そろそろ「自分に似合う服」を知り、毎日コーデが楽しくなるようなクローゼットにしませんか? スタイリストに聞いたコツを、元祖・節約主婦として知られ、カウンセラー・エッセイストとして活躍する若松美穂さんが教えてくれました。

50代が「一軍の服」だけ残したクローゼットをつくる方法

最近、スタイリストさんとファッション講座やカラー診断のコラボ企画をしています。クローゼットカウンセリングとファッション講座で、ド素人である50代の私が学んだことを6つまとめてみます。

【写真】同じ服でもメガネで印象が変わる<ビフォー&アフター>

 

●1:「同じ服」を着てもいい

たくさんの数や種類の洋服をもたなくていいと、スタイリストさんが教えてくれました。
「本当に似合うものを、制服のように着ればいい」のだそう。
いつも同じ服だと気になるのかもしれませんが、会う人が異なれば問題なし。

実際、何度も彼女にお会いしますが、その言葉通りトップスは同じでボトムスだけ違う。同じ服でも靴とバッグ、肩にかける上着が違う。そうやって変化をつけています。髪の色とメガネを変えた…など、同じ服のなかでも、楽しい変化を見せていただいています。

ちなみに私も最近、だてメガネを活用し始めました。同じ服でも印象が変わります。

ノーメイクのときに役に立つだけではなく、シワやシミに目が行くことも適度に隠せている気がします。

 

●2:「シンプルな服」のほうが合わせやすい

ついつい、シンプルな服ばかりだとおもしろみがないのでは? たまには印象を変えてみようかな…と、つい、ひと工夫ある服を手に取ってしまいがちでした。

でも、レース・フリル・袖口やスカートにふくらみのある服など、デザイン性のある服よりは(もちろんそれが似合う人や、上手に組み合わせる人もいるとして)、自分に似合うものがよくわかっていないなのならば、「シンプルなものを選ぶ」というのが鉄則です。

すると、少ない服でも組み合わせの数が増えるとのこと。これには「たしかに!」と納得しました。とにかく組み合わせがラクになります。

 

●3:「似合わない色」がわかると服を減らしやすくなる

スタイリストさん曰く、「カラー診断は血液型のようなもの」。

判定してもらって「イエベ(春秋)」「ブルべ(夏冬)」が分かっても、その中でも似合わないな色があり、それ以外でも似合うものがあるのだそう。絶対ではないんですね。

実際、お客様の診断を見ていたら、その日は3人がブルべ。でも、ある人は鮮やかな黄色や緑、ピンクの中に、その方の華やかさを際立たせてくれる色がある。またある人は、ハッキリとした白や黒がピッタリ。

別な方は同じブルべでも、黒を選ぶと喪服感が出てしまうというアドバイス。明るいブルー以外に、明るいグレーがすてきに見えるとのこと。だったら似合う色だけではなく、似合わない色が分かるために、カラー診断を活用しましょう。

カラー診断で自分の似合わない色がわかったら、クローゼット整理の際に似合わない色を排除するだけで、スッキリしました。

どうやっても似合わない、きれいに見えないなら無理して着ることはありません。
いらない服の目安がつき、手放すときに迷いがなくなりました。買うときの参考にもなりそうです。

●4:「第3者」に意見を聞いてみる

自分のコーデを見て「なにかが違う」「これはどうだろう?」「いいかも!」と感じることがあります。自分のことをいちばんよく知っているのは自分なのだから、その感覚は大切にした方がいいとスタイリストさんは言います。

それと同時に、買い物の際や普段のコーデについて、だれかに意見を求めてみるのもいいのだそう。私も家族に、白や黒・ハッキリした色の方が似合うねと言われ、意識するようになりました。

また、デザイン性の高いものにチャレンジしようとすると、娘に「その服自体はかわいいけれど、なにと組み合わせるの? 合う服は持っている?」と聞かれます。そのひと言で立ち止まり、無駄買いを防ぐことも。

客観的な意見に耳を傾ける。悪くないのかもしれません。

 

●5:「コンプレックス」が魅力になる

次は体型のコンプレックスについて。
たとえば、お尻が大きい、胸が大きいというお悩みがあったとします。でもそれは、グラマラスという魅力にもつながります。

逆に細すぎるのに悩んでいる人は、ボリュームのある服を着ることができるということ。体型を隠すだけでではなく、その魅力を生かす方法を知ると、洋服が選びやすくなるようです。

私は胸元が薄いのと、もともと寒い地域で育ったので、胸元は隠してタートルネックなどで覆いがちでした。でも実際は丸顔なこともあって、襟元、胸元を開いた方がスッキリ見えるタイプだと判明。

そこでタートルネックは冬のゴルフ用などを残し、ほぼ処分。

好きなのに着こなせなかった「胸元があいた服」を引っ張り出して着てみたら、周囲にも好評。洋服を着こなすと同時に、自分のマイナスだと思っていた部分を好きになる感覚が新鮮でした。

 

●6:「便利!使える!」は人によって異なる

ネットやSNSを見ていると、「この服は便利! 使える!」という投稿を見かけます。でもそれがそのまんま自分に合うとは限りません。

たとえば、スッキリ見えるオールインワン。おしゃれな人は着ているし、コーディネートしやすくて便利だという意見もよく聞きますが、私は苦手です。夏場、外出時にお手洗いに行ったら、裸状態。虫が多い場所や外のトイレでは心地が悪い。そんな部分が気になって避けています。

似合う、似合わないだけではなく、暮らし方や骨格、好みなども考慮すると、「便利! 使える!」は人それぞれだと認識することも大切なんだなと思いました。