フジファブリック『若者のすべて』の制作秘話。サビに隠された“引き算の美学”にスタジオ感嘆

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今さら人に聞けないような“音楽の基本”から、制作の裏側や専門テクニックなど“マニアックな知識”までを掘り下げていく『関ジャム 完全燃SHOW』。

9月3日(日)の同番組では、番組初の「キーボード特集」が放送された。

スタジオには緑黄色社会のpeppe、フジファブリックの金澤ダイスケ、sumikaの小川貴之が登場。意外と知られていないキーボードの役割とその魅力について、実演を交えながら熱く語った。

◆『若者のすべて』のサビは「和音を使わない」

フジファブリックの代表曲『若者のすべて』。この曲で金澤は珍しい演奏をしているとか。

それは、『若者のすべて』のサビでは「和音を使わない」。一体どういうことなのか?

そもそも和音とは、高さが異なる複数の音を同時に弾くこと。いくつもの指で演奏するピアノは、和音を使うことが多いというが…。

金澤は「普通キーボーディストは、和音を弾いてしまうんですよ。当時、志村(正彦)を中心にスタジオで曲を作っているときに、ギタリストが二人いる状態だと、音が全然聞こえてこなかった」と振り返る。

そこで、和音ではなく、オクターブが離れた同じ音を演奏する“オクターブ奏法”というテクニックを駆使。

「本来であればサビでエモーショナルなものになるけど、そこでキーボードが和音を弾かないことで、ちょっと空気感が出るというか。そこに歌手の気持ちが乗ればいいなと思って」といい、あえて和音を使わずに歌詞の切なさを表現しているそう。

そんな名曲の制作秘話に、関ジャニ∞・安田章大は「(曲の)物悲しさがフレーズとマッチして、その空間が何かを孕んでいるように感じる」とコメント。スタジオメンバーは「引き算の美学」と感心していた。