とされる「女児紅」グラス 1,936円。

左はブルゴーニュの「メオ カミュゼ フレールエ スール フィサン2019」ボトル 33,880円。


1階には青山を代表するオーセンティックバーが!

『バー・ラジオ』は1972年に神宮前にオープン。1998年に南青山の現店舗ができた


二軒目に間違いないバーが階下にあるのも、誘う側にとってありがたい環境だ。


■店舗概要
店名:青山はしづめ
住所:港区南青山3-10-34 2F
TEL:03-3478-3520
営業時間:17:30〜(L.O.19:30)
定休日:日曜、祝日、不定休
席数:カウンター4席、テーブル12席



3.ダイナミックに旬を楽しむ夜は、女性思いな少量コースで気遣いを
『湖月』



こぢんまりとしていながらも、使いこまれた槇の木のカウンターが、いぶし銀の趣を伝える店内。奥にはお座敷を備えている


知る人ぞ知る日本料理の名店として、表参道で56年続く『湖月』。

素材の個性を生かす硬派な料理は、名だたる昭和の文化人にも愛されたという。

そんな同店で、現在の料理長が提案するのが、少食な女性でも旬の味覚をしっかりと堪能できる少量コースだ。


スタイリッシュな街で異彩を放つ“小京都”は、経験豊富な男女も惹かれる

表参道という立地と、京都の町屋を思わせる楚々とした佇まいのギャップに新鮮さを感じる


「Ao〈アオ〉ビル」からすぐの小径に粛然と佇む日本料理『湖月』。

先代亡き後、28歳の頃から料理長を務める佐藤重行さん。東京『吉兆』で6年間修業した後、中東に渡り伝統的な日本料理の魅力を伝え続けたという経歴を持つ。

そんな佐藤さんが「少食な方でも楽しめるように」と展開するのが「やや少なめコース」。

品数は通常コースから「酢の物」が減るだけだが、各皿の量を減らすことで、“美味しいものを少しずつ食べたい”女性たちの心をつかむ。


旬を感じる食材を少しずつ盛り込んだ「八寸」の愛らしい見た目にときめく

左は生いくらの黄身おろし和え レモン釜入り、右は厚焼きたまご、鴨の松風鱧の煮凝り、さつまいもの甘煮。手前の器はトンブリとしめじ、山芋の和え物


前菜にしてコースの見せ場でもある「八寸」には、エビの旨煮やハモの煮凝りなど手の込んだ品々が少しずつ並び、まさに“美味の玉手箱”。


レギュラーポーションはこちら!


通常コースはスモークサーモンの菊花巻きが追加され、トンブリとしめじ、山芋の和え物の量が多めに。

おまかせコース(18,500円)より。



「鱧と松茸のお椀」。旨みの濃い羅臼昆布と本枯節でとる出汁は、香りがとばぬよう客が来店する直前にひくこだわりよう


上質な羅臼昆布と本枯節の旨みがバランス良く広がる「お椀」は、少量ながらも温度とタイミングに細心の注意を払う。

こういった丁寧な姿勢こそ、長年愛される所以。




「お造り」はハモのおとしと赤イカ、鯛の盛り合わせ。

イカには隠し包丁を入れ、食べやすくするとともに甘みを引き出す。




「にしん茄子」。“であいもん”の味を大切にする日本料理ならではのおばんざい的逸品。

料理はすべて「やや少なめコース」(14,520円)より。


4種類から選べる〆も女性心をくすぐる!

コース最後の「食事」は、4種類から選べる。左上から時計回りにとろろ芋をたっぷり敷いた「いくらごはん」、松の実とクコの実、大葉を散らした「鯛の飯蒸し」、世界一細い絹糸のような奈良「三輪山本」の白髪素麺を用いた「冷やし素麺」、出汁も美味しい「もずく雑炊」


老舗ならではの風格が漂う店で、そんな女性思いのコースが選べる紳士のエスコートに、彼女の顔もほころぶはずだ。


■店舗概要
店名:湖月
住所:渋谷区神宮前5-50-10
TEL:03-3407-3033
営業時間:17:00〜(L.O.21:00)
定休日:日曜、祝日
席数:カウンター8席、座敷4席



4.“ウルフギャング”が手掛けた比類なきリゾート感に大人も昂る
『IL LUPINO PRIME』



毎日昼から通し営業なので、テラス席に座るなら早めに入って明るい時間帯の緑を楽しむのが良い。この空間であれば、少しリラックスした装いがハマる


誰もが惹かれるステーキハウスの名で誘い、エスコートするは木々の緑に囲まれたリゾートライクなテラスエリア。

外が気持ちいい時季にそんなレストランでのデートを計画すれば、リフレッシュした気持ちになって会話も自然に弾むだろう。



待ち合わせにも二軒目使いにも重宝するバーカウンター


ハワイ通なら“イル・ルピーノ”の名に聞き覚えがあるだろう。

それはあの『ウルフギャング・ステーキハウス』創始者が手掛けた「ロイヤル・ハワイアン・センター」内のトラットリア。

程よいカジュアルさで親しまれてきたが、その高級業態として昨年、北青山に『IL LUPINO PRIME』は誕生した。


サンセットに合わせて来店すれば、空の色の移り変わりも観賞できる

頭上が空(雨天時は屋根あり)なので完璧なオープンエア。テラスながら白いクロスが敷かれ高級感も担保。ペットの同伴もOKだ


店内はシックなバーカウンターや大理石を多用したインテリアなど、記念日にふさわしい空間だが、この時季にオススメなのがテラスだ。

自然と共存する複合施設にあるため緑に包まれ、トロピカルカクテルで乾杯すればまさに“都会のオアシス”といったムード。



右はシャインマスカットの搾りたてジュースを使ったジンベースの「シャインマスカットマティーニ」2,400円、左はフレッシュマンゴーを潰してホワイトラムやミントで仕上げた「マンゴーモヒート」1,850円


料理は30種以上のイタリアンに、おなじみUSDAプライムビーフのステーキがそろう。



約900度まで上昇するオーブンで焼き上げた「USDAプライム フィレステーキ」は、ミディアムレアでお楽しみあれ。15,400円


アラカルトならカプレーゼで始めてトリュフのパスタなどを頼み、メインの赤身肉に至高のイタリアワインを合わせるなんて流れも粋だろう。


Tボーンステーキだけじゃない!注目業態が誇る絶品イタリアンの頼み方


ステーキに負けないくらいイタリアンを愛するウルフギャング・ズウィナー氏。

多種多様なアラカルトの中からオーダー例をご紹介!




【PRIMO】「自家製パッパルデッレ トリュフクリームソース」3,960円。

トスカーナ伝統の平打ちパスタ・パッパルデッレに、トリュフクリームを絡めた看板メニュー。トリュフをたっぷり削ったペーストや、ポルチーニの出汁が濃厚な味わいを引き立てる。

パスタは毎日キッチンでその日使う分を手打ちする。




【INSALATA】「イタリア産ブッラータチーズとトマトのサラダ」2,970円。

イタリア産ブッラータにルッコラとチェリートマトを添えたサラダ。ミルキーなチーズにさわやかなオリーブオイルが好相性。




【ANTIPASTI】「鮪とアボカドのタルタル」2,750円。

アボカドときゅうりのサラダに、まぐろのタルタルをオン。ドレッシングにライムや生姜を使っているので爽快な食べ心地だ。


世界各国から厳選したワインの品ぞろえも圧巻

右はナパヴァレーの「ケイマス・カベルネ・ソーヴィニヨン」53,000円、左はトスカーナの「ガヤ アルテニ・ディ・ブラッシカ」33,000円。各種グラスは2,860円〜提供


日常的な開放感は、パートナーを喜ばせたい気持ちを直球で伝えてくれる。

いつもなら照れる言葉も、ここなら思わずこぼれそうだ。


■店舗概要
店名:IL LUPINO PRIME
住所:港区北青山3-4-3 ののあおやま 2F
TEL:03-6804-5661
営業時間:11:30〜(L.O.22:30)
定休日:無休(施設に準ずる)
席数:テラス40席、テーブル142席、個室2(14席)


▶このほか:青山で“和”なデートがしたい日におすすめの人気店3選!外苑西通りはハイセンスな店ぞろい