皮膚の感覚が鋭くて髪の毛が切れない…発達障害の子どもの「散髪」の悩みを解決する美容師の挑戦
2030年までに、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標「SDGs」。
テレビ朝日の番組『しあわせのたね。』では、さまざまな課題に取り組み、くらしを未来へ紡ぐ“はじめの一歩”を実践する人たちを紹介している。
今回取り上げるのは、発達障害の子どもたちのヘアカットをしているNPO法人「そらいろプロジェクト京都」理事長の赤松隆滋さん。
赤松さん:「ドライヤーやバリカンの音が苦手な子どもや、発達障害など特性がある子どもたちのヘアカット、“スマイルカット”をしています」
皮膚の感覚が鋭く、寝ているときでもカットができないという自閉症の男の子がやって来た。赤松さんは工夫を凝らして男の子をヘアカット。
男の子の母親は、「散髪問題が私の中ですごく大きくて。この子がこれだけ切れるようになっているし、(スマイルカットが)広がったらいいなってすごく思っています」と喜んだ。
◆「なぜこの子は嫌なのか」
そんな赤松さんがスマイルカットをはじめたきっかけは…。
赤松さん:「(はじめて発達障害の子どもの髪を切ったとき)ちょっとくらい大丈夫かなと思ってバリカンを使用したら、聴覚の過敏でパニックになったという苦い思い出があって、そこから真剣になぜこの子は嫌なのかを学び始めました」
子ども一人ひとりの特性に寄り沿い、のべ6500人以上のヘアカットをしてきた赤松さん。そんな彼が未来に叶えたい夢は?
赤松さん:「小さな成功体験を繰り返していくうちに、髪の毛を切るのが好きになる。その延長線上には、歯医者にチャレンジするとか、次のステップに向かえるきっかけになると思う。美容業がそういう役割になったら嬉しいなと思っています」
なお、次回9月2日(土)放送の『しあわせのたね。』では、茨城県の無形文化財「西ノ内和紙」を使用してマネキンを作る企業を紹介する。